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_いえもん side_
いえもん「ゔっ…」
強い日差しが俺の目の中に入り俺は起き上がる。あれ…なんで生きてるんだ…?俺は確か昨日魔木にやられて死んだはず…。周囲を見回すと、近くに長い紺髪の女の人が眠っていた。彼女のまつ毛は長く、髪も綺麗にカールしているのも相まってどこかの貴族の令嬢のような、高い人形のような高貴な雰囲気を感じる。…この人が助けてくれたのだろうか。俺はそんなことを考えながら空を見て太陽の高さから時刻を割り出す。ほぼ一番上のところまでいっているから昼なのだろう。寝坊した。毎日の日課である朝(?)の素振りを行うなうために剣を手に取る。女の人が寝ているから少し遠く離れたところへ行こう…そう思い歩く。
ガン
いえもん「いっだ…!!」
何歩か歩いたところで鼻に痛みを感じ、思わず大声を出しながら両手でぶつかったところを押さえる。手に持っていた剣が地面に落ちて大きな音がなった。前を見ると淡い色をした半透明の壁のようなものがでていた。さっきまで無色透明になっていたから気づかなかったのか…。
?「んん…ふぁ…」
俺が今の状況を分析していると、女の人が目を覚ました。さっきの声と剣の音で起きてしまったのだろう。そう思っていると女の人が話す。
?「あ、起きたんですね。おはようございます。鼻大丈夫ですかw?」
心配しているよりも煽っているような言い方で問われる。
いえもん「まったくですよ。朝から散々な目に遭いました」
?「散々な目はこっちのセリフですよ。ほら、これ見てください。あなたが投げた魔石が鎌に当たって刃こぼれしてしまったんです。私専用の特注品だったのに…」
俺は彼女から差し出された鎌を見る。それは俺が使っている剣とは比べ物にならない、誰の目から見ても明らかに分かる高級品だった。真っ直ぐに伸びた柄に繋がる刃は大きな急カーブを描いている。この世の黒を全て集め濃縮したような漆黒の刃の、真ん中辺りが一部欠けていた。しかし刃のその絶大なオーラは異彩を放ち、日の光を反射して青白い輝きをみせている。その姿は見た者に恐怖を覚えさせるだろう。
というか魔木の上から投げた魔石がたまたまこれに当たるとは…。運がいいのか悪いのか…。
?「それと、命の恩人に対してその口のきき方は失礼じゃないですか?」
かなり上から目線だが、それを言われれば助けてもらった俺は何も言い返せない。悔しいが。
いえもん「命を助けていただきありがとうございました。えーと…名前は?」
この人は俺を助け出した上にとてつもなく高そうな武器を持っている。戦っても俺が負けそうなので敬語を使い大人しい振りをしておく。
めめ「めめんともりです。めめと呼ばれています。あなたは誰ですか?」
いえもん「いえもんです。旅をしながら魔獣狩りをしています」
めめ「魔獣狩りですか…。お金たくさん持っていそうですね…」
いえもん「なんで金目当てなんですか?」
めめ「あなたに鎌を壊されたからでしょう!弁償してください!」
俺は思わず悲鳴を上げそうになった。こんな高そうな鎌を弁償するとなればどれほどの金額になるか。想像しただけでも恐ろしい。
いえもん「魔獣と言っても、弱いものばかりだったのでそこまで金は持ってません!」
弁償はしたくないので言い訳を並べる。
めめ「確かにいえもんさん弱そうだから弱い魔獣しか狩れなさそうですね…」
…いざ面と向かって弱そうと言われればムカつくが、彼女を怒らせたらどうなるか分からないので黙っておく。
めめ「でもいくら弱いものとはいえ魔獣を倒せるということは、それなりに強い方なのでしょうか。…能魔者でないとすれば」
ドキリ_
その言葉に俺の心臓が飛び跳ねる。急に能魔者という単語が出てくるとは思わなかった。
いえもん「そうですね。俺は能魔者ではないので」
能魔者であることを知られるわけにはいかない。俺は慌てて否定した。
めめ「そうですか。それは残念です」
残念?どういうことだ_
めめ「ダークチェーン」
次の瞬間俺の体は拘束されていた。自分の体を見てみると黒のような紫のような色をした鎖が巻き付いているが分かる。
いえもん「めめさん…?」
めめ「いえもんさん、今から私が言う言葉を復唱してください」
いえもん「なんでっ…」
めめ「さもないと…殺しますよ?」
そう言うと俺を縛り付けている鎖から禍々しいオーラが出てくる。それに当たると息が苦しくなった。
いえもん「ゔゔ…」
めめ「いいですか?復唱してください」
そう言うと彼女はスラスラと呪文を唱え始める。
めめ「今ここに契約を結ぶ者集う」
いえもん「…今…ここに…契約を結ぶ…者集う」
まだ息が苦しいが、今ここで言うことに従っていないと殺される…。そんな予感がしたので混乱しつつも渋々めめの言葉を復唱する。
めめ「闇の神とその眷属に導かれ我闇の属性に帰す」
いえもん「…闇の神とその眷属に導かれ我闇の属性に帰す…」
めめ「これを行使する者めめんともり行使される者いえもん」
いえもん「これを行使する者めめんともり…行使される者いえもん」
めめ「両者は互いの魂にこれを刻み闇の力は制約の鎖と化す」
いえもん「両者は互いの魂にこれを刻み闇の力は制約の魂と化す」
めめ「今ここにその力現れよ!」
いえもん「今ここにその力現れよ!…っえ!?」
そう俺が言い終わると辺りにどす黒い魔法陣が出てきて俺とめめをその色で照らす。それはこの辺りだけが急に真夜中になったかと錯覚するほど暗く、深い闇の霧の如く俺たちを包みこむ。
ドクンッ…。
ほんの一瞬だけ動機がした。心臓が苦しい。ギュ〜ッと何かに締め付けられている感覚がする。ただ、それはすぐになくなった。なんなんだ今のは。
いえもん「はっ…はっ…」
めめは、痛みに胸を押さえる俺に向かい言葉を発する。その顔は喜怒哀楽が一切なく、限りなく無表情に近かった。
めめ「さて、いえもんさん。もう一度聞きます」
めめ「あなたは能魔者ですか?」
だから違うって言ってるじゃないですか。そう言いたかったはずなのに、なぜか俺の口からは違う言葉が出る。
いえもん「はい。俺は能魔者です」
その言葉を聞くと、彼女は満足そうな、しかしどこか不穏な笑みを浮かべた。
はい!ここで切ります!ここでこの二人が出会いました。主の推しcpでs(((恋愛要素は入れないつもりなのでよかったら最後まで見てください
今回少し長かったですね…。初めて三千文字突破しました!いえぃ!!\( ╹▽╹ )/!!
今回の補足は軽めに。最初にいえもんさんが当たったのは、前回の最後でめめさんが展開した防御の魔法です。それの効果がまだ続いていました。設置してから時間が経ったので、半透明から無色透明にカモフラージュしていましたがいえもんさんが当たったので半透明に戻りました。あと最初めめさんが煽るように言っていたのは、鎌を壊されて怒っているからです。
本編の後半の所は次回説明をいれることにします!1週間考察をお楽しみください!
そもそもでなんであとがきで補足をしているかというと、本編に説明を違和感なく入れられないからなんですよね〜(訳 主の語彙力がねぇ)私は世界観を大事にしたいので、無理に説明的な文章を話に入れるくらいなら開き直ってあとがきに入れたほうが性に合っていると思いました。その人にとって当たり前のことを説明させるのは難しいので。それだけこの世界では能魔者や魔法の存在が浸透しているということです。
今回も魔法系が多くて大満足です。(←魔法好き)厨二病っぽい呪文も入れてみました。公開後に主が恥ずか死するのかしないのか…神のみぞ知る!
というかテスト勉強だるすぎて…早く終えて遊びたい…。なんで夏休み明けに定期テストあるんだよ!なくていいだr(((
それじゃあ今日はこの辺りで!また来てね!