今回から涼ちゃん視点に変わります。
このお話は涼ちゃんも陰キャ…と言うか、自分に全く自信がないです。
俺は元貴と恋人になった。
正直まだ実感がない。だって『どうして俺なんだろう?』という気持ちがいまだに抜けないから。
『つらい時一緒にいてくれたから?』それは単に長く一緒にいるからちょうどそのタイミングに俺がいただけかもしれない。
『元貴の言う事を聞いて何でも許してあげるから?』それが一番の理由かもしれない。
元貴はいつだってキラキラ輝いていた。
みんなを惹きつける魅力を持った元貴。俺はただそんな元貴に選んでもらえただけでも嬉しかったから。
元貴はみんなのもの。そしてそんな元貴に与えるのが俺の役目。俺から何かを求めてはいけないと思った。
「ねぇ、涼ちゃん俺の事好き?」
いつも元貴はそう聞いてくる。俺は「大好きだよ」と答える。
元貴は寂しがりやだから、常に誰かに好きだと言ってもらいたいのかもしれない。
「キスしていい?」
いつも元貴は確認してくる。いちいち確認しなくても大丈夫だって言ってるのに。
元貴とのキスは好きだ。だって本当に求められてるって気がするから。
…でも、元貴はそれ以上求めてこない。
告白してきた時は「抱きたい」「そういう対象として見てる」って言ってたのに。
やっぱり実際相手にしてみて男は違う、と思ったのかもしれない。でもそれを確認する勇気はなかった。
たとえ嫌だと思う事でも全てを許そうと思った。元貴の全てを受け入れるのが俺の役目。
あるMV撮影の日。休憩の時間に元貴がメイク担当の女の子と盛り上がり始めた。とても楽しそうでデートの約束までしている。
俺は聞いていない振りをして、いつも通り担当のスタッフの人たちと笑いながら作業を進める。
だって元貴とその女の子は俺とよりずっとお似合いで、俺なんかの出る幕はないような気がしたから。
撮影終了後の楽屋で元貴はさっきの女の子の話題を出してきた。
「かわいかったね」とか「涼ちゃんはどう思う?」とか…。俺はそれになるべく普通に、と言葉に気をつけて返事を返す。
そうすると一気に元貴の機嫌が悪くなったのがわかった。
「俺が女の子と楽しそうにしてても涼ちゃんは嫌じゃないの?」
「それは…」
はっきり言ってすごく嫌だ。やっぱり悲しくなる。…でもそれを言葉にする事ができない。
「涼ちゃんは俺の事本当に好き?」
「すっ、好きだよ」
そんなの好きに決まってるじゃないか。
「…信じられない」
そう言って元貴は楽屋を出て行ってしまった。
涼ちゃんの事が好き過ぎてちゃんと好かれてるのか不安なもっくんと、自分に自信が無さ過ぎて本当にもっくんから好かれる価値が自分にあるのか不安で動けない涼ちゃん。
でも付き合ったのに手を出してこないってけっこう自信なくなりますよね。しかも男同士💦
もう完全にすれ違ってます😅
コメント
11件
うわぁーすれ違ってますやん ネガティブな涼ちゃんも可愛いよぉჱ̒✧°́⌳ー́)੭
いいぞいいぃぞぉ!!いい拗れ具合だよォ!!😂
愛情深く、優しくて、自信のないりょうちゃん。。。 せつないです!続きが気になりすぎます🥺