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えっ、祐誠さん……
もしかして、このまま言ってもらえないかも知れないと思ってた「結婚」の2文字。
その人生を左右するような大事な大事な2文字を、祐誠さんは優しく言ってくれた。
とんでもなく素敵なプロポーズに、私は驚きつつも、身も心も引き締まる思いがした。
「返事、聞かせて」
甘く囁くその言葉に、私の目にはもう涙が溢れてる。
そっと閉じればひとすじ流れて……
「私、祐誠さんの奥さんになりたいです。ずっと側にいたい。だけど、本当に……私でいいんですか? あなたは榊グループの……」
そう言った瞬間、祐誠さんは私を抱きしめた。
「雫がいい。どんなことがあっても、絶対に君を守る。だから安心して俺に着いてきて」
抱きしめる腕の強さとその言葉に、私はこの人と生きていきたいと心から思えた。
「お互い何も隠し事をせず、仲良く明るい家庭を作ろう」
仲良く明るい家庭――それは私の理想。
いつだって笑ってたい、どんな時も。
「はい。私、家事とかもまだまだですけど、良い奥さんになれるよう努力します」
そう言ったら、私の顔を見て、
「頑張らなくていい。雫は今のままで十分だ。自然でいい。俺もそうする。一緒にいて窮屈にならないような、そんな関係でいたいんだ」
素敵で優しい言葉。
「祐誠さん……」
「仕事で忙しくて、寂しい思いをさせることもあるかも知れないけど……それでも、雫のこと、いつだって誰よりも大切に想ってるから。それは絶対に忘れないでほしい」
「もちろんです。仕事で頑張ってる祐誠さんを私はいつも応援して尊敬してますから。でも……そんな風に言ってもらえて、やっぱり嬉しいです。いつも私を想ってくれてるなんて……」
祐誠さんは、微笑みながら私の頬に触れた。
「そうだな……結婚式はいつにしようか。しばらく仕事は立て込んでいるけど、雫の思いを聞かせて」
結婚式。
まだまだ全然実感は湧かないけど……
「祐誠さんの仕事に支障がなければ、来年の春、桜が咲く頃に……」
「いいね。2人が出会ってちょうど1年。今からスケジュールに入れて、そこに向けて準備を進めよう。思い出に残る良い結婚式にしたい」
「はい、本当に嬉しいです。私、こんなに幸せでいいのかな」
「同じだ。俺もそう思ってる」
「まだ出会って間もないのに、こんな素敵なプロポーズをしてもらえるなんて夢にも思ってませんでした」
「確かに出会って間もない。でも、俺の中には……ずっと雫がいたから」
私は、祐誠さんのどこまでも深い愛情にまた目を潤ませた。
この人を信じようと……心からそう思えた。
「少し冷えてきた。この景色を見ながら温かい露天風呂に入ろう」
「気持ち良さそうですね。でも、ちょっと恥ずかしいです」
本当に、何度裸を見せ合ってもまだ慣れない。
「俺達は結婚するんだから。婚約者なんだ、恥ずかしがらずに全てを見せて」