プロローグ:路地裏での出会い
雨に濡れた路地裏。
小さな体が、壁際でぐったりと倒れていた。
顔は泥と雨で汚れ、手足は震え、
呼吸は浅いーー幼い少女、○○だ。
「……ちっ…誰だ、こんなところに…」
低く響く声。ばぁうが濡れた路地裏を進むと
倒れている小さな体に目が留まった。
「ッ……おい、やばいな」
すぐに近寄り、○○を抱き上げる。
体は冷たく、意識は完全にない。
しゆんが刀を背に立ち、
周囲を警戒しながらも、少し顔をしかめる。
「……なんだこれ、完全にぶっ倒れてんじゃん」
タケヤキ翔はびっくりした顔で近寄り、
声には焦りが混じる。
「ちょ、こいつやばくね?」
てるとが、持っていた小型ドローンで周囲を警戒しながら、静かに言った。
「周囲に人の姿無し…なんでこんな所に…」
ばぁうは○○の顔を覗き込む。
小さな手を握ると、顔が真剣そのものになる。
「……俺が何とかしてやる。安心しろ、ちびすけ」
○○は意識がないまま、微かに身体を震わせる。
だが、無理に目を開けることはなかった。
しゆんが刀を少しだけ構えつつも、優しく肩を叩く。
「俺が付いてる。安心して眠れ」
翔は、少し明るめに声をかける。
「大丈夫や、俺が居るからな」
てるとはそっと頬に手を添えて、静かに呟く。
「怖かったよね…もう安心していいからね」
四人の仲間が、濡れた路地で小さな命を囲む。
意識のない少女は何も分からないーーだが、
確かにこの瞬間、
温かい”家族”の手の中に居るのだった。
コメント
4件
何この展開! まだプロローグだけど凄く好きです! 大変だと思いますが頑張ってください!