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×××希望?
キルアは布団のそばで腰を下ろし、×××の肩に手を回す。
そのままゆっくりと×××を抱きしめた。
「……キルア……」
小さく震える声が耳に届く。
抱きしめる腕に、以前よりも軽く感じる体重。
キルアはふと気づく。
もともと細い×××なのに、事故後の入院とリハビリで、さらに痩せてしまっていたのだ。
肩や腰に触れる指先に、その痩せた感触が伝わってくる。
「……×××……」
キルアは少し声を震わせ、額をそっと相手の頭に押し付ける。
「こんなに細くなって……痛みや悔しさを全部抱え込んで……俺がそばにいるのに……」
×××は弱々しく目を閉じ、でもキルアの胸に顔を埋めたまま、
「……大丈夫……キルア……」
小さく息を吐く。
キルアは心の中で、怒りと悔しさが入り混じる。
「大丈夫じゃねぇよ……俺に隠すな、全部俺に吐け……!」
でも抱きしめる手は強く、温かく、×××を守るようにぎゅっと力を入れる。
「……もう我慢するな……泣きたいなら泣け……痛いなら痛いって言え……俺が全部受け止める」
×××は小さくうなずき、涙が少し溢れる。
でもキルアの胸に守られ、心の中の孤独や不安は、ほんの少し軽くなったように感じる。
キルアは抱きしめながら、自分の胸で×××の小さな体を包み込む。
「……俺は絶対に離さねぇ……こんなに細くなったお前を、一人にしない……」
×××は息を整えながら、キルアの胸に顔を埋めたまま、かすかに笑う。
「……うん……ありがとう……キルア……」
病室には二人だけの静かな時間。
事故で弱った体も、痛みも、悔しさも——
それでも、キルアの腕の中で、少しずつ、温かさを取り戻していく。
「……今日は、もう少しだけここにいよう。無理して笑わなくていい」
×××は布団の中で小さくうなずき、手をキルアの手の上に置く。
「……うん……キルアがいてくれるから……」
二人の間には静かな時間が流れる。
病室の外の光も、窓から差し込む柔らかい昼下がりの光も、二人だけの世界を温かく包み込む。
「……そろそろ、リハビリも頑張らないとだな」
キルアは少し冗談めかして声を出す。
「俺が見てるから、無理しすぎず、でもサボるなよ」
×××は小さく笑い、弱々しい声で返す。
「……はい……頑張る……でも、キルアも一緒にいてね……」
キルアは強く頷き、もう一度抱きしめる。
「もちろんだ……お前が一歩でも前に進むなら、俺はずっとそばにいる」
その後も二人はしばらく布団の中で話す。
痛みや悔しさ、そして少しの恥ずかしさを共有しながら、互いの存在に支えられる時間。
小さな笑いも交えつつ、徐々に×××の心は落ち着き、強さを取り戻していく。
事故で傷ついた体も、心も——
キルアの腕の中で、少しずつ温かさを取り戻していくのだった。
×××がキルアの腕の中でゆっくり呼吸を整え、少しだけ笑顔を見せているその時。
ドアがノックされ、静かに開いた。
「失礼します」
担当のお医者さんがにこやかに入ってくる。
「×××さん、順調に回復していますね。思ったよりも早く、予定より3日ほど早く退院できそうです」
二人は一瞬言葉を失う。
キルアは顔を見合わせ、目を大きく見開く。
×××は目を丸くして、信じられないといった表情でキルアを見る。
「……本当……?」
×××の声にはまだ弱さが残るが、嬉しさで震えている。
「ええ、リハビリの進みも順調ですし、体調も安定しています。もちろん無理は禁物ですが、あと少しの辛抱ですね」
キルアはすぐに笑顔になり、×××をしっかり抱きしめる。
「……やった! ×××、あと少しで一緒に家に帰れるぞ!」
腕の中の×××の小さな体をぎゅっと抱きしめ、嬉しさを全身で表す。
×××も涙をこらえつつ笑う。
「……やった……キルア……退院できる……ありがとう……」
抱きしめ返しながら、やっと少しだけ安心した笑顔を見せる。
二人だけの病室に、喜びと希望の空気が満ちる。
キルアの目には涙が浮かぶ。
「……よかった……俺も嬉しい……×××、無理して我慢してたけど、もう大丈夫だ」
お医者さんもにっこり微笑む。
「このまま順調にいけば、退院日も前倒しできます。お二人とも、安心して退院に向けて準備してくださいね」
×××はキルアに顔を埋めながら小さく笑う。
「……キルアがいてくれて、本当によかった……」
「俺がいるからな……ずっとそばにいる……」
キルアは小さく呟き、額を×××の頭に寄せる。
二人はしばらくそのまま抱きしめ合い、喜びを噛み締めた。
事故で傷ついた日々も、辛いリハビリも、少しずつ終わりが見えてきた。
退院という希望が目の前にある——二人はそっと手を握り、未来を信じて笑った。
to be continued…