テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
皆さんこんばんは。作者です。
前回の作品にいいね、コメントをして下さった方々本当にありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)
私はかなりの飽き性なので皆さんのいいねやコメントにやる気を貰っています。
話は変わりますが、この作品・・・ついに、腐要素が出てきてしまいました。作者が腐って居るので仕方の無いことだと思って読んで下さい。
注意
・腐注意。現在ほんのり国太が出現しています。
・前回ほどでは無いですが、太宰さん弱っています。
・太宰さん愛され
・語彙力皆無
それではどうぞ!
✣✣✣✣
「太宰。目が覚めたか?」
「うん・・・そう言えば、与謝野女医は?」
「与謝野女医ならお前の治療を終えてから席を外されているぞ。 屹度俺達に気を使って下さったのだろう」
そう言ったきり、二人の間に沈黙が広がった。が、その沈黙は直ぐに破られた。太宰が起きるまでそわそわしていた国木田は気持ちを落ち着かせるように大きく息を吸い、話し出した。
「太宰済まな─」
「ごめんね。国木田君。」
だが、その言葉を遮るように太宰は言った。苦しそうな、辛そうな表情で話を続けた。
「君を困らせたかった訳では無いんだ。」
「君は何も悪くない。だから」
─だから今回の事は忘れてはくれないかな?
その声は何時もの飄々としたものとは違いとても弱々しいものだった。それで国木田は今回の事態は太宰の心に深く踏み入って居るという事に気が付いた。国木田は今迄太宰があの様に恐怖し、怯える所を一度も見た事が無かったのだ。
「・・・嗚呼、分かった」
「ありがとう。国木田君」
その答えを聞いた太宰は安堵した様に微笑んだ。それに伴い、心做しか場の空気も軽くなった様な気がする。
「だがな、太宰何か困った事があれば直ぐに俺に言うんだぞ。」
いいな?
そう太宰の方を見やると。太宰は吃驚した様な表情をして、それから少し経って、ぷっ、と吹き出して笑い始めた。
「ふふっちょっと、君!”俺に言うんだぞ”ってまるで私の事が好きみたいじゃないか!」
あっはは!と目に涙を浮かべる太宰に国木田は少しの苛立ちを覚えた。
「貴様ッ!折角人が気を遣ってやったのに何だその態度はッ」
「うふふっいいよ!その位五月蝿い方が何時もの国木田君っぽい!あんな湿気てる国木田くんより余っ程ね!」
先程まで寝込んで居たのが嘘の様に太宰は国木田を揶揄う。
「兎に角!お前はまだ病人なのだ安静にする様に!その位元気なら俺が見ていなくても大丈夫だろう」
呉々も安静にする様に!
バタンッと大きな音を立てて医務室から出て行った国木田を見て、太宰は安心様に再び眠りについた。
✣✣✣✣
「太宰が倒れたぁ?」
「はい・・・」
国木田が今話しているのは彼より四つ歳上の調査員の江戸川乱歩である。乱歩は机に足を乗せた儘国木田の顔を呆れてた様に見ている。
「原因はその・・・俺が人間失格野郎と言ってしまったからかもしれません」
「うん。十中八九そうだろうね」
「それでお前はどうしたらいいか分からなくて僕に聞きに来た訳だ」
国木田は己の心中を言い当てられた事に動揺しその言葉に返答する事が出来なかった。
「まぁ今僕から言える事は一つだ。何時も通りのお前でいる事。これだけ」
乱歩はスナック菓子の袋を開け、バリバリと食べ始めた。もう話す事は無い。と言う事だろう。
「分かりました。乱歩さんありがとうございます」
「いいよ、お前否、お前達は僕が守るべき幼子何だからね!あ、国木田。駄菓子買って来てよ」
「分かりました」
国木田はそう返事し探偵社の扉を開けた。
✣✣✣✣
─その位五月蝿い方が何時もの国木田君っぽい!あんな湿気てる国木田君より余っ程ね!
確かにそうだ、俺に出来る事と言えば何時もの様に太宰と接する事しか無いのだ。何をうだうだ考えて居たのだろう。乱歩さんの手を煩わせる迄も無く明らかな事ではないか。やる事をやったら駄菓子を沢山買って帰ろう。と心の中で決める。
「ならば今、俺が行くべき場所は─」
「いらっしゃいませ!」
俺は鮮魚屋に来ていた。
「こんにちはお兄さん」
この店を運営している若い男がにこやかに声をかけてきた。
「今日もまた蟹をご購入されるんですか?」
「嗚呼。よく分かったな」
「誰にだって分かりますよ。お兄さん前回いらした時も前々回いらした時も蟹を買って帰って居ましたから」
屹度その二回とも太宰に上手く言いくるめられ渋々奢った時の事だろう。
「そうか。ならば次に俺が言う言葉も分かるな?」
「はい!お勧めの蟹の種類でしょう?今の時期ならズワイガニが美味しいですよ!」
すると彼はズワイガニの特徴や美味しい調理法を話始めた。余りに楽しそうに彼を見ると説明を止めるのは申し訳ない気がした。そして数分後…やっと彼の口が止まった。
「分かった、そちらを購入しよう」
「ありがとうございます!」
「世話になったな」
「いえいえ、またいらして下さいね!」
待ってます!そう言ってに礼をした彼を見て俺は踵を返して次の目的地へと向かった。
「雑炊とゼリーならば食べれるだろうか・・・」
俺は食料品店に来ていた。元は酒屋に行って日本酒でも買おうかと思っていたが、病人に日本酒を呑ませるのはいかがなものかと思い立ち急遽、食料品店に進路変更した。
敦と太宰を運んだ際、異常な程の軽さに敦が心配した様な顔をしていた。俺も同じ様な表情をしていたのではないかと思う。 屹度太宰は日頃から余りに食事を取らないのだろう。今回を機に太宰の食生活を見直す事も必要そうだ。
「ありがとうございました〜」
会計を済ませ最後に駄菓子屋に向かう。駄菓子屋は食料品店の近くにあり年老いたお婆さんが運営している。
「いらっしゃい。おや、今日は大きな買い物をしたみたいだねぇ」
お婆さんが俺の持っている荷物を見て言う。
「えぇ、今日は色々ありまして・・・」
「そうかいそうかい」
ラムネや炭酸飲料の入った冷蔵ケースを開けラムネを数本を取る。そして木の棚に置かれている猪口令糖やスナック菓子を数個取る。
「毎度あり、気を付けて帰るんだよ」
その言葉に了解の意を示し、計十品程の入った袋を腕に提げ駄菓子屋を出る。空を見上げれば探偵社を出た時よりも眩しい光が街を照らしていた。近くにある街頭時計を見る。長針は二、短針は十二を指している。
「もう正午を過ぎて居たのか」
腹は空いて居ないかもしれないが太宰に食事を取らせ無ければならない。
「早く帰らなければ・・・」
そう国木田が足を進めようとした時、後ろから声をかけられた。
「あの、すみません武装探偵社の方ですよね?」
その男は何処か見覚えのある容姿をしていた─。
NEXT♡100