テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
・何でも許せる方向け
・出てくる全てのこと、物、人に関係なし
・ドドド捏造
・ドシリアス
・モブ死アリ
・CP表現無し
上全て理解出来た方のみお読み下さい。
本当に人を殺したつぼ浦の話。
バンッと銃が発砲される。
その銃口はつぼ浦に向いていた。
流石警察と言ったところか、すぐさま発砲音に気づき右腕を盾にする。
そして左手で瞬時にバットを持ち、地面を一蹴りしてバットが当たる所まで間合いを詰め、ブォンと左手で弧を描くように発砲した犯人の右脇腹にバットをお見舞いする。
ドゴッという音と共に、おおよそ人から聞こえてはいけないバキャという音が響いた。骨が何本か折れた音だ。
発砲した犯人は唸り声を上げながら、勢いよく地面に倒れ込む。
倒れ込んだ犯人の腹の上に力を込めて足を置き、身動きが取れない状態にする。
『…なぜ俺に発砲した。』
「お前はぁ、死ぬ運命だ!!何があっても!」
『…ふん。お前あの国の奴だろ。』
「自覚はあるみたいだなぁ!!お前はもう時期死ぬ!素晴らしき母国には沢山の優秀な人材がいるからなぁ!…お前なんて一捻りだぞぉ?」
ケタケタと勝利を確信したように高笑いする
『その一捻りで勝てる相手に何年手間かけてんだって。そろそろ忘れちまいそうだぜ』
それに対して真顔で返す
「…..お前ェ…..そうやってたか括って居られるのも今のうちだぞ!!!!!絶対殺す!!!殺してやる!!!!」
狂ったように唾を撒き散らしながら、バタバタと暴れる。ガラスで覆われているランプに群がる虫のように愚かだ。
『戯言ばっか言ってんじゃねェぞ』
「何が戯言だ!俺たちはお前を殺すことが出来る!!この街のダウンのように甘っちょろいものでは無く、本当の死!!!」
高い金切り声を上げながら早口でまくし立てる。もしかしてコイツは、何かしらをキメているのではないか?とつぼ浦は疑問に思う。
「..それに対してお前のその武器はなんだ?バット?笑わせるのも大概にしてくれよ!!!」
この情緒不安定さ。あぁ、こりゃキメてるな。
『あー…話が長くてよく分からんが、まァつまり俺はお前に殺される、俺にお前は殺せねぇって言いてェんだな?』
先程犯人に打たれた右腕から血が伝う。
「そうだ!!!下劣な平民が我が王に背くなどと愚行を犯すからだ!愚か者が!!」
右手から赤い雫が地面に落ちる。
『殺せない、か…そうでもねぇと思うぞ?』
は、?犯人はか細い声を出したあと、すぐに息を呑む。色鮮やかなアロハシャツの内ポケットから銀色に輝くリボルバーが取り出される。
それは、このロスサントスには無い銃だった。
「な、….なぜお前がそれを!?!?!?」
『教えるわけねぇだろ?まァ、これで分かったか?死ぬのはお前なんだよ。』
引き金に指を乗せる
やめろ、やめてくれと震えながら小さくこぼす。
『じゃあな』
ドン、犯人の脳天に穴が空く。
ビシャ、と地面に血が付着する。
サイレンの音が聞こえる。
クルリ、後ろをむく。
あぁ。面倒なことになった。頭の片隅で思う。
「…話は署で聞かせてもらう。着いてきてくれ。」
『……テーザーなんて向けなくても、抵抗なんてしませんよ。署長。』
両手を上げて無抵抗のポーズをする。
━━━━━〇月✕日、つぼ浦匠 現行犯逮捕
ー青井視点
警察署まで青井がつぼ浦を運ぶ。その間いつもうるさいくらい話すつぼ浦が今は無言だ。重々しい雰囲気がパトカーの中を覆う。
警察署につき、会議室に行く。そこには既に沢山の署員たちがいた。現場捜索をしている人以外、出勤している警察は皆ここにいるようだ。
つぼ浦を1つの椅子に座らせて、背もたれの後ろに手を回させて手錠をかける。
そこで青井がつぼ浦の先程打たれていた手に気づく。まだ手から血がゆっくり垂れている。
「……..では、会議を、」
署長がそう言おうとしたところで遮る。
『あ、すいません署長。…コイツ右腕怪我してるんで、救急隊の人だけ呼んでもいいですか?』
「そうか。わかった、いいぞ。」
『ありがとうございます。』
すぐに警察無線を抜けて救急隊無線に入る。警察署内に怪我人がいるので対応お願いします。と言い無線を戻す。
「…では、…会議を、始める。」
今回、何故こんなに重々しい雰囲気になっているか。それは、つぼ浦が本当の意味で人を殺してしまったからだ。撃たれたといえど、殺すというのはこの街でのご法度。
特に本当の殺人なんてのは、普通出来ないはずなのだが。
「今回つぼつ…つぼ浦が使った銃によって、あの犯人は本当の死を迎えた。…力二、つぼ浦からあの銃を取ってもらっていいか?」
「…あ、はい。」
じっと黙っていた成瀬が動き出し、つぼ浦に近づく。つぼ浦のアロハシャツの内ポケットに触れようと伸ばした手が震えている。
「……アオセン、俺が出すから手錠外して貰えねぇか?…怖ェだろ。人を殺した銃だ。手錠を外されてる間は暴れねぇ。約束する。」
『…』
チラリと青井は署長を見る。コクリと頷いたのを確認してから、一応テーザー銃をミンドリーや神子田などに構えさせ、手錠を外す。
つぼ浦はゴソゴソと内ポケットから怪しく光る銀のリボルバーを出す。ゴトリと会議室の机の上に置いて、椅子の後ろに手を重ねる。ちょいちょいと動かして手錠をかけろの合図を出す。青井が手首に金属をつける。
「弾はその中に入ってる2発だけです。それ以外は個人スタッシュの中にある3発だけ。」
「…そうか。わかった。」
署長が、署員達がリボルバーを見つめる。
数分の静寂。
重々しい雰囲気を終わらせたのは、青井が呼んだ救急隊、ももみだ。
「救急隊です〜!けが人はどこですかぁ〜!!」
可愛らしく、そして頼りがいのあるその声に青井も含め何人かが安堵のため息を漏らす。
「自分、呼んできます、!」
とひのらんが出ていき、ももみを連れて帰ってきた。
「会議室ぅ?珍しいねぇ〜」
『あ、ももみさん。つぼ浦の怪我を治して欲しくて、』
「つぼ浦さんまぁた怪我したのぉ?って、なんでつぼ浦さん椅子に固定されてるのぉ!?…またロケランとか撃ったんでしょーー!ダメですよー!」
そういいつつテキパキと治療を施す
「ん、、?あれ……あれ…??歪んでるのかなぁ…」
素早く動いていたももみの手がピタリと止まり、あわあわと焦っている。
『?、どうしました?』
「うーんもしかしたら歪んでるのかも…?止血が出来ないんですよぉ…なんでだろう…?」
「あー…ももみさんスマン。俺の服の右内ポケットに注射器入ってねーか?」
黙っていたつぼ浦が、バツが悪そうにガチャりと手首の金属を鳴らしてそう言う。
「ん!ちょっとしつれーしますよぉ〜……あ!ホントだー!みどりの液体が入った注射器!」
「それを怪我付近に頼む。」
「うーん?ちょっと怖いけど、つぼ浦さんが言うなら…わかりました!」
つ、とつぼ浦の腕に針を刺し、中身を注入する。これでもし、注射器の中の薬(?)が危ないヤツで、つぼ浦が暴れだしたりしたらどうしよう。そうしたら実銃を撃とう。と青井は考える。ただ、もうマンゴーもキーモットも実銃を構えているようだ。
「あ、!」
先程まで確かに怪我があった場所が綺麗に治っている。脅威の早さだ。
「ん、ありがとよ。その注射器はー…」
つぼ浦がチラリと青井を向く
『あぁ、調べさせてもらおうかな?ももみさん、この机の上置いといてもらっていいですか?』
「?了解ですー!」
空の注射器を机の上に置き、もう怪我しないで下さいねー!とももみが帰って行った。
ー数時間後、青井視点
色々調べてわかったことは、
・あのリボルバーはロスサントスの物じゃない
・あのリボルバーを使ったのは今日が初めて
・ロスサントス外の武器で怪我すると救急隊でも治せない
・一瞬で怪我が治ったあの注射器の中身もロスサントス外の物
・あの注射器はロスサントス外の銃の傷だけ治せる物
・急にロスサントス外の銃を撃って来たから同じロスサントス外の銃で撃ち返した
・あのつぼ浦に撃たれた人は完全な死を迎えた
ということ。俺は過去のつぼ浦のことを調べたり、ロスサントス外の武器について調べてたんだけど、ちょっと難航してきたから本署の屋上で休憩中。
とりあえずつぼ浦は本署の檻の中に入れられてる。時間交代制で、2人ずつで見張りをしてる。今は確か、成瀬とひのらんだったかな…?
見張りまでおく必要あるのか?と思いつつも、アイツなら脱走しかねないなって思ったから、見張りは必要かもね。
今もつぼ浦の無罪を証明しようと皆が署内を、ロスサントス内を駆け回りながら情報収集してる。ホントアイツは、これだけ皆にとって大切に思われてるってことわかってんのかな?
いや、分かってなさそう。つぼ浦だし。
今まで調べた情報を整理して、色々繋げてみる。まずつぼ浦がレギオンにいた。
そこにロスサントス外の人間が来た。
そいつは違法入国者で、違法のロスサントス外の武器をつぼ浦に向けた。
直ぐに気づいたつぼ浦はそいつと戦闘。
一瞬の間に決着が着いて、ちょっと話したあと逮捕するかと思いきや、つぼ浦がリボルバーを取り出しそいつを殺した。
周りにいた人たちに話を聞いたら、どっちもお互いのことを知ってそうな感じだったらしい。
でも相手はつぼ浦の名前を呼んでたけど、つぼ浦はそいつの名前を呼んでなかった。あの国のヤツって言ってただけ。
だから結構一方的なものなのかも?その他にも撃った奴は、我が王とか、そんな事も言ってたから、これは俺の予想だけど、
多分、つぼ浦はどっかの国に狙われてる。
国に狙われるとかあいつ何したのって感じだけど。
なんて、柵に持たれながらぷか、と煙草を吸いグルグルと考えていると、ガチャっと屋上の扉が開く。
うーんうーんと考えている青井はその音に気が付かない。
ザッザッザッと床を擦り歩く音が青井に近づく。
「アオセン。」
淡々としたその声に肩が跳ねて直ぐに振り向く。
『つ、つぼ浦……なんだお前か……』
「なんだってなんすか!」
ちょっと不貞腐れたようにしながら隣に来る。
普通にめっちゃ驚いちゃってちょっと恥ずかしい。まぁいいや。また没頭しようと思ったところで、疑問が浮かぶ。
『……ん?…まって、…なんでお前ここに居るの?檻は?』
つぼ浦を見ると、平然とした顔で言う。
「、あァ。なんか署長がよ、ずっと閉じ込められてるのも可哀想だからっつって出してくれたんすよ。」
『あぁそうなんだ。』
つぼ浦に見えないように右手でテーザー銃を握る。
『ちなみにつぼ浦。』
「なんすか?」
『署長はさっき現場を見てくるってレギオンに行ったんだよね。』
「…。」
『…で、誰に出してもらったんだっけ?』
刹那、テーザー銃を構えてつぼ浦に撃つ。
素早く交わされて、つぼ浦もテーザーを構える。
『お前…..成瀬とひのらんはどうしたの?』
署長に出してもらったというのは嘘で、自力で出たとしても成瀬とひのらんがいるはず。
「…さァ。どうしたんでしょうね?」
その表情はサングラスに隠れて見えない。
『はは、いいよ。捕まえてじっくり聞くから。』
スライディングで距離を縮めながら撃つ。
分かっていたかのように綺麗に避けらる。
つぼ浦がテーザーを左手で持ち、バットに手をかける。
バットを持ったつぼ浦の近くに居るのはマズいと急いで距離をとろうとする。
が、一瞬驚いて固まった隙に、バットではなくテーザーを撃たれる。
あぁ、マジか。左手に持ったから撃ってこないと思った。めっちゃテーザー上手いじゃん。
電流で言うことをきかない身体で思う。
ひゅうひゅうと風の音がする。
そういえば、署内から全く音がしない。
これは、やられたなぁ。
つぼ浦が近づいてきて、口に布を当てられる。
眠くなってきた。睡眠剤かな。
ぼやぼやとする視界の中、サングラスから鋭くて赤い眼が見えた。
「アオセン?おーい!起きろー!」
デカイ声で目が覚める。
『…ん。、…..ん?あれ。寝てた?』
本署のソファで目が覚める。
「こんな所で寝るなんて珍しいな。大型来てますよ。行かなくていいんすか?」
『え、マジ?ごめん行くわ。』
急いで起き上がる。
『つぼ浦は?』
「俺はパトロール行ってきまーす」
『おっけー』
くるりと振り向いて先に行くつぼ浦。
…何か、何か言わないとダメなことがあった気が。
『つぼ浦、』
「んあ?なんすか?」
『….、…..いや、…なんだっけ…?…ごめんなんでもない。』
何か言おうとした事があったはずなんだけど、全くもって思い出せない。
「ハァ?なんすかそれ。とうとうボケたか。」
『なんだと』
「パトロール行ってきまァす!!!」
つぼ浦は逃げるように出ていった。
「…はァ。ちょっとアオセン甘かったか?流石に何十回もしてると慣れちまってテキトーになっちまうな。…気をつけねェと。」
知らぬが仏 ー終ー
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!