※注意※
この小説は、純度100%の私の妄想で出来たnmmnです。ご本人様には一切関係ありません。
ご本人様はもちろん、その周辺の方々やnmmnが苦手な方の目にも入らないよう、配慮をお願いします。
私の癖を詰め込んだので、誰かの地雷の上で踊り狂っているかもしれません。それぞれで自衛をするようにしてください。
読後の誹謗中傷等は受け付けておりません。チクチク言葉が届くと泣きます。
その他、BL要素(🍥×🟦🧣)あります。(最後にちょっと逆転しかけてます)
きゅ、と手が握られる。
あぁ、またか。俺は、視界をくるんと回して訴える。
「なぁ、お前距離近くない?」
俺の手を握って、なるせはどこか満足気に目を細める。淡桃の瞳や軽く上を向いた睫毛が太陽の光を反射して、火花でも散ったようにパチパチ輝いた。
俺より一回り小さな、柔らかくてあたたかい手だ。飾られた指輪だけが冷たくて、金属が擦れる度にちょっぴり不快な音がした。
固めに繋がれた腕を軽く振って、ご機嫌に鼻歌なんて歌ったりして。ゆっくりゆっくり進めていた足が、俺の問いかけに反応してピタリと止まる。
「そぉ?んなことないと思うけど」
「いや、普通は友達と外で手ぇ繋いだりしねぇのよ。しかも、俺達男じゃん」
「パッと見、男には見えねぇだろ。こんなカッコしてる男が、俺以外どこにいるんだって話」
なるせは、肩まで伸ばしたピンクの髪を指でくるくる弄んだ。華奢で可愛らしい顔をしているからか、髪が長いと女の子みたいに見える。
「それに、らっだぁもイヤじゃないでしょ?ならいーじゃん」
「ゔ……いや、そうだけど………」
イヤでは、ない。ただ、少しむず痒い。
なんとなく、「恥ずかしい」「やめてほしい」とは言い難い。なるせにとっては全部じゃれ合いみたいなもんだろうし、信頼を寄せてくれているのに断るのはもったいない気がした。まぁ、それにしても近すぎるのには変わらないが。
言い訳を考えること、わずか数秒。いいものが思いついた!と、俺は勢いよく口を開いた。
「あ、ほら!こっからの季節、手汗、気になっちゃうから!俺さ、結構汗かくんだよねー」
「ふーん……別に手汗ぐらい気にしないし、そんな話聞いたことねぇけどな」
「い、いやぁ?しましたけどね?」
確かになぁ。俺は、ほとんどなんでも話してしまうから、もし本当だとしたらとっくの昔にべらべら喋っていたことだろう。
どうしたもんかな……もう、正直に言ったほうがいいんじゃないか?いや、でもなぁ……。
急に言葉を詰まらせる俺を見て、なるせは少し思案するように目線を下げる。そして、悪ーい顔でニヤリと口角を上げた。
げっ、と思った時にはもう遅い。地面を蹴る、軽い音が聞こえた。
「らっだぁは、こっちの方がお好きな感じ?」
甘えるように腕に抱きついて、なるせは女の子みたいにコロコロ笑った。ヘアオイルの甘い匂いが鼻腔を擽り、その笑い声が劇薬さながらにじんじん響く。
顔が熱い。今、俺の顔は赤く染まっていることだろう。咄嗟に、塞がれていない方の手で顔を隠した。
なんというか、超えてはいけない一線を超えてしまったような。友達だから、と目を背けていたところに……目を、向けないようにしていたところに、あっという間に触れられてしまう。
ニッ、と目が弧を描く。
「……ドキドキしてきた?かーわいい」
「お、まえなぁ……これが、狙いだったってこと?」
「ふふん。まー、ご想像にお任せするわ」
なるせは、ひらりと体を離した。可愛らしい厚底サンダルがコツコツ音を立て、揃って仲良く寄り添う。
春風が、オーバーサイズの服を弄んで過ぎていった。バサバサと揺れてしまえば、細い体が浮き彫りになる。本当に女の子みたいで、少しドキッとしてしまった自分がいた。
「女の子みたい。ウブで、すぐ顔赤くしちゃってさ……ほんと可愛いなお前は」
「ぃ、やめろって!むさ苦しい!!」
初めて言われる言葉のオンパレードに、頭が混乱して、ついなるせを少し強めに小突いてしまう。なるせはよろりとバランスを崩して、顔を顰めた。
怒らせてしまったかな、と思った矢先に、なるせは困ったように笑った。
「ねぇ、」
なるせは、俺の手を掬い上げた。
まるで跪くみたいに軽く背を折って、ゆっくり瞼を下ろす。かと思えば、吐息を感じるほど顔が手の甲に接近する。
甘くて柔らかい、熱が伝わる。
「え、ぁ?」
「王子様とお姫様みたいじゃない?こうしたら、男2人でもむさ苦しくないでしょ」
「なん、っ、はぁ?」
「あは、可愛い。俺の方がお姫様とでも思った?」
残念でした。そう言って、なるせは口付けたばかりの手の甲をさらさら撫でた。
急展開すぎる。さっきまでは、まだギリギリ友達同士のじゃれ合いに収まる程度だったのに。まさか、とは思っていたが、そのまさかだとは思わなかった。
ゴクリと、生唾を飲み込んだ。どうしたらいいのか分からない。ただの友達、だったのに。
震える息を整えて、乾いた口で言葉を発する。心と相反した言葉は、驚くほどするりと飛び出した。
「……セクハラかよ」
「エエーーッ!?人がせっかくサービスしてやったのに!?!?」
「サービスもクソもねぇし……あーあ、男2人で何やってんだか」
そうだ、俺達は男じゃないか。まさかそんなの、あり得ない。
そう自分に言い聞かせるが、心臓は相変わらずバスドラムさながらにバクバク鳴り響いている。もう、どうにかなってしまいそうだ。
緊張で、口がカラッカラに乾いている。どれだけ強がっても、結局は思いっきり手のひらで転がされてしまっているのが情けなくて悔しい。気休め程度に、ため息を1つ。
普段通りに騒ぐなるせの顔は、心なしか悲しそうに見えた。今までのもの全部、なるせなりのアピールだったのだろうか。
「……お前は、さぁ。なんか、言いたいことあんじゃないの?」
「あー!痛いとこ突いてきたぁ!!あるに決まってんだろバカが!!」
「うるせぇー……」
シリアス……とまではいかないけど、俺達の関係からは考えられないような湿り気を感じとったのか、なるせの声がデカい。どれだけ回避したいんだよ……思わず、クスリと笑ってしまう。
俺を見たなるせの顔が、みるみる内に和らいでいく。安心したような、愛おしむような目だ。そして、何かを決心したように、長く息を吐いた。
少し空振ってから、なるせは口を開く。
「でもさ、俺、言う側じゃなくて、言われる側がいいの。やっぱ、夢じゃんか。俺だって、女の子で、お姫様で、可愛い子ちゃんだし……さ」
「……、あっそ」
ほぼ、言いたいことは伝わったけどね。自分から言い出さないのは、謎のプライドなのか、それとも「言われたい」というのが本心だからか。コイツの考えてることはよく分からない。乙女心、というやつなのだろうか。
まぁ、俺がその気になるまで待つつもりならそれはそれでいいのだが……なんか、やられっぱなしは気に食わない。
目には目を、セクハラにはセクハラを。一歩分空いていた間隔を、一息に詰める。
次は、俺から手を絡ませた。指の間を縫うように握って、そっと隣に寄り添う。
「エッ……!?ちょ、これ、恋人───」
「俺、行きたいとこあんだよね。付き合ってくれる?」
「………、わかっ……た」
見るからに焦り始めたなるせ。隣に立って手を引くと、さっきまでが嘘のように静かになる。
チラリと様子を伺うと、ピンク髪から覗く耳が赤く染まっていた。恥ずかしいのか、もう一方の手で口元を隠し、その視線はよろよろと宙を漂っている。
自分から手ぇ握ったりしてたくせに、優位に立たれた途端これ?ウブでかわいいなんて、どの口が。
なんて言ったらいいんだろう。得も言われぬ感覚と共に、甘い感情が胸にじんわり広がっていく。優越でもない、恥ずかしさでもない、庇護欲ともつき難い……そんな、複雑な気持ちだ。
俺達まだ、じゃれ合いの延長線のはずだから。
そんな免罪符を胸に、俺はその真っ赤な耳に口を寄せた。
リクエストありがとうございました〜。勝手に逆転させちゃってごめんなさいね、個人的に好みなんです。
「じゃれ合い」か、「じゃれあい」か……「合う」は、お互いにし合ってることっていう印象が大きいです。一方的なものは、じゃれ「合い」じゃないような気がして……。
まだまだリクエストしてもらったやつはあるんですけど、リアルが多忙になってきたので遅れちゃうかもです。そもそもそんなに筆が速いわけではないので、気長にお待ち下さいな。
コメント
3件
可愛すぎます…!!!🤦🏻♀️💘 お互いお互いのちょっと積極的で、だけど相手を不快にさせないために微妙に慎重で甘い感じがもう可愛すぎて…😭💕💕フォロー&初コメ失礼します…!!
やったぁぁあ〜✨️ 2人とも可愛いな…ありがとうございます!応援してます!