テラーノベル
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fjsw→omr…?
fjswしかいません。
淡々としてるだけのお話。
元貴のことが綺麗だなあって思う。
信じられないくらいに透き通ってて、僕が今まで見てきた中で、いちばん純粋な生き物だと思ってる。
何年も一緒に居て、傍で見てきて、喜怒哀楽それ以上の色々な感情を出す彼を見てきたけど、どんな元貴を見ても、やっぱり綺麗だなぁって思う気持ちは1ミリもぶれなかった。
音楽に対する姿勢とか思いとか。制作に向き合う姿とか。
真っ直ぐだ。
たまに悪意や好奇の目に晒される事もあるけど、それでも。
矛盾してるかもしれないけど。
純粋だけどピュアじゃないんだ。
純白かと言われたら、そうじゃなくて。
むしろ、白か黒かで言われたら、白じゃない。
世の中の悪意も善意も知ってて限りなくグレーだし、心が真っ白だとは全然思わないけど、そういうことじゃなくて。
何も知らない純白の純粋さが綺麗なんじゃなくて。
何でも知ってるからグレーにくすんでるけど、それなのに純粋で綺麗でいられるのは、逆にすごいと思うんだ。
白くないのに透き通ってるって、すごいことだと思う。
元貴の才能がそうさせてるのかもしれない。
そう思ったら、彼に誘われて、ついてきて間違いじゃなかったと心底思う。
売れたから、有名になったから、じゃない。
何処までも、ひたすら、汚れても傷ついても、屈しない純粋な元貴を傍で支えられるから。
傍で感じて、それを共有してくれて、頼ってくれる。
こんなに純粋なひとの、音楽の一部であれることに、僕はこれ以上ない幸せを感じていた。
(今日の元貴も、きれーだったなぁ)
ツアーも終盤、あとは明日のラストを残すだけ。
自宅には帰らず、会場近くでマネージャーが押さえてくれただいぶ値の張るホテルの一室で、僕は立ち尽くしていた。
部屋の中には僕ひとり。
やっとひとりになれて、ずっと心で押えてた感情がとめどなく溢れ出して、それを噛み締めている。
元貴の綺麗さを一番肌で感じるのが、歌ってる時。
テレビ仕様じゃなくて、すごく開放感のあるライブ空間での元貴は、そのまま芸術か何かかと思うほど、きれいだ。
「…う、ん。やっぱダメかも」
頭がクラクラする。
顔も火照ってきて、全身がぽかぽかしてきた。
ライブの後だって言うのも、もちろんあるけど。
一旦部屋で休んでから、元貴が自分の部屋に集まってって言ってた。明日のラストの打ち合わせしよって。何時だったっけ…。
少し、体を冷やす時間くらいはあったはず。
僕しかいないからいいか、と全部の衣服を放り投げるようにして脱いで、浴室へ向かった。
よく言われるけど、僕はやっぱり変わってるんだと思う。
天然とかそういうんじゃなくて、感覚というか、色んなものがズレてると言うか。
自覚は薄々あったけど。
歌ってる綺麗な元貴を見ていると、ものすごく、体が疼く。
別に、歌ってる姿がえっちだなって思ってるわけじゃないのに。
アップテンポな曲だってあるし、曲の雰囲気とかじゃなくて、元貴はどんな歌を歌ってても純粋で綺麗で。
僕は、いつも何故かその姿に刺激される。
分かりやすく言うと、ものすごく興奮してしまう。
「…っぅ、」
ざぁっと冷水のシャワーに打たれて、自慰をする。
広い浴室の床に座り込んで、火照ったからだと内側の熱を解放したくて。
やってることは男の生理現象として当たり前だけど、そもそもあんまりそんな欲に駆られることもない僕が、唯一自分からひとりでそういうことをする瞬間。
やってることは普通だけど、きっかけがまんま変態すぎて、絶対誰にも言えない秘密。
そんなに経験もあるわけじゃないし、激情に襲われてるわけでもないから、ほんの少し硬くなった芯を緩く弄るだけの、かわいい行為だけど。
は、と熱い息が漏れた。
ひっきりなしに降り注ぐ冷たいシャワーの水が口に入り込む。
いや、全然かわいくないか。
全然、性的でもなんでもない歌ってる元貴の姿を思い出して自慰行為に耽っているなんて、全然かわいくなかった。
かわいくないどころか、気味が悪いとさえ思う。自分のことなのに。
いつからか、と言われたら、多分最初から。
僕より小柄な体に溢れるほどの才能を湛えて、それらを上手くコントロールして表現して。
自分が伝えたいものに対して純粋にストイックで。
どちらかと言うと、禁欲的に見えるのに。
元貴が歌う姿は、僕を興奮させる。
多分、僕がおかしいんだと思う。
くすんでるのに透き通ってて、純粋で綺麗な元貴を見て、体の熱が上がるなんて、僕がおかしいとしか言いようがない。
多分、そういう対象で見てると言われても否定できないくらいには好きだとは思うけど、決して、元貴をどうこうしたいとか、どうなりたいとかじゃない。
元貴はずっと綺麗でいて欲しいし、グレーで純粋なまま、いて欲しい。
こんな歪んだ性癖の僕がどうこうしていいひとじゃない。
なのに、僕がやってることって、たとえ誰にも迷惑はかけてなくても、元貴の音楽に対する冒涜だよね。と。
いつも、懺悔したくなる。
冷水を浴びたって、禊になるわけでもないし。
むしろ、冷水浴びながら自慰って、そもそもの行為が禊とは程遠い。特殊すぎる自覚はある。
やっぱり僕は、変わってる。
座り込んで俯いて、内腿がぶるぶる震えて、足の指に力が入った。
とくとくと小さく脈打つ熱を緩く摺って、尖端を爪でぐりっと刺激する。
「っあ、…は、」
小さく声が出て、とろっとした粘液を吐き出した。
射精なんて言えたもんじゃない、少し溜まった熱を出しただけという、そんな程度。
それだけで、僕の熱はおさまるから、まだ大丈夫。
また明日も、この誰にも理解できないような僕の性癖を隠しきって、元貴が歌う綺麗な姿を見ていられる。
ライブのフィナーレ。
そのステージで歌う元貴は、きっと、より一層綺麗なんだろうな。
近くで見られるのは僕と若井の特権。
その特権なくさないよう、この性癖は絶対に隠し通さないと。
そう思いながら、まだ熱の余韻が残る息を吐いて、僕は冷たいシャワーに身を委ねた。
next or end ?
フラグだけ立てました。
もう、オチは読めてるよね☆って言うくらいわかりやすいフラグ。
あれ、これってあぶのーまるのほうだったかな?
この程度あぶのーまるじゃないよね。
私事:昨日からお仕事の割とデカ目の研修中で心も頭も真面目一色でつらい。
ので、センシティブ!な気分でしたが、力尽きました。およよ。
コメント
2件
nextでお願いします!フラグ回収見届けさせてください🚩(お仕事たいへんかと思いますので余裕のあるときにでも😅) これはあぶのーまるではないと思います😏よくあることかと笑 ❤️さんのこと、綺麗でグレーで純粋はわかるなーと思いました😌