テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
休みの日も終わり、今日から再び授業が始まる。
教室につくと、すでにたかし以外の2人(あおいとつばさ)が席に座っていた。
「おはよー…げっ、1時間目から数学じゃん」
挨拶をしたあと今日の時間割りを確認する。
「ほんとにやだ…もう帰る…」
と、やつれ気味のあおい。
その目の下にはくまができていた。
「確かに嫌だな~…っておい、あおい、お前また夜更かししたのか?くまができてるぞ」
と、相変わらず過保護なつばさ。
「別にいいじゃん…」
「だめだ!健康に悪いんだぞ!」
繰り返される2人の会話を暖かく見守っていると 、廊下からバタバタと誰かが走ってくる音が聞こえた。
「おっはよ~!皆のアイドル、たかしだぜ!」
「おはよー、今日も朝からテンション高いな」
と、俺。
「…うるさい」
と、あおい。
「おはよ~、てかその髪型どおした?」
と、笑っているつばさ。
見てみると、それはもうひどい髪型だった。
右は垂れ下がっているのに左の髪は上に伸びている。
「お、お前…まじでどおした?左だけ重力失ってるぞ?w」
「…言うな、裕太。ガチで寝坊したんだよ。アラーム3個かけたのに全部記憶にない。しかもチャリ爆漕ぎしてきたから、風圧でさらに悪化したわ」
「ぶっフフ、たかし、おもろすぎw」
なぜかつぼに入ったらしく、つばさが腹を抱えて笑っている。
「…もはや角(つの)だね」
そう言って、あおいが悪魔の笑みで無言でスマホを取り出し、たかしを連写しだした。
「おい、あおいやめろ!」
たかしがあおいからスマホを奪おうと、暴れだした。
その間にカバンをあさっていたつばさがあおいに向かって、
「髪直したいなら俺、マトメージュもってるぞ。姉貴に『身だしなみ気にしろ』って渡されたやつ」
と、言った。
するとたかしが一瞬で振り向き、
「マジ!? つばさ、お前が一瞬神様に見えた!ちょっと貸して!」
と、キラキラした目で言った。
「じゃあ俺がセットしてやるよ。さらに尖らせてツッパリ風にしてやる」
ちゃかすように俺が言うと
「絶対拒否!! 裕太に触らせたら1限始まる前に俺の人権がなくなる!」
とたかしが叫んだ。後で締める。
「はいはい、2人とも、チャイム鳴るぞ。早く直してこい、鳥の巣」
そうつばさが言い、ほどなくしてホームルールが始まった。
~~~~~~~~
4人ともが座ると、担任の先生が教室に入ってきた。
すると、開口一番、
「今日は転校生を紹介する」
と言った。
「男か?野郎はもういらねぇぞ!」
と、たかし。
「女の子がいいなぁ…えへへ…」
と、あおい。
「どっちにしろ仲良くなれたらいいよね~」
と、つばさ。
「そうだな」
俺たちだけでなく、クラス全体がざわざわしている。
「ほらー、静かにしろー。じゃあ、さっそく入ってきてくれ」
先生がそう言い、扉の方に向くとクラスのみんなが静かになった。
コツン、コツン、と靴で廊下を移動する音が聞こえた。
そして教室の扉が開き、転校生の姿がみえると全員が息を飲んだ。
スラリと伸びた手足に、長いまつ毛。そして、どこか儚げな雰囲気。
芸能人かと見まごうほどの彼は誰がみても立派な美少年と言えよう。
(…あれ?なんだか、どこかで同じようなことを思った気がする…)
みんなの視線が彼に釘付けになる中、彼はそんな視線にはなれているのか、緊張した様子を見せることなく自己紹介を始めた。
「転校してきた東りょうです。よろしくお願いします」
そう言って、彼は笑った。
そう、ただ笑ったのだ。
ただそれだけを見て、女子は失神し出し、男子は同じように惚れ惚れするか、悔しがるかの二択の反応をしていた。
そう言う俺も、
(なんて綺麗なんだろう)
と、惚れ惚れしていた。
(…だけど、やっぱり、どこかでみたことある?)
1度会ったら忘れることはできないだろうが、なぜか既視感がある。
(う~ん…)
悶々と一人で考え込んでいるうちに、彼の席が決まったようだ。
彼が移動しようと足を踏み出した瞬間、彼と目があった。
(えっ…)
すると彼は、上品に、だが悪いことを思い付いたような顔で、
「先生、俺、この席がいいです」
と、俺の席の後ろを指差した。
次回、主人公魔性の笑みに倒れる。
#秘密
きよきお
32
コメント
1件
第2話読みました〜!🌸 たかしの髪型エピソードからもう笑い止まらんかったww でも転校生・りょうくん登場で空気が一変!「先生、俺、この席がいいです」って目合わせて隣指定するとか…ずるすぎるでしょ!😳💕 主人公の既視感も気になるし、次回が待ちきれない〜!✨ きよきおさんのキャラ掛け合いが絶妙で、読んでてめっちゃ楽しかったです!🎀