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ランスver.



「いいよなぁ、お前は顔も良くて、魔法が強くて、勉強も運動も出来る。羨ましい限りだぜ、」

いつもと同じ僻みだが今日は騒がしくない、呟くような感じだ。このまま軽く流せば取っ組み合いの喧嘩まで発展する事なく別の話題へ移るだろう。無駄に体力や魔力を消耗しなくて済む。しかし、少し意地悪したくなってしまった。

「俺としては生まれた頃からそうだったから、優れていないと思う訳ではないがそこまで特別にも感じないな。まぁ、お前よりは何倍も優れていると自負しているが。」

「はぁ!?喧嘩売ってんのか!?良い値で買ってやるよ!!」

ほら、すぐ食い付いてきた。

耳にキンキンと響く叫びにも近いこの声は、喧しく感じている。が、聞くのが好きだった。そんなの矛盾している?いや、話を聞いて欲しい。

日中はこんなに声を荒らげて俺に「スカシピアス」だの「シスコン」だの言って突っかかってくるが、夜になるとどうだろう。声は小さくなり熱を帯びる。押し殺していながらも漏れ出る声は甘く、小さな動物のように高い。滅多に呼ばない名前も「らんす、」と可愛く、そして縋りながら連呼する。

俺に突っかかって来るときの声を聞くと、夜とのギャップで酷く興奮する。

だから今日も喧嘩する。





ドットver.



幼少期は気弱だった。いじめっ子達に何かされても反論なんてしなかった。

その性格は今でも体の芯に染み込んでいるようで、人に嫌われるのがとても恐ろしい。

嫌われたらどうしよう。

常に人目を気にして生きていた。

それはもちろんマッシュ達も例外ではない。あいつらと一緒にいると楽しいし、心地が良い。自分の居場所だと思っている。だから尚更、嫌われて関係が崩れるのが怖い。

じゃあなんでいつもスカシピアスと喧嘩してるのかって?

それは“欲”だな。

喧嘩する度にあいつに罵倒される。俺の事を「下品」だと言い、「下品なやつは嫌いだ」と言う。あいつに嫌われているんだ。

それでもベッドの上では俺に甘い言葉を囁き、劣情をぶつける。俺が縋れば優しく受け入れ、唇を合わせる。

それだけではなく、部屋で二人きりの時には嫉妬から俺に詰め寄ってくる。

それらの度に愛されていると実感し、興奮する。

だからいつも喧嘩する。

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