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朝が来ても私の部屋には誰も来ない。私にはメイドも執事、使用人の一人すらいない。
だから起きるのも着替えるのも、いつも一人。
家族との朝食は私の席に食事はあるが早くても遅くても、家族は私の事をいないものとして過ごす。これは食事の時以外でもそう。
普通の貴族の令嬢が習うマナーは本で覚えた。
授業も受けさせてもらえないので私は本で全てを知る。魔法も。
きっと私が居なくなっても家族は誰も心配なんかしないだろう。これは本で見た寂しさ淋しいという感情なんだろう。
この感情を埋めるのは家族、友達と書いてあった。でも、私には家族はいない。
なら、友達はどうだろうか。友達は外に出てお茶会やパーティーなどで作るそうだ。
でも、私はこの家から出たことがない。家の構造なんてわからない。出口がどこかわからない。
私はずっとここに居るのだろうか。生き続けて死ぬのだろうか。私に死んで欲しいのだろうか、でも食事を出され続けるのは何故だろう。
夜に目が覚めた、夜は朝とは別の世界だった。
光のない世界、私によく似合う。
ふと、机の方に目を向けると寝る前にはなかったはずの紫色の本が置いてあった。
気がついた時には全て読み終わっていた。
内容はネクロマンサーについて。
人間に会えないなら、霊を召喚して友達になればいいんじゃないだろうか。
もうこれしかないと思った私の行動は早かった。
記憶した術式を頭の中で思い浮かべ、無詠唱をした。
記憶した術式が手から出てぼんやりと光、中心に黒い霧が出たかと思ったらデカく人形になり霧が晴れ中から赤髪の黒い霧の様な翼を持った男性が出てきた。初めの友達は女の子が良かったな、なんて気持ちがあったが、まずは挨拶だろう。
「こんにちは、あなたを召喚したクロミスよ。あなたの名前を聞かせて?」
「俺の名はリアスだ。何の様で召喚した?」
「あなたと友達になりたくて召喚したのよ。」
「友達か、いいだろう。よろしくなクロ。」
「クロ?いいわね、よろしくね。リアス。」
クロミス・ヴェールデン
公爵家の令嬢だが存在しないものとして扱われている。食事は何故か用意されている。
黒髪黒眼、頭の上のリボンがチャームポイント
ネクロマンサー
リアス《ジュリエアスト》
赤髪黄金の瞳、背中には黒い霧の様な翼。
実はクロミスのことをずっと守っていた、食事を用意したのもリアス。
正体は魔神ジュリエアスト。
「おはよう、クロミス。」
「おはよう、リアス。夜だけど。」
「夜が俺らの朝だから、問題ないだろう。」
「そういうものなのね。今日は何するの?昨日は気づいたら寝ちゃってて……。」
「何でも好きなことしよう。」
「うん、そうね、あなたのお話聞かせて。」
「わかった。」
リアスは沢山話してくれた。外の世界の事を。
「なあ、クロミスこんな家出て俺と一緒に世界を旅しないか?」
「!……ありがとうリアス。私もそう思っていたところよ。」
「行くぞクロ。」
「ええ」
扉ではなく窓から外に出た、ああ……空というものはこんなにも広がっていたのね。
ガラス越しの世界ではなく肉眼で見る世界はとても綺麗だった。
「わぁ綺麗、夜の街ってこんな感じなのね!」
「ずっとこの景色を見せたかった。もっと沢山綺麗な景色を見に行こう!」
「うん!」
「とりあえずギルドに行って、身分証を作ろう。」
「私みたいな怪しい人でも作れるのかな?」
「ギルドは来る者を拒むことはない。」
「そうなのね、よかった。」
「ここだ。」
「大きいのね。」
「よし、入るか!」
ガヤガヤ
『今日のクエスト楽勝だったわー』
『ただの薬草取りだろw3年冒険して何やってんだよw』
『以外とちまちま稼ぐの楽しいぞw』
『見て見て!この防具新品なのー!!』
『僕のは新品の剣!』
ガヤガヤ
「賑わっているのね。」
「この国一のギルドだからな。」
「へぇ。」
「すみません、俺らギルド登録したいんですけどー。」
「はい、ギルド登録ですね!では、こちらの水晶をお触りいただけますか?」
「まず、俺から。」
《名前 リアス 》
《種族 ??? 》
《性別 男 》
《年齢 ??? 》
《ランク C 》
《ギルド アグヌス》
「なるほど、次は私ですね。」
《名前 クロ 》
《種族 人間 》
《性別 女 》
《年齢 16 》
《ランク C 》
《ギルド アグヌス》
「はい!無事に登録完了です!!ランクを上げるためにはクエストをひたすらする事です!!では、良き冒険の日々を!」
「このカードがあれば基本どこにでも行けるぞ。」
「へぇ、便利なのね。」
「おいおい?この世界そんなに甘くねぇぞ?」
「はい?」
「お兄ちゃんとお嬢ちゃんは恋人でちゅかあ?」
「ぎゃはははwwwきめぇよwww」
「お子様カップルは家おねんねしてなっwww」
「恋人……いえ、私たちはお友達ですが。」
「お友達ぃ?嘘が下手だなぁ〜男と女が二人でいるってコトはぁつまり恋人ってことなんだよぉ〜www」
「はぁ、貴方が何と言おうと私たちは友達なのよ。それに家で寝る?このギルドは来るものは拒まないと聞いたけど?」
「ふん!来るもの拒まないって言っても例外はあるに決まってんだろぉ〜暗黙の了解でちゅよ?www」
「煩い」
「はぁ?やっと反論?w」
「そうです!煩いですよ!!デンまた貴方ですか!?次、他の冒険者さん達に迷惑掛けたら追放と言いましたよね?」
「リリーちゃん!?まっ、待ってくれよぉ!ワイはちょっとよ、酔ってただけだよぉ!!!」
「それ言うの10回目。デン今日までお疲れ様です!!」
「すみませーん!!あのクソ酔っ払い親父がぁ!!」
「いえ、全然大丈夫よ。」
「本当ですかぁ?あの人のせいで過去に新人冒険者さん数人辞めてしまう事があったのです。……ご迷惑掛けたお詫びとして夜ご飯奢らせてください!!」
「リアス、貴方……悪趣味ね。」
「人が堕落してく様は面白くてね。」
「私、少し困ったのよ?」
「クロ、かなり言い返せてたじゃないか。」
「初めてよ、あんなに反抗したの。」
「明日は早いしもう寝よう。」
「うん……おやすみ。」