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世界暗殺者連盟…通称「殺」。この組織には1000近く部隊がいる。このお話はその数ある部隊の中で。最弱と認定された部隊の物好きリーダーが嫁を取るお話である。
0056部隊「ゲルダ」 階級「ジル」 称号「最弱」。階級には
1(ジル)、2(バルト)、3(フェンダー)、4(ゴル)、5(ハンダ)、6(ジュン)、7(サンダー)、8(カイザー)、9「クリーム」、10「キング」
と下から10段階ある。つまり、俺らはビギナーにも勝てない最弱部隊。そして俺らには仕事など回ってこないから最弱部隊のまま。このままみんな抜けてほかの部隊へ入ることも考えていた。リーダーには悪いが、俺らは俺らの道を進むと決めてしまった。ある日、リーダーの「梢 碧《こずえ みどり》」隊長から久しぶりに呼び出しがありました。なんと、梢隊長は結婚したようで。夜弧《やこ》さん、と言う。少し小柄な女性と結婚されていました。
ーーー梢 夜弧sideーーー
私は、とても裕福な家で育ちました。5歳になるまで、私は幸せで。しかし、私は無能力だったので、その優しさは妹が生まれた途端無くなりました。妹は私より顔が良く、私は呪われていたものですから。気味悪がられ、誰も近づこうとはしません。そして、とうとう私は売りに出されました。闇オークションで、メイドの格好をさせられて。ある日、優しそうな夫婦が私を買いました。娘が欲しかった。息子は薄情で、暗殺者連盟に就職してから帰ってきてないと。そう言っていましたが。この夫婦も、育て方が分からないと。私をその薄情な息子の嫁にするといいだしました。
そして、私はその薄情な息子に会い。驚きました。白髪の髪で、私と身長差が50cm以上あるのですから。まるで親子と言っても疑われない。そんな身長に、彼は割れ物を触るかのような手つきで私の頭を撫でました。怖い顔で撫でていましたが、その手からは温かみを感じました。
少しづつわかったことは、彼は意外と怖がりで、私がホラー物の映画を一緒に見ようと誘うと、怖がりながらも私の手を離しません。そして、彼は意外と好き嫌いが激しく。しかし、私が食べさせると嫌な顔をしながらも食べてくれました。意外と甘えん坊な1面もあり。大きな子供かな?と思ってしまいました。しかし、一緒にデートは言ってくれないまま結婚式の日になってしまい。結婚式に参列したのは、彼の親でした。
友達はいないのでしょうか?と思いましたが。聞くのは野暮だと思い、聞かなかったのですが。
ある日仕事仲間に会わせると、暗殺者連盟の本部へ行きました。そして「0056部隊「ゲルダ」」と書かれた部屋に入ると。6人の人が出迎えてくれました。
ーーー彩芽 凛琥sideーーー
僕はびっくりした。こんな小さい子が梢隊長のお嫁さんなんて。そう思っていると、千炉《ちる》は、「娘さんですか?梢隊長」と首を傾げて聞いた。梢隊長は少し僕を睨んで、「どういう人か教えておけよ」と言わんばかりの顔でこちらを見ている。そう言われても、僕も一瞬娘さんと勘違いしてしまったのだ。とりあえず、椅子を持ってこようと振り向くと、既に柚が持ってきていた。そして、柑は毛布を持ってきていた。全く、古都兄弟は気遣いが神がかっている。しかし、見た感じこの子は132cm、梢隊長は185cm、53cmも差がある。これでは娘さんと勘違いされても仕方が無いのだ。なぜなら、15歳から結婚できるこの世界。隊長は既に22歳、お嫁さんの見た目は7歳なのだ。全くありえない話ではない。それに結婚していたと聞いているので。僕らはふとみた時に、娘さんと勘違いしてしまったのだ。
にしても身長差が大きすぎるわ!と、ツッコミを入れたくなってしまう。そうこう言っていると、鈴愛《すずめ》と琴莉《ことり》が入ってきた。どうやら、買い物に行っていたようで。手には焼肉用の肉が入った袋をぶら下げていた。なにやら、歓迎パーティでもするようだ。僕はガスコンロでも取りに行こうかと、キッチンへ行くと。古都兄弟が、先に行っていた。ほんと、気遣いが神がかっている…。
ーーー鈴愛sideーーー
今日はリーダーのお嫁さんが来るらしい。俺は琴莉に声をかけてたのだが。ソファーで寝転んだまま。お菓子をボリボリ食べている琴莉は
「えー、お兄ちゃん行ってきてー」と言っている。仕方が無いのでお嫁さんの年齢を言うしかない。そう思い資料を取りだして
「リーダーのお嫁さん、お前と歳が近いようだ。」
すると少し、視線を俺の方に向けたことがわかった。これはきっと行けると思い
「17らしいぞ、お前お姉ちゃんだな」と言うと琴莉はソファーから飛び上がり、バク転をして降りた。そして、琴莉は早く言ってよと言わんばかりの顔をして俺を引っ張った。全く、俺と何処も似ていないな…とよく実感する。
そして帰ってきたらびっくり、背丈が子供なのだ。
「お、おい、リーダー?」
と俺が戸惑っていると、琴莉は急に走り出し。お嫁さんを持ち上げた。そこまでは良かった、琴莉の顔が真っ青になっていた。なぜだ?と思った。
ーーー琴莉sideーーー
私は帰ってきて、とても小さいリーダーのお嫁さんにを抱き上げた。すると、普通この身長なら28kgあってもおかしくないのだ。なのにこの子は15kgもないのだ。私は思わず青ざめてしまった。この子は、まるで何も食べさせてもらっていなかったような…。
リーダーが話しかけた時、私は思わずリーダーに
「ちゃんと食べさせてる?」
と聞いてしまった。周りのみんなは、え?と声を漏らして。リーダーに問いつめた。リーダーは、お嫁さんが最近まで何も口にしてなかったことを話した。最近やっと少しづつ食べてくれるようになったこと。私は怒りを覚えた。普段はへらへらしている私でもこういう時までヘラヘラしてみんなの怒りを抑えれなかった。私の怒りが沸点に到達しそうになっていたからだ。私はリーダーの胸ぐらをつかみ。
「リーダー…この子幸せにしなかったら殺すから」
と力強く言った。みんなも賛成していた。しかし、いつもへらへらしていたお兄ちゃんだけはどこか悲しそうな笑顔をしていた。
なんで…と言おうとしたが。お兄ちゃんは、何も言わずに本部の一室を去った。お兄ちゃんだけは殺さずを貫いてきていた。きっと妹が私情で殺人を犯す事が嫌なのだろう。お兄ちゃんは暗殺者でありながら。その現場を見た人を誰一人殺さなかったのだ。殺す掟を破っていた。お兄ちゃん…お兄ちゃんはどんな気持ちで私たちについてきたの…。そう思いながら私たちもあとにした。あの後お肉は、リーダーが街の人に配って歩いたそうだ。