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×××の本音/弱音
退院まであと一ヶ月を切った頃。
病院の部屋の中、看護師も来ていない時間。
×××はベッドの布団に顔を埋め、そっと肩を震わせて泣いていた。
小さく嗚咽する声。
普段は絶対に見せない、強くてクールな表情の裏にある弱さ。
「……悔しい……」
手で涙を拭うこともせず、ただ布団に顔を埋める。
バスケができない悔しさ、骨折の足の痛み、頭の痛み。
みんなの前では絶対に吐かなかった弱音が、今だけは溢れてしまう。
「なんで……なんでこんな……」
小さく呟き、足を少しだけ動かしてみるが、痛みに顔をしかめてすぐ止める。
窓の外の光は柔らかく差し込んでいるのに、×××の心は暗く、もがきながらも誰にも見せられない孤独に押しつぶされそうだった。
⸻
キルアの迷い
その時、ドアが少しだけ開いた。
半日で学校が終わったキルアが、そっと様子を見ようとしたのだ。
廊下の光が差し込み、影になった自分の姿で部屋を覗く。
布団の中で小さく震える×××の姿。
その肩に寄せた手や、痛みに顔を歪める様子に、胸が締め付けられる。
「……入るべきか……いや……今は一人で泣かせてあげるべきか……」
ドアの前で立ち止まり、キルアは迷う。
心の中では、手を伸ばして抱きしめたい気持ちでいっぱい。
でも、×××のプライドを考えると、無理に入るべきではないかと葛藤する。
彼の目には、弱さを見せる×××の尊さと、痛みを抱えながら頑張る強さが同時に映っていた。
「……でも、俺は……そばにいたい……」
そのままドアを半分だけ開け、覗き続けるキルア。
布団の中の×××はまだ泣いている。
声は小さく、嗚咽は続くが、キルアの存在にはまだ気づいていない。
突然×××が
「…ママとパパに会いたいな…」
「一生…会うことはないのに…」
「バカなことばっか考えないで…」
「私に家族なんていないってわかりきってん じゃん…」
「弱音なんか…吐いてる場合じゃない……」
キルアはどうすることもできずただ立ち尽くす
自分の無力さ、×××の聞いたことのない気持ちに戸惑い胸が苦しくなる
×××が布団の中で泣き続ける。
キルアはドアの外にしゃがみ込み、静かに見守る。
声をかけたい、抱きしめたい気持ちは山ほどあるのに、×××のプライドを考え、耐えるしかなかった。
「……俺……なんでここに……」
悔しさが胸を締めつける。
自分はただ見ているだけで、×××の痛みも辛さも半分も受け止められない。
時間が過ぎ、×××の嗚咽は徐々に弱まり、やがて静かになった。
キルアはそっと覗く。
布団の中で、×××は目を閉じ、ゆっくりと呼吸を整えていた。
「……もうすぐ、キルアが来るから……」
「心配かけさせたくない…」
「私…迷惑じゃん…」
小さな声で、自分に言い聞かせるように。
「……俺のために……?」
キルアは心の中で呟く。悔しさと怒りが混ざり合う。
泣きたい時に我慢して、今までの寂しさも全部みんなには心配かけないようにしている×××。
胸が締め付けられ、でも声を出さずにはいられなかった。
その瞬間、キルアは我慢できず、ドアに手をかけ、そっと開ける。
「……やっぱ、俺は……我慢できねぇ……!」
ドアが開く音に、×××は驚いて目を開ける。
「キルア……!」
驚きと少しの困惑、そして恥ずかしさが入り混じった表情。
「……ずっと聞いてたの?」
×××は小さな声で問いかける。
キルアは少し顔を伏せ、謝る。
「……ごめん……でも、我慢できなかったんだ……」
怒りと悔しさを胸に、涙がこぼれそうになる。
×××は涙をこらえ、必死に笑顔を作ろうとする。
「……だ、大丈夫……気にしないで……」
でもキルアはその笑顔を見て、怒りと愛情が混ざり合う。
「……ふざけんな! 全部1人で抱え込もうとすんな!」
声が震え、胸の奥の悔しさが爆発する。
「俺は×××が泣くなら泣かせるし、痛いなら痛いって言えって……! 一人で我慢するな!」
「家族…?俺らは×××のこと家族だと思ってるよ」
×××驚いた顔をする目にはまた涙が溢れてる
キルアが「別に血が繋がってなくたって俺ら家族だろ?」
×××はその声に驚き、とうとうずっと我慢してた涙が溢れる。
「……キルア……」
小さく震える声。
キルアはそっと布団に膝をつき、×××の肩に手を置く。
「泣いていいんだ……俺がそばにいる……だから、全部俺に吐き出せ」
×××はその手を握り返し、震えながらも安心したようにうなずく。
「……うん……」
初めて人前で泣く×××。
キルアは胸がきゅっとする。
ドアの外で悩んでいた時間も、悔しさも、全部一気に解放される瞬間。
二人だけの病室に、ようやく少しだけ温かい空気が戻った。
to be continued…