あの日、あの夜、アメリカさんに告白された瞬間、私は頭の中が真っ白になった。
アメリカさんに好きだと言われた時、率直に思いついたのは「なんの冗談だろう」という言葉だった。彼お得意のアメリカンジョークか何かだろうか?と本気で思ったぐらいだ。
アメリカさんはいつも自信に溢れていて、周囲からの信頼も厚く、誰もが憧れるような存在。…そんなアメリカさんが、なぜ自分なんかを好きになる?私には無いものばかりを持っているアメリカさんが、いったい自分のどこに魅力を感じたというのだろう?
🇯🇵(…どうしよう…考えれば考えるほど分からない、…やっぱり冗談?)
そう結論付けた私にアメリカさんは、余程不服だったようで、とても怖い顔でデスクを殴った。
驚きと混乱、そして得体の知れない恐怖が一瞬にして心を占めた。
アメリカさんの瞳が真っ直ぐに、まるで全てを見透かすようにこちらを射抜いた時も…正直に言えばかなり恐ろしかった。アメリカさんのあまりにも熱を孕んだその視線に、目を合わせることすら躊躇い。逃げ出したくなるほどだった。
それでも…
それでも、アメリカさんの、少しの迷いもなく私を見つめる美しい碧眼の眼差しには、どうしても抗い難い何かがあった。
会社から帰宅後、すぐにお風呂を済ませた日本は、仕事の疲れと入浴後のポカポカとした身体につられて急激な眠気に誘われていた。
まだ色々やることがあるけれど、明日は仕事が休みだし、このまま寝てしまおうか…
そんなことを考えていると、日本は自分のスマホが光っている事に気がつく。
スマホを手に取ると、アメリカからメッセージが届いていたようだった
🇺🇸『Hi 日本!まだ起きてる?』
🇺🇸『今から少し電話してもいい?』
🇯🇵「!」
アメリカと日本はあの告白の後から何度か一緒にご飯を食べたり、会社から家に帰った後も通話やメッセージのやり取りなどを頻繁にするようになっていた。
🇯🇵(電話はまだ少し緊張するけど…)
🇯🇵「『大丈夫ですよ…』っと…」
そう返信してすぐに日本のスマホが震える
🇯🇵「わっ!早!?」
🇯🇵「ま、まだ心の準備が…!」
それでも社畜が染み付いた日本は、3コール以内に出なければ…!と覚悟を決め、電話に出る
🇯🇵「は、はい!日本です!」
🇺🇸「ん?あぁ!(なんかまだ固いな)」
🇺🇸「Good evening!Japan 夜遅くにごめんな」
🇺🇸「最近あんまり喋る時間が無かったなと思って…日本の声が聞きたくてさ」
🇯🇵「…!///」
🇯🇵「え、えっと…アメリカさん、今日は一日中プレゼン会議で忙しかったですもんね!」
最近、会社を上げての一大プロジェクトを任されたアメリカは、それぞれのチームに別れ、より最善のプランになるように試行錯誤を繰り返していた。
今回のプロジェクトに日本は参加していないものの、アメリカの完璧なプレゼンの噂は度々耳にしていた。
🇺🇸「それがさぁ…今回のプロジェクトは中々上手くいかないことが多くて…正直、日本が居てくれたらなぁってずっと思ってたよ」
🇺🇸「てか聞いてくれよ!ロシアの野郎が俺の提案は現実的じゃないだの予算を使いすぎるだの…」
🇺🇸「もっとクライアントが求めていることに柔軟に対応しないといけないのに…!頭が固いんだよアイツは!本当に!」
🇯🇵「あ、あはは…」
日本が会議室の前を通る度に、アメリカとロシアの言い争いに近い声をドア越しに聞く事があり、外からでも分かる会議室の重い空気を想像しただけで日本は胃がキュッとする感覚がした。
アメリカとロシアは2人とも自分の主張を譲らない性格な為、話が進まずに難航している部分も多々あるが、それでも意見をすり合わせていくごとに無駄の無い計画になっている事は確かだった。
🇺🇸「!、ごめん、愚痴ばっかり聞かせて」
🇺🇸「とにかく今俺は!!圧倒的に日本が不足している!!」
🇺🇸「だから日本、もし良かったらなんだけど…明日どこか一緒に出かけないか?」
🇯🇵「!」
それってつまり、デート…!?
🇯🇵(いやいや!まだ付き合って無いし、デートとかでは…まだって何!?!?///)
🇺🇸「…日本?」
🇯🇵「あっ!はい!!」
🇯🇵「行きます!行きましょう!!」
🇺🇸「!!、そ、そうか…!」
🇯🇵「……///」
夜も遅い時間なので、どこに行くかなどの詳細は明日決めようと言う話になり、とりあえず明日の10時頃に待ち合わせする事だけを決めて通話を終えた。
日本は布団に入り、時計の秒針が響く静かな夜に耳を澄ませていた。明日が初デート(?)だと思うと、緊張と興奮が入り混じって、どうしても眠れない。
🇯🇵(………///)
枕に顔をうずめ、心臓が早鐘のように打つのを感じながら、日本は自然とアメリカのことを思い出していた。無邪気で明るい笑顔、いつも自信に満ちているその姿、そして告白してくれたときの真剣な表情…いつしか、アメリカが頭から離れなくなっている自分を自覚していた。
🇯🇵(…やっぱり、私もアメリカさんのこと…)
心の中でそっと呟いてみると、どうしようもなく照れくさくなる。それでも、少しずつ自分の気持ちが明確になっていくのが分かり、日本の胸が温かくなった。
明日、アメリカさんとどんな話をしよう?そして、この気持ちを打ち明けた時に、彼はどんな表情を見せてくれるんだろう…そう思うだけで、日本の顔には自然と笑みがこぼれる。
🇯🇵「…明日が楽しみだな」
その一言が、まるで魔法のように心を軽くして、やがてゆっくりと日本のまぶたが重くなっていく。
まだ少しドキドキしながらも、日本は心地よい期待感に包まれ、ようやく眠りについたのだった。
コメント
8件
本当に話に引き込まれる、、、すごい尊敬です。 どこを切り取っても神ですね。
き、気になるところで終わった…!!! 日本くんが着々とアメさんのこと好きになってるのが感じ取れて幸です😭😭💕 文才の圧倒的勝利だ…🫰💕
この終わり方は 本当に ダメ っ !! 😭😭😭😭 ものすっごい 気になるじゃん .. 、ダメだよ 、それは .. 😢 だんだんと 🇯🇵 が 🇺🇸 に心開いていってるのが しみじみと 伝わってきます .. 👉🏻👈🏻💕 このまま あはーんな 雰囲気になっちまえ ‼️ 続き 、なる早で おねしゃす ((