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*.꒰ঌ𝕐𝕦𝕚𝕜𝕒໒꒱.*
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#オリジナルキャラ含む
Luna Emma
110
月曜日。
「今日から図書委員の手伝いを頼む。」
朝のホームルーム。
先生が名簿を見ながら言った。
「文化祭で頑張ってくれたお礼も兼ねて、実行委員から二人。」
教室が少しざわつく。
「石川。」
「……はい。」
「神崎。」
「はい!」
奏斗は一瞬だけ颯太を見る。
颯太は口元だけで笑った。
(絶対お前だろ……。)
-–
放課後。
図書室。
カウンターの向こうで、本の返却作業をする二人。
「この本。」
「……棚番号、三。」
「了解。」
「これ。」
「五。」
短いやり取りだけなのに、不思議と息が合う。
図書委員の先輩が笑った。
「二人、仲いいね。」
「えっ。」
奏斗が固まる。
冴は本を抱えたまま小さく首をかしげた。
「……そうですか?」
「うん。」
「お互い次に何してほしいか分かってる感じ。」
「長く一緒にやってるみたい。」
奏斗は思わず湊を見る。
目が合う。
「……。」
「……。」
二人とも照れくさそうに目をそらした。
-–
返却された本を棚へ戻す。
「脚立使う?」
「……うん。」
冴が一番上の棚へ手を伸ばす。
あと少し届かない。
「石川。」
「?」
「俺がやる。」
「届く。」
「でも危ない。」
「……。」
少し迷ってから、本を奏斗へ渡す。
「お願い。」
「任せろ。」
本を棚へ戻す奏斗。
その間、冴は脚立を押さえていた。
「……。」
「神崎。」
「ん?」
「ありがとう。」
その一言だけで。
奏斗は危うく本を落としかけた。
「おっと!」
「……大丈夫?」
「だ、大丈夫!」
(ありがとうって。)
(そんな顔で言う!?)
-–
作業が終わり、夕日が図書室を赤く染める。
「お疲れさま。」
図書委員の先輩が帰っていく。
「戸締まりお願いね。」
「はい。」
静かな図書室。
二人きり。
カチッ。
窓の鍵を閉める音だけが響く。
「……神崎。」
「ん?」
「最近。」
「?」
「元気。」
「え?」
「前より笑ってる。」
「……。」
奏斗は少し笑った。
「石川といるから。」
「……。」
「毎日、楽しい。」
冴は返事をしない。
ただ、ゆっくり窓の外を見る。
夕焼けがきれいだった。
「……俺も。」
小さな声。
「図書室。」
「前から好きだったけど。」
「神崎が来るようになってから。」
少しだけ笑う。
「もっと好きになった。」
その言葉に。
奏斗は何も言えなくなる。
胸がいっぱいだった。
「……石川。」
「なに。」
「それ。」
「反則。」
「?」
「また?」
「うん。」
「また寿命縮んだ。」
「……大げさ。」
「本気。」
冴は少し困ったように笑う。
その笑顔に、奏斗もつられて笑った。
-–
帰り道。
後ろから颯太が二人を見送っていた。
「……。」
「これは。」
腕を組んで、小さくつぶやく。
「あと一歩だな。」
その言葉を風だけが聞いていた。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です、読み終わったよ〜🥀 図書室の夕日、二人きりの空気、すごくよく伝わってきた。特に「ありがとう」で奏斗が本落としかけるとことか、もうあの一瞬のドキドキがこっちにも伝染するみたいだった。冴の「もっと好きになった」が夕焼けに溶けてく感じ、胸がぎゅってなったなあ。颯太の「あと一歩」も含めて、全部が優しい時間だった。お疲れさま、風花さん🌙