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#文スト&暗殺教室
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#クロスオーバー
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「触るな……っつってんだろ、クソ太宰……!」
中也の声は、自分でも情けないほどに震えていた。
顎を強引に掴み上げられ、逃げ場のない太宰の双眸が至近距離で自分を射抜いている。
冷たくて、けれどどうしようもなく心地よいαのフェロモンが容赦なく鼻腔を突き、抑制剤で無理やり押さえつけていた身体の奥が、歓喜の悲鳴を上げて軋みだした。
「嫌だな、暴れないよ。せっかく『私のΩ』に会えたというのに、そんなに歓迎されていないようじゃ悲しいじゃないか」
太宰は口元に、どこか白々しい笑みを浮かべたまま、掴んだ顎にさらに力を込める。
その身に纏うのは、かつての漆黒の衣服ではない。
砂色のコートに身を包み、まるで日の当たる世界の住人のような、どこか垢抜けた空気を醸し出している。
それが、中也の胸をさらに酷く抉った。
自分を地獄に置き去りにしたまま、自分だけが綺麗な世界へと行ってしまった男。
それなのに、中也に向けるその瞳の奥には、マフィア時代よりもさらに深く、逃れられない歪んだ独占欲が渦巻いている。
「誰が、お前の、Ωだ……ッ! テメェはもう、マフィアの人間じゃねぇだろうが……!」
「そうだね。今の私は人を救う側の人間さ」
太宰は中也の首元――新型抑制剤の注射痕が生々しく残る、かつて自分が刻んだ「番の痕」へと、今度こそ容赦なく指先で触れた。
皮膚が触れ合った瞬間、脳が痺れるような電流が走り、中也の膝から完全に力が抜ける。
そのまま薄暗い路地裏の壁へと押し付けられ、太宰の体躯に閉じ込められる形になった。
「っあ、が、あ……っ!」
化学物質のレプリカではない、本物の、世界にたった一つしか存在しない番のフェロモンが、容赦なく中也の全身を侵食していく。
中也の細胞は、主の意志を裏切って気狂い染みた歓喜を上げ、太宰の体温を貪るように求めてしまっていた。
ここはマフィアの拠点からそう遠くない、見通しの悪い薄暗い路地裏だ。
すぐ先にある表通りからは、深夜に差し掛かる街の喧騒――車の走行音や、酔客たちの安っぽい笑い声が風に乗って途切れ途切れに聞こえてくる。
誰かがふと気まぐれに足を踏み入れれば、一瞬でこの異様な光景が見つかってしまう。
その圧倒的な現実味が、中也の残った理性を激しく揺さぶった。
「嫌だよ。私を焦らせた悪い犬には、これくらいのスリルが丁度いいお仕置きだ」
太宰は中也の焦燥を楽しむようにふっと細い目をさらに細めると、逃げ道を塞ぐように一歩踏み込み、自身の大きな体躯で中也を壁際へ完全に閉じ込めた。
砂色のコートが擦れる音が、妙に大きく鼓膜に響く。
太宰の冷たい指先が、中也の黒いチョーカーの隙間に滑り込んだ。
乱暴にそれを引き下げられ、完全に無防備になった項へと触れられる。
かつて深く牙を突き立てて刻まれた「番の痕」が、太宰の直接の体温を感知した瞬間、ドクドクと熱く脈打ち始めた。
4年間、どれだけ薬で誤魔化そうとしても消えなかった痛みが、今は甘い痺れとなって中也の脊髄を駆け上がる。
「ひ、あ……っ!」
「静かに。誰かに聞かれたいのかい? ポートマフィアの幹部が、探偵社の男に路地裏で組み敷かれて鳴かされているなんて、そんな噂が流れたら組織の威信は丸潰れだ。森さんも泣いてしまうよ?」
耳元で囁かれる意地悪な声と、容赦なく首筋の敏感な皮膚を這う愛撫。
中也は唇を血が出るほど強く噛み締め、漏れ出そうになる声を必死に堪えた。
だが、太宰のもう片方の手が容赦なく中也の黒い上着を押し上げ、ベルトを乱暴に外す。
カチャ、と静まり返った路地裏に、冷徹な金属音が小さく響いた。
「――っ! 太、宰……っ、待て、何を……」
「動かないで。服が擦れる音だって、静かな夜にはよく響くんだから」
太宰の手つきには、一切の躊躇も、慈悲もなかった。
中也の衣服が次々と剥ぎ取られ、湿った夜気の中に白い肌が晒されていく。
4年間、誰の目にも触れさせず、マフィアの幹部としての誇りで包み隠してきたその身体が、かつての主人である太宰の手によって、実にあっけなく暴かれていく。
その時、コツコツと表通りを歩く人間の足音が、すぐ近くの角まで近づいてきた。
「おい、今の声なんだ?」という、通行人の不審そうな声まで聞こえてくる。
中也は恐怖に全身の血が引くのを感じ、身体を硬直させながら、太宰のコートの襟をぎゅっと掴んだ。
もし今、この壁の裏から人が覗き込んできたら、すべてが終わる。
太宰は中也のその絶望を見つめながら、歪んだ笑みを深めた。
そして、怯えきって固くなっている中也の身体に対して、一切の愛撫も、ほぐしもせず、自身の熱をその窄まりへと宛てがった。
「ひっ――」
「声を出すなと言っただろう?」
太宰は中也の口を大きな手で乱暴に塞ぐと、4年分の容赦のない質量を、何の前触れもなく、力ずくで一気に最奥まで突き立てた。
「んぐ、う、あぁぁ――ッッ!!!???」
悲鳴さえも太宰の手のひらに遮られ、中也の目から一気に涙が溢れ出す。
ほぐされていない身体は、引き裂かれるような凄まじい激痛に襲われ、拒絶するようにガタガタと震えた。
あまりの衝撃に意識が飛びそうになり、中也は白目を剥きかけてのけ反るが、太宰はそれを逃がさない。
中也の細い腰をガッチリと掴んで壁に縫い付け、容赦なく肉壁を穿っていく。
「……っ、ふ、あ、う、く、お……っ!」
壁のすぐ向こうを、コツコツと通行人の足音が通り過ぎていく。
その距離、わずか数メートル。
見つかるかもしれないという絶望的な恐怖と、準備もなしに狂暴な質量で貫かれる圧倒的な痛みの蹂躙。
それなのに――中也のΩの身体は、4年間渇望し続けた「本物のα」が最奥に達した瞬間、痛みを引き金にして、せき切ったように蜜を溢れさせ、太宰の楔を狂ったように締め付け始めた。
本能が、主人の支配を歓喜して受け入れている。
「ふうん……ずいぶんと貪欲だね。ほぐしもせずに入れたのに、こんなにきつく私のものを咥え込んで離さないなんて。4年分の寂しさを、この狭い路地裏で全て埋めてもらおうというのかい?」
「ちが、う……っ、俺、は……っ、んぐ、あぁ……ッ!」
太宰は歪んだ愉悦を瞳に宿しながら、4年分の空白と執着をぶつけるように、一切の容赦のない激しい衝撃で中也の身体を揺さぶり続けた。
やがて、太宰の呼吸が一段と熱く、低くなった。
中也の項にある番の痕へと、狂おしいほどに濃厚なαのフェロモンが叩きつけられる。
「中也……、私のΩ」
その甘く残酷な囁きと同時に、太宰は中也の最も深い最奥を抉るように突き入れた。
「ひ、あ――っ!!! んん、んんっ!」
内側から焼き尽くされるような熱い衝撃が、中也の最奥を満たしていく。
太宰は一切の容赦もなく、欲のすべてを、中也の身体の奥深くへと溢れんばかりに孕ませた。「あ、が……っ、は、あ……っ」
生身のαの種をダイレクトに流し込まれたΩの身体は、本能的な充足感と、新型抑制剤の副作用による過負荷で完全に限界を迎えた。
中也の指先から力が抜け、太宰のコートを掴んでいた手が、だらりと地面へ落ちる。
ずる、と壁を滑り落ちようとする中也の身体を、太宰はその大きな腕でしっかりと抱きとめた。中也の意識はすでに朦朧としており、荒い息を繰り返すだけで、もう自力で立つことすらできない。
太宰は中也の耳元でふっと満足げに微笑むと、乱された中也の衣服を最低限整え、その身体を軽々と抱き上げた。
「さあ、お家に帰ろうか、中也」
それは、武装探偵社の寮でも、ポートマフィアの隠れ家でもない。
太宰がこの4年間、誰にも知らせず、中也を再び支配するためだけに用意していた、暗い、暗い秘密の隠れ家だった。
ぐったりと首を項垂れ、太宰の胸に預けるしかない中也を連れて、太宰は深夜の路地裏から、音もなく姿を消した。