⚠︎注意
・iris 青桃 BL
・赤桃要素含みます
・年齢操作、学パロです
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🍣side
目が覚めた。
夢を見ていたような気がする。
ふと、隣で誰かが眠っているような気がして視線を向ける。
妙に広いベッドはただ淡白なだけだった。
ほぼ無意識のうちにスマホへと手を伸ばす。
未だ寝ぼけたまま、スマホの電源ボタンを押した。
🐤『ないくん、おはよう』
スタンプが添えられた恋人からの挨拶に、思わず顔が綻ぶ。
自分もおはようと返して、学校へ行く準備をしようと立ち上がる。
カーテンを開けて日の光を浴び大きく伸びをすると、昨日のことなんてすっかり忘れて清々しい気分になる。
ふと、幼馴染の彼を思い出す。
🍣 (まろ、今日はもう起きてるかな。一応確認しようかな…)
寝巻きのまま、顔も洗わずに玄関に向かう。
玄関のドアノブに掛けようとした手はふと動きを止めた。
🍣 (やっぱやめよ)
俺が一番に会いたいのはりうらだった。
この関係が許されているからには、りうらを一番に大切に想っていたかったから。
適当にパンを焼いて、その間に髪をセットする。
身支度ができたのでキッチンに戻ると、コップが2つ置きっぱなしになっていた。
🍣「あれ、なんで2個も出してんだ俺。」
驚くほどに昨日帰ってきてからのことを思い出せない。
2つあるということは来客があったのだろうが、その場合普通は覚えているだろう。
🍣「まあどうでもいいや、早く行こ。」
焼き上がったパンを超高速で口に詰めたら、小走りで玄関に向かった。
🍣「行ってきます。」
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🐤「あ、ないくん!おはよ〜。」
🍣「りうら、おはよう!!」
何で朝からそんなに元気なの、と笑うりうらが可愛くて、走って学校に来た甲斐があったと思う。
今日の授業の予習をしていたりうらの頭を撫でていると、背後から人の重みを感じた。
肩にソイツの頭がのし掛かり、青い艶のある髪が耳にかかる。
🤪「なぁいこ〜、何で今日起こしてくれへんかったん!」
そう文句を言ってきたのは、幼馴染のまろだった。
🍣「ごめんって…でも間に合ったからいいじゃん?」
🤪「ん“ん…まぁ…せやな。」
まろが納得したようなので、またりうらの頭撫でを再開する。
りうらは少し不満げな顔をしていた。
🍣「あれ、りうらどうしたの?」
🐤「…まろ、ないくんから離れて。」
🤪「え」
りうらの発言にまろは驚いたようだ。もちろん俺も驚いている。
🍣 (なにその可愛い発言!)
困ったことだ、りうらを前にすると語彙が『可愛い』だけになってしまう。
🍣「りうら…嫉妬しちゃった…?」
🐤「…悪い?」
悪いわけない。こんなに俺を想ってくれる恋人を持って、俺は幸せだと思う。
りうらをぎゅっと抱きしめて、すっかり俺の肩から顔を退かしたまろに目線で訴える。
それでも立ち去らないまろに、渋々口を開いた。
🍣「そういうことだから、じゃあねまろ。」
🤪「いやいや…どういう雰囲気やねん。」
🍣「どうって、何が?」
🤪「いやだから…何でそんな2人ベタベタなん?」
🐤「ないくんはりうらのだからだよ。」
不機嫌そうにしていたりうらがそう言い放った。
それを聞いた瞬間、確かにまろの空気が固まったのを感じた。
信じられないといった様子で俺へ視線を向けるが、俺が恥ずかしそうにしているのを見て真実だと認めざるを得なかったようだ。
🍣「あ、次移動教室だよ。りうら行こう。」
🐤「うん!」
まだ動かないまろを置いて、教室を出る。
一瞬だけまろの方を盗み見た。
まろは少し悲しそうな顔をしていた。
🍣 (…そんな顔したって、りうらはあげないから。)
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🐤『ごめん、今日呼び出されちゃって…先帰ってていいよ。』
数分前のりうらの言葉が脳に蘇る。
今日はツいてない。朝感じた気持ちよさはどこへやら、今の気分は最悪だった。
🤪「あれ、ないこ一人?」
聞き慣れた声が頭上から降ってくる。
軽く見上げると、綺麗な瑠璃色の瞳が目に入った。
🍣「…まぁ、そう。」
🤪「なら一緒に帰らへん?」
ここ最近はりうらのことばっかりでまろと一緒に下校することは少なくなっていた気がするが、今日はりうらがいない。
何より今は誰かと居たい気分だった。
🍣「いいよ。」
🤪「よっしゃ、じゃあ久し振りにないこたんの家凸ろ〜」
🍣「もう…しょうがないなぁ」
やはり、今の自分はそんな強請りも甘んじて受け入れるのだった。
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🤪「お邪魔しま〜す!」
🍣「いらっしゃい。とりあえずお茶でも持ってくるから手洗っといて。」
🤪「りょうかいのまろ!」
元気よく返事したまろを見て、笑みが溢れる。
いつからだっけ、まろを家にあまり呼ばなくなったのは。
🍣 (りうらと付き合った頃だから…二週間くらい前か。)
けれどまろが家にいることは昨日ぶりのような、どこか日常感を感じさせた。
二人分のお茶を持ってリビングへ入る。
まろは自分の家のようにくつろいでいた。
🍣「はい、お茶。で、なんかする?」
🤪「ん、ありがとうな。せやな〜、聞きたいことがあんねんけど。」
🍣「聞きたいこと?」
🤪「うん、何でりうらと付き合ってるん?」
あまりに自然な流れで、表情も一切変えず言うもんだからドキッとしてしまった。
いつも通りすぎて何だか怖いとさえ感じてしまう。
何もやましいことはないのに、責め立てられているような気分になった。
🍣「何でって、好きだからだよ。」
🤪「ふーん…じゃ、まろは?」
🤪「まろのこと好き?」
🍣「えぇ、そりゃ好きだけどさ…そういうのとは違うじゃん」
🤪「何が違うん?」
🤪「てかさ、俺が聞きたいのは何で“まだ”りうらと付き合ってるのか、なんやけど。」
🍣「え……“まだ”…?」
どういうことか。俺はまろの質問の意図を掴みかねた。
もしかしてまろは、ずっと前から俺たちの関係に気付いていたのだろうか。
🤪「はぁ〜…ないこってほんま都合ええ脳みそしとるな?」
🍣「いやちょっと待って、何言ってるか全然わかんないんだけど。」
すると、手首を優しく掴まれてゆっくりとベッドに押し倒された。
深い青の瞳が真っ直ぐに俺を貫く。
咄嗟に、やばい、と思った。
🍣「ちょっ、ま…」
言い終わるより先に俺の唇は塞がれた。
触れるだけの軽いキスで、まろの唇はすぐに離れていく。
🍣「っは…」
🤪「…」
無言で俺を見つめるまろ。
俺はもう何も言えなくなっていた。
🍣「っ…!」
もう一度唇が触れる。今度はまろの舌が口内に侵入してきた。
あとはもうどうしようもなくて、ただ口の中を蹂躙されるだけだった。
息が苦しくなってきた頃、まろがやっと口を離した。
🤪「…ないこ。」
🍣 (…知ってる。)
まろの唇の感触を、舌の使い方を、息遣いを。
まろとのキスを。
しかも、遥か昔の記憶とかではなくて、昨日にでもしたみたいな感覚。
俺はすっかり昨日何があったのかを思い出してしまった。
そしたらもう、戻れない。
🍣「もう終わり…?」
俺に煽られたように、まろは強引に俺の唇を奪った。
そのまま、晩御飯も食べず、お風呂にも入らず、かといって一線を越えるわけでもなく、
ただキスを貪り続けて眠りについた。
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目が覚めた。
endless
コメント
2件
今回の話凄い難しいですね、個人的にはループしているんじゃないかって思ってます、こんな関係を何回も続けている、ドロドロな感じがして好きです!次も楽しみにしてます!