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忍術学園のお昼の出来事
外は快晴でお日様の温もりが心地よい季節のこと
1人叫びながら廊下を駆け回っている人物がいた
「長次ーっ!!」
六年ろ組の七松小平太だ。
「おかしいなぁ、何処にもいない!」
今は同じく六年ろ組で忍たま長屋が同室の中在家長次を探している。
教室や図書室、校庭に裏山、食堂など見れる場所は全て探したはずなのに見つからない。
…避けられているのだろうか?
そう考えそうになったがそんなはずはない、今回は本当に何も心当たりがない
「他に居そうなところ…あ!忍たま長屋か!」
思いついた小平太は早速忍たま長屋の自分と長次の部屋へ走って向かった
「いけいけどんどーん!完全に忘れていた!
これでいたら灯台下暗しだな!」
部屋の前に着き、扉を開けると
布団に包まっている長次がいた
「長次いたーっ!!!ん?寝てるのかー?」
叫んでも反応がなかったため寝ているのか?
「長次ー!起きろ!!」
そう叫びながら布団を引き剥がすと
そこには息を荒らげ、苦しそうに布団に横たわる長次がいた
「ち、長次!?どうした!!何かあったのか!?」
長次「…ぁ」
覗き込むと顔は真っ赤で、額に触れてみるとすごく熱いことがわかった。
「!!熱がある、長次、大丈夫なのか!?保健室には行ったのか!?」
問いかけると長次は横に首を振った
「行っていないのか!?では待っていろ、今伊作を呼んできてやる!」
そう言い残し立ち上がり保健室に向かおうとすると
長次「ま…て」
とか細い声で長次がそう言った
「なんだ、長次?」
長次「保健委員…ピクニック…行った…もそ」
おそらく声を出すのが辛いのだろう、いつもよりもさらに小さい声でそう言ったが小平太にはちゃんと聞こえていた。
「…なんだと?1人もいないのか?」
長次「…多分」
「そうか…なら…まあ私が見るしかないな!」
長次「え」
「なに!心配するな、私だって授業で習ったからな!!」
長次「…」
長次は(授業の時話を聞かず間違え何度も怒られていたが…?)
とすごく心配になったが頼れる人が今は小平太しかいないため任せることにした
「そうだ、お粥とか作ってこようか?食べれそうか?」
長次「…少しだけ」
「分かった!では薬とか持ってくるから少し待っていろ!長次は寝ててくれ」
言い残し素早く保健室へ向かった
保健室に着き、障子を開けたがやはり誰一人として保健委員はいない。
本当にピクニックに行ったんだ
なぜ長次は知っているのだろうか
長次は大丈夫なのか
など色々なことが頭に浮かんだが今はそれどころではない、解熱用の薬や必要なものを探さなければ
まずは薬箪笥を開け薬を探すことにした
ーーー
薬を探すのに時間がかかってしまった、
薬や必要なものを見つけたあと食堂に急いで向かいお粥を作った。
長次は大丈夫だろうか?
急ぎ足で、薬やお粥等を落とさないように抱え走った
「長次ー!大丈夫か!」
扉を勢いよく開け、確認すると長次は眠っていた
だが魘されていて汗をかき、とても苦しそうだ
「長次、起きろ、寝る前に薬を飲もう」
優しく肩を叩くと目を覚ました
長次「…あぁ」
「まずお粥だな、体起こせそうか?」
長次「…多分」
「…あ、ちょっと待っていろ、枕とか持ってきてやる」
立ち上がり、衝立の奥から自分の枕や布団を持ってきて背もたれを作った。
「この方が楽だろう!」
長次「…ありがと…う」
「大丈夫、細かいことは気にするな!それより喋るのしんどいだろ、無理に話さなくてもいいからな」
そういうと長次は無言で頷いた
「とりあえず、はい、口を開けろ」
長次「自分で…食べる…」
「いや、遠慮するな!こんな時くらい甘えてもいいんだぞ」
長次「…」
少し考えたようだが長次は何も言わずに少し照れながらも差し出されたお粥を口に入れた。
3口ほど食べたあと
「まだ食べれそうか?」
と小平太が聞くと長次は首を横に振った
「わかった、じゃあ残りは私がいただく」
長次「風邪…移る…やめろ」
「…確かにそれもそうか!ではここに置いておくから食べれそうだったら食べてくれ!自分がいる時だったら食べさせられるが…」
「じゃあ薬を飲もう、薬箪笥に完成してある解熱剤や薬があったからそれを持ってきた!」
懐から紙に包まれた薬を取り出し、長次に渡した。
「薬は自分で飲めそうか?」
長次「…あぁ」
「苦いから気をつけろよ!」
長次「もう子供じゃない…」
「はは、そうか!まあだが水は私が飲ませてやる!」
長次「いい…」
「遠慮するな!」
長次「いい。」
「えー甘えてもいいんだぞ?」
長次「自分で飲む。」
「そうか…」
長次が薬を口に入れると、水が入っている湯呑みを手渡した。
「まあ薬を飲んだから明日にはだいぶ良くなってるだろ!多分!」
長次「フラグ…」
「なんだ?長次」
長次「なにも。」
「そうか、じゃああとはもう大人しく寝ておけ!…あ、枕今片付ける!」
長次「…ありがとう」
「なに、私たち同室だろ?」
どっかの二人と同じ言葉を言って少し恥ずかしいが、使いやすい言葉だと思う、同室だからこれくらい当たり前だ気にするなということをこの言葉で短く伝えられて案外良いのかもしれない。
背もたれに使っていた枕等を片付け、水の入った桶で手ぬぐいを濡らし、長次の額の上にそっと置いた。
薬を飲んだこともあるが冷たい手ぬぐいが気持ちいいのかさっきよりかは表情や呼吸が落ち着いている気がする。このまま何事もなく治ってくれると嬉しい。
「では私は委員会の方へ行ってくるからな」
刺激しないよう小さく落ち着いた声でそういい部屋を去った
数時間後、体育委員会の鍛練を終え、ご飯を作ったり風呂に入るのではなく忍たま長屋の部屋に向かった
部屋に着いたが寝ていると良くないのでゆっくり扉を開けた
様子を見ると、さっきよりも顔色がよく呼吸も落ち着いている。このまま行けば明日には殆ど回復していそうだ。
寝ているようなので起こさないように手ぬぐいを変え、部屋を去った。今の状態だったら先に風呂や食事を済ませた後に看病しても問題は無いだろう、もう少し寝かせてやろう。
だが一応早めに済ませようか
ーーーー
自分の夜ご飯を作るついでに長次用のお粥を作り、伊作から追加の薬を貰った。伊作に長次が熱を出したことは伝えたが対処したことや状態を伝えると、それなら薬を出すだけで大丈夫だろう、薬も小平太が飲ませるか自分で飲めそうなら自分で飲ませてと言っていた。
先に食事を済ませたあと、器にお粥を入れ、部屋へ運んだ
「長次、遅れてすまない!ご飯だぞ」
長次「…いい」
「要らないのか?…だが薬を飲むためには少しでも食べておかないと、一口でも無理そうか?いや無理はしなくていいが。」
長次「…じゃあ少し…」
「わかった、だが無理だったらすぐに言ってくれ!」
注意したあと、昼のようにお粥を2口ほど食べさせた
「もう無理か?」
心配しそう聞いたが
長次「いや、食べる」
といいさらに4口ほど食べた
何回か大丈夫なのか聞いたが結局完食した
全部食べれるくらい回復しているのか?まあそれなら大丈夫だな、安心できる
「じゃあ薬を飲もう!」
これも昼と同じように薬を飲んだ。
「なんだか、懐かしいなぁ」
片付けながら呟くと
長次「…何がだ?」
と返してきた
「ほら、一年か二年くらいの頃、長次が風邪をひいて看病していたなと…長次は小さい頃よく風邪をひいたり熱を出していたな」
長次「あぁ…懐かしい。…小平太はあまり風邪をひかなかったな」
「確かにな!1、2回くらいか?風邪ひかなすぎて伊作に相談すると馬鹿は風邪ひかないって言われたなぁ、酷いとは思わないか?」
長次「うける。」
「長次!?…まあ風邪っぽいなーって思っても細かいことは気にせずに、そのうち治るだろうと思って授業受けていたからな」
長次「普通に迷惑。」
「なはは!まあ細かいことは気にするな」
長次「細かくない…もそ」
いつもの調子で話せるようになってきているな、良かった。安心だ
「まあ、そろそろ寝よう!体調がまた悪くなってもいけない!」
「私はいつでも近くにいるから安心して寝てくれ、だが一応心配だからいつでも状態が見れるよう今日は衝立なしで寝よう」
長次「…ああ」
「よし、じゃあおやすみ、長次!」
長次「おやすみ、小平太…」
衝立を端に寄せ、灯していた灯りを消し
2人とも布団に潜った。
小平太は長次が眠ったことを確認してから眠った
夜中に声がし目が覚めた
長次「う…ぁ」
声のする方を見ると長次が魘されている
「長次…!」
すぐに立ち上がり長次のそばに駆け寄る、額に手を当てるとまた熱が上がってきている
「…熱い、まずいな…とりあえず起こそう」
「長次!長次起きろ!大丈夫か!?」
肩を揺らしながら何度もそう言うと目を覚ました
長次「っ…!はっ、あ…ぇ…こへ…?」
長次は私を見ると何故か驚いたように、だが少し安心したような顔でこちらを見た
「長次!?どうした大丈夫か!?」
長次「あ…っ…うっ…吐き…そ」
長次はそう言うと、口元を押さえ、苦しそうに顔を歪めた。吐き気が酷く、苦しいのか涙を流している
「!?長次!まて桶を…あれ桶どこだ!あ、あった、はい桶を使え!!」
小平太は慌てて桶を長次の口元に差し出し、優しく背中をさすった。長次は何度もえずきながら、少しずつ嘔吐した。
長次「うっ……っはぁ…汚して…っすまない…」
「なに、気にするな!!大丈夫だ!それよりほら、水だ、飲みすぎるとまた吐いてしまうかもしれないから少量にしておけ」
長次「ありが…とう…すまない」
「大丈夫だ!…それより、魘されていたが嫌な夢でも見たのか?」
長次「…見た」
「そうか、大丈夫なのか?そういえば起こして私を見た時驚いてなかったか?」
長次「…実は…小平太に嫌われる夢を見た」
「…え?」
長次「小平太以外の人にも…皆に…嫌われた夢…だ」
長次は震えた声で、布団を強く握りしめながらそう言った
「…長次…そうか、それは辛かったな。だが安心しろ、私はどこにも行かない。ずっと、何があっても長次のそばにいるから安心しろ」
小平太は安心させるように微笑み、優しい声でそう言いながら頭を撫でた
長次「こへ…い、た…」
その言葉を聞き長次はまた涙を流した
「わ、長次どうした泣くな〜!」
長次「うるさい…小平太のせいだ」
「私のせい!?」
長次「…でも、ありがとう…小平太」
「…あぁ。」
「さ、今日はもう寝よう!私も近くで寝てやる!」
長次「風邪が移るからいい…」
「気にするな!私はそう簡単に風邪は引かない!馬鹿だからな!はは!…あ、もしかして照れてるのか?」
長次「う、うるさい!」
「顔真っ赤だぞ〜?」
長次「これは熱のせいだ」
「え〜?」
長次「お前のせいでまた悪化した、責任を取れ」
「私のせいかー!?…まあ仕方ない、じゃあ責任もって看病してやるから早く寝ろ!!」
長次「はぁ…わかった…おやすみ」
長次を寝かしつけ、手ぬぐいをまた濡らし、頭の上に置いた
ひんやりとした感触が心地よかったのか、長次は表情を和らげた
長次「こへ…いた」
「ん?……寝言、か?…私がそばにいるから、大丈夫だ、安心しろ。どんな時も一緒だ」
再び頭を優しく撫でたあと、布団に潜り、自分も眠りについた
「おやすみ、長次」
ーー
次の日、すっかり元気になった長次は、図書室で仕事をしていた
すると何処からかこちらへ走ってくる音が聞こえた
「ちょーじー!本を返すの忘れていたー!」
小平太が汚れた服のまま大量の返却期限を過ぎた本を抱え、図書室へ入ってきた
長次「小平太ァ!!!!」
「なはは!!!細かいことは気にするなー!」
長次「ははは…許さん!!!」
長次は笑いながら縄鏢を取り出した、それを見た小平太は自分も笑顔で苦無を取り出した。
「はは!長次!昨日まで大変だったんだから無理はするなよー!」
「うるさい!!」
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