テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第一話
雨の音が窓を打つ。
重く暗い書斎の中で、二人だけが孤立していた。
ナチスの瞳は、いつもより鋭く光る。
ソ連は机の角に手を押し付け、呼吸を整えようとしたが、震えは止まらなかった。
「…まだ、俺を試すのか?」
ソ連の言葉は乱暴で、怒りが混じっていた。
だがその瞳の奥には、逃げられない恐怖が隠されている。
「試す?いや、ただ…お前の限界を見ているだけだ」
ナチスは低く、冷たい声で囁いた。
言葉には独占欲が混ざり、ソ連の心を静かに締め付ける。
ソ連は唇を噛む。
口では罵ってみせるが、体は正直だった。
肩が震え、指先は無意識に机を握りしめる。
怒りで仮面を作っても、心の奥底で気づいてしまったのだ――
「俺…愛されてるのか…?」
その思いを振り払おうと、ソ連は声を荒げた。
「ふざけるな!俺を支配できると思うなよ!」
だが声は掠れ、荒い息が漏れる。
体も思うように動かず、怒りの仮面は崩れ始めた。
「…逃げられないな」
ナチスはソ連の目を覗き込み、手をそっと伸ばした。
触れられた瞬間、ソ連は反射的に身を引く。
しかしその動きも虚しく、ナチスはゆっくり距離を詰める。
その瞬間、心の中で小さな希望が芽生えた。
――この人は、俺を壊したいわけじゃない。
愛してくれてる、だから…応えたい。
だがその希望は、すぐに絶望と混ざり合う。
体は震え、心は張り裂けそうで、応えようとすればするほど自分を追い詰める。
ナチスの手は、優しさと独占欲を同時に伝え、ソ連の理性を確実に崩していく。
雨音と二人の荒い呼吸が混ざり合う中、
絶望と希望は微妙なバランスで揺れ動き、誰も救いの手を差し伸べることはなかった。
密室に漂うのは、追い詰められたソ連と、病みながらも抗えないナチス。
二人の心理が交錯するその空間こそ、まさに 絶望の孤独病 の前触れだった。