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今日も、また作戦会議兼リモート授業をしに、旧校舎へ。今日はひおりは休みらしい。昨日の事が原因なんじゃないかと思ったが、あまり怪しみすぎるのも良くないと思い、心配LINEだけ送っておいた。 「ねぇ?齋藤くん。齋藤くんってさ、何にも話さないの?いつもそう。私たちばっかり話してる。」
「あぁ」
どこか気力のない声だった。どうしたのだろうか。
「何かあったの?」
「なにも」
やはり気力がない。私の天才的な推理力で考える。またいじめられたのか?だとしたら助けないと、やっと手にした仲間だから。
今日は、作戦決行の日。気まずい。無言で歩くこの時間がとても憂鬱。なにか会話、なにか、なにか無いか。
「あの、さやっぱり朝4時は眠いね」
「え?あ、そうだね。」
盛り上がらない、強敵だ。まさかのこっちで悩むとは。なんなんだ。あの白熱した作戦会議の時の彼はどこへ?
「あ、ここだね」
「あぁ」
1人目に着いた。ここで気づいた。別行動にすれば良かった。ポストに証拠たちを入れたあと、私は
「ねぇ?効率良くないし、別行動にしよ。」
冷たく言い放った。齋藤くんはまた、「あぁ」とだけ。
急いでみんなの家のポストに封筒を入れていたからあっという間に最後の家に。ポストに封筒を差し込んだ瞬間、静寂の中にガタンという音が響いた。「……っ誰かいるの?」振り返っても、誰もいない。けれど風がないのに、後ろ髪が揺れた気がした。背中がぞわぞわする。振り払うようにその場を離れた。別行動にしたものの、齋藤くんの姿がやけに気になる。あの元気のない目、あの低い声。何か、何かが引っかかっていた。次の目的地に向かって歩いていると、通知が震えた。ひおりからだった。ごめん。今日、行けない。お姉ちゃんと話さないといけないことがあって……。 でも、信じて。私は真織の味方だよ。「お姉ちゃん?」お姉ちゃんなんていたっけ、もしかして何かを知ってる。いや、“何かを隠してる”。もしかして、ひおりは犯人と繋がっているの?疑心が頭をよぎる。でももう、誰かを突き放す余裕なんてない。筒を届けたあと、私は足を止めた。ポケットの中でスマホが震え続けている。
通知は、“匿名SNS”。
そこには新しい投稿があった。
【#裏真織ファイル003】 「自〇未遂・実家でのネグレクト・姉との確執」 あなたの知らない転校生の“素顔”、覗いてみませんか? 写真付き:あり 音声ファイル:あり
「、、、やめてよ、もう、、」
震える指でリンクを押しかけて、止めた。
それ以上見たら壊れる。自分が、自分でなくなる。
「誰、、、誰がやってるの、、?!」
息が詰まる。心が割れる音がした気がした。
「、、、俺だよ」
声がした。聞き覚えのある低い声。
齋藤くんだった。唯一の味方だと思っていたのに、やっぱり裏切られるのか。
「そっか、楽しかった?唯一の味方じゃなくて、犯人だったんだね。残念」
泣きそうになるのを抑えて、言った。
きっとひおりも裏切るんだろう。これからはまた1人。多分クラスメイトみんな今日の復讐について知っていたんだろう。だってここに犯人がいるんだもの。
「なんでこんな事したの?」
「秘密知ってるから。傷付いたらひおりが殺されるって事を」
「は?」
訳が分からない。私が傷付いたらなぜひおりが殺されるの?なんの関係が?なんなの、もう。
訳が分からなくなって私は駆け足で家に帰った。するとまた、机に1000円札が今度は5枚。最近は機嫌がいいんだろう。寝室に行き、愚痴を漏らす。
「ねぇ聞いてよ!”お姉ちゃん”齋藤くんがね、私の過去を、お姉ちゃんの嫌な過去を掘り出して、拡散してるんだよ。唯一信頼してたのにさ、」
私は唯一の心の拠り所、お姉ちゃんに語りかけていた。
「喋らないよね、てか喋れないもの。」
眠ったきりのお姉ちゃん。警察へ行くのも気が引ける。渡したら私のお姉ちゃんがいなくなる気がして、私の双子のお姉ちゃん、影子が本当にいなくなる気がして。
学校にも行けない。旧校舎にも行く気が出ない。今日はお姉ちゃんと一緒にサボってしまおう。
「お姉ちゃん、私ってなんて名前だっけ?お姉ちゃんと一括りにされてたからさ、思い出せないんだ、」陽気な声で言ってみる。もちろん応答はない。お姉ちゃんは、私真織ができた日が命日。本当の命日だもの。私の本当の名前なんてない。