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ペラペラと束になった札を数える。数えたところでこんな汚ぇ金持ってる気は微塵もない。俺は海をぼやと眺めながらそんなことを考える。今日は金が弾んだ。たった4時間の仲だ、それなのに『君は上手いから』『君は優しくて、対応がいいよ』なんてほんとは思っても無い言葉をただ俺にぶつけるそんなの表だけの態度なのに本気にしちゃってバカみてぇだなって、、このぐらいしか考えられない。どうせあいつらはヤリもくだ、本当に俺を必要とはしてくれない。そんなやつからとった金なんてゴミ同然。こんな汚ぇ金海に捨ててやろう。なみも高くなってきた。そう思って腕を振りかぶった。すると後ろから誰かにパシッと腕を掴まれる。『ねぇ、こんな大金捨てんの?もったいな』波の音であまりよく聞こえなかったが、「あぁ、こんな汚ぇ金持ってたって意味ねぇよ、使いたくも見たくもねぇ」そう答える。波が落ち着いてきてそいつの声がよく透る。『じゃあ俺にちょうだいよ』そいつの声は、唯一俺を求めてる、俺自身を好きになってくれる、身体じゃなくて心も、何もかも全てを求めてくれる彼。「蘭…」『何ココちゃん?』『捨てんなら俺にちょうだい』俺はゆっくりと彼の顔を見る。発しようと思ってもなかった言葉が溢れる。「なぁ、蘭、お前は俺が好きか?俺を求めてるか?俺の中身全てを愛してくれるか?」止まらない。確かめたかった。『当たり前。ココちゃんは俺のだからね』そんな彼の返事に俺は頬を緩ませる。彼みたいな中身を愛してくれる、素晴らしい人が他にいるだろうか。『ココちゃん帰ろ』「うん」『家で2人でゆっくりしよ、』『大好きだよ、ココちゃん』たとえその言葉が嘘でも、俺は蘭を愛せる。だって俺を選んでくれた、最高の彼なんだから。

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