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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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※創作、オリキャラ、死ネタ、在り来り、長い 注意※

※朗読にどうぞ※












ビジネスハート、そんな言葉が嫌いだった



芸能と言うより私は歌い手の分野についていた、

七人のグループに所属してる


私の相方は サハラ と言う名前で活動していて、

彼と私は幼なじみで、昔からよく遊んでいた

今も変わらず仲が良くて、とてもいい子

私の方が歳がひとつ上で 彼は私のことをお姉ちゃんと呼んでいた

だからか結成当初からグループ1の仲良しで

初めから私のあだ名があった

たから姉さん って

私が たから という名前で活動しているから


サハラ は砂漠くんってメンバーからもリスナーの人からも呼ばれている。

理由は説明しなくても分かると思う。







とても温厚的な性格の砂漠くんは気が利く性格で優しくて

意外と面倒見が良い、

意外とってなんだよ、って怒られるけど。


そんな彼はいつから変わったのか、いや抱えていたのか














空気のようになんにも無くなった

彼は私の事を忘れていた

彼は記憶が消えた。























しばらく活動は休止、

記憶が無くなったことは世間には明かさないようにした。

ずっと、バレないように、バレないように、










































無期限活動休止をしてから3年が経ってしまっていた。

彼の今まで積み上げてきた物全てが一気に崩れ落ちてしまったから

それを立て直す事には時間が必要だった

自分の名前、家族、家でさえも忘れてしまった人

歌の歌い方だって覚えてない。

私との思い出も、全て彼の記憶には残ってない、
































活動休止から何年も経った時に、彼はやっと私のことを姉さんって言ってくれた。

今までの姉弟のように思っていた絆は無いのかもしれない、

でも、また私をお姉ちゃんのように思ってくれている事はわかった
















































活動休止から5年経った時、彼はグループに戻ってきた

最年少の砂漠くんは当時19歳だったのが24歳になっていた、

5年間でグループは成長してしまっているし、サハラというメンバーを知らない人もきっと居る

ただ、5年間の間ずっとずっと待っていてくれたリスナーの人はおかしくなってしまうほど嬉しかったと思う



















活動の中で たから砂漠 というコンビ名があった、

このコンビ名私は終始気に入っているけど砂漠くんは気に入っていなかったと思う、よく名前を変えて!と言ってた

でも活動再開してからはそれを言うことはなくなった

私の事を本当の姉弟だと思ってくれていたからこそ、そう言っていたんだと思うと  胸が締め付けられるような痛みが襲ってくる



正直砂漠くんはやっぱり面倒見が良くていつもの彼のようだった

帰ってきた、そんな感じがした




















活動開始してから1年が過ぎて ドームLIVEの打ち上げをした

砂漠くんは気をずっと張り巡らせているのか本当に周りばかり気にしていた、



前のような彼が目の前に居ると 記憶は残っているのかもしれない

そう思えてきてこの複雑さに嫌気が差した。








































翌朝、収録があるとは分かっていたけど

二日酔いの所為で頭がジンジンした



この辛さに悶えながらスマホのアラームを消してロック画面が出てきた

メールが3通表示されていて

直ぐに開いた、




ひとつは リーダーからの侵奪なコメント

メンバーと仲がいいからこそのコメントだった

収録時間に遅れていると、


あとふたつもリーダーからだった

個チャをひとつスクロールしたら出てきた


1つ目の吹き出しには

砂漠が全然来ないんだけど昨日あいつ酒のんでねーし、朝は強いだろ?

そう書いてあった

2つ目の吹き出しに目を通す前から予想出来た、そんなこと予想出来た自分が憎かった

吹き出しには

砂漠が死んだ、

と、




呼吸が出来なくなってその場で立ち上がったと思えば崩れ落ちた


砂漠くんが、亡くなった?

嘘だと、なにかの間違いだと、そう言って欲しかった

でも事実は覆らないらしい




















彼の死因は紛れもない……。自害だった

彼の記憶が無くなったのも 自らの手で自身を刺したのも ストレスからだと 解剖医が言っていた

彼の家族が解剖を望んだ。嫌だった、大切な彼の身体を傷つけて良い訳がなかった、

でも。家族の話が優先だったらしい、

彼の葬式の後、

サハラくんの脱退を発表して、亡くなった事はちゃんと隠さずにいった、ネットニュースにまでなって彼は居ない事が世間に拡がった


















サハラくんとことがあってからグループ全体の活動もしばらく休んだ



きっと彼は気を使いすぎたのかもしれない

自分の事を考えてなかったのかもしれない

優しいからこそあったことなのかもしれない



























彼の脱退から2年も経った今でも 活動は続けて 彼の分まで東京の晴れ舞台に立つことを目標とした






それから 今日その日が来た

会場は彼のメンバーカラーの黄色で彩っていた

リーダーは黄色のサイリウムは彼を思う表しだと言って、

彼の話と感謝を述べた


私はその話に耐えれなくて嗚咽を漏らしながら崩れ落ちた

他のメンバーも泣きながら駆け寄って、彼らの手が私の肩に優しく触れた。

大きな会場はアンコールと共に幕を閉じた

































私が見た、あれは間違いない、

アンコールの曲は私たちが初めて出したオリジナル曲だった

作曲のできる砂漠くんが作曲した曲を歌った

その時に、ステージのセンターに握った拳を大きく上げて歌ってみせる、

サハラくんが居た。

メンバー七人全員で目標のドームに立てたことが何よりも嬉しかった














END


1話で完結シリーズ!

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コメント

4件

ユーザー

題名から最高なんだよな〜!! 最初はどういうお話なんだろう と思ってたけど、読み終わったらそういうことね! ってめっちゃなった! 終わり方がエモい!! 次はどういう系かな?(っ ॑꒳ ॑c)

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