※ネームレス夢
 ※クラピカさまの夢小説!多分同棲?
 
 
 
 
 
 *
 
 
 
 
 
 「けほ、っけほ、……うー…」
 ヤバい、と思った頃にはもう遅かった。昨日クラピカと会ったばっかで、また明日、なんて言っちゃったのに。また明日もないじゃないか。
 「あー….さみしい」
 寝返りをする。身体はだるいし咳は出るし、頭と喉は痛いし…クラピカは帰りが遅い日。最悪だ。余ってる仕事もしないとなのについてないなあ。最近はクラピカも仕事とか外出とかで忙しいみたいだし、会える機会も少ないし。
 「とりあえず今日は休んで…明日には…絶対治さないと」
 今日中に治せるよう、薬を飲んでからまた眠りについた。明日はクラピカに会えるかな、なんて隅で思いながら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「ん、……」
 目を開けるとなぜか心地がいい。あれ、わたし風邪治ったのかななんて思いつつ周りを見渡すと
 「…あ」
 クラピカがいた。
 「………え?」
 バッチリ目が合った。あれ?くらぴか…?夢?おかしいな、もう1回寝よう。
 「…!起きたか?」
 心配するように震える声で問いかけた来た声に、がばり、と起き上がって思わず目を開けて反応する。
 「…くらぴか…?!な、なんで…?」
 「すまない、連絡がつかないから心配した」
 いつの間にかあるわたしの額のタオルや髪に触れて、「病人なのだから安静にしておけ…」とお叱りをしつつ体温を確認し喋ってくる。もう、仕事ほったらかして…とはおもうしクラピカに会えて嬉しいけど、移しそうで怖いな。
 「ありがと、……でもうつす、から…早めに帰っていいよ」
 若干曇ったわたしの声で、届いたかな。くらぴかの手が若干冷たくてきもちい。
 「帰るわけが無いだろう、こんな君を置いて」
 「むり、だめ、…うつしちゃう」
 いて欲しいけど、移したくは微塵もない。…弱ってるクラピカも可愛いんだろうけど。でも色んなこと、できない方が辛いから。我儘だけど、ここは聞いてもらおう。
 「…強情だな、こんな時くらい私を頼ってくれ」
 「う、でも、」
 離れようとした手に思わず力の入らない中ぎゅっと引き留めるように掴んでしまう。やだよ、行かないで。心の中に閉まいたいんだ。
 「、こうしたらわかってくれるのか」
 同時に顔が近づいてきて、口付けを落とされる。離れると思って口を開くとまんまと罠にかかったように唾液が混ざり合う。やめてよ、うつしちゃう、のに。気持ちよくて蕩けてしまいそうだった。頬に添えられる手から伝わるクラピカの冷たい体温と混ざっちゃって。
 「…はっ……、…」
 頬に未だあるクラピカの手に自分の手を添えて、呼吸を整えて、驚いたように貴方を見つめて。クラピカがくすりと微笑んだ。
 「…、…かわいいな」
 甘い言葉を囁かれては、目が泳いだ。こんなにもわたしは移したくないというのに、どうして君はこういうことをするのかな。
 「…手、つめたくて…きもちいから」
 ぺた、ぺたとクラピカの首元も触る。手ほどじゃないけど、少しは冷たい。
 「…危なっかしい子だ」
 ”こんな時まで私を誘わないでくれ”と囁かれると図星で。ぞわわ、と身体が反応した。それもぜんぶ、クラピカのせいだよ、なんて言えないけど。
 「…..も、っかい…して、くれないの」
 クラピカがそう言うなら、わたしも言えるよ!目は逸らして、でも手だけは絶対にクラピカから離さないで。
 「…断れないよ」
 さっきよりかは強引に、そしてわたしを食べ尽くすように襲い掛かる口付け。鼓動が早くなる。ただでさえ早いのに、ただてさえ体調を崩しているのに。私はいけない子なんだな、なんて思うけど、クラピカも同罪だからね。
 「は、ぁ…っ……、んぅ、っ」
 額のタオルがずり落ちてくる。クラピカのせいですっかり温くなったタオルは使い物にならなくて、こっちに集中して、と言わんばかりに舌を吸われると、びっくりして変な声が出た。お腹が反応してあつくなる、病人なのに期待してしまっている。ぎゅう、と繋いだ手に力を込めて。
 「ん、っ…ぁ、!」
 「…ん」
 「っは、……う」
 息が持たない、くるしい。握るクラピカの手に力を込めて、伝われ。舌から逃げるようにして、脚を擦り合わせる。
 「ん、っ 」
 「っは、あっ….はっ、…なが…」
 首に手をやって服を握る。あつい、これ以上は蕩けてしまう、蕩かされてしまう。肩で呼吸をしていると、タオルを変えてくれた。
 「体調は、」
 思い出したしたようにはっとして私を見つめる。物欲しそうな目をしているのはクラピカもおなじなんだな、と表情からつたわる。…ねえ、
 「りゆう、は…いいから、……」
 「…、もっ、かい…しよ?」
 視界の中心に捉えられた透き通る目が、少しだけ、赤く染まり…細められた。
 
 
 ああ、わたしたち同罪みたい。
コメント
2件