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(前編)
齋藤家
昨夜は大雨だった。真っすぐな黒の雲に覆われていた。
「アイカ起きてー」
橘「起きてる。」
「橘さんだったんだ 」
橘「なんかかっこいいよね」
「たしかに」
橘「アイツはいつ来るの ?」
「アイツって ? 」
橘「夏月のこと好きなやつ」
「唯? 」
橘「うん、そいつ」
「10時ぐらいに着くって 、 」
橘「ふーんそっか」
「だから、色々荷物準備して」
橘「なんの準備?」
「心構えとか」
橘「なるほどね」
今日は、アイカこと橘さんお家に向かう日
クラスメイトの唯と共に、家に行く。
インターホンが鳴った。
ドアを開けると、見覚えの顔があった。
「早かったね?」
唯「そうかな? ? 」
「うん、早いよ。」
橘「夏月と喋っててうざい」
「アイカ口悪い」
唯「なんて言ってたの?」
「ううん、なんでもない、唯が傷つくこと言っただけ」
唯「そうなんだ」
橘「なんで言わないの?」
「唯が傷つくだけだろ」
橘「ふーん、夏月って優しいんだね」
「まぁ?」
僕達は家を、出てマツモト先生から、貰った住所を元に、アイカの家に向かった。
橘家
「アイカ見覚えある?」
ア「うん、ある」
「よしじゃあ、インターホン押すね。」
ア「うん」
唯「勝手に押していいの?」
「マツモト先生から許可もらってるし、大丈夫」
唯「そっか」
僕は押した。高い音が鳴った。数分後、明るい女性の声が聞こえ、僕は氏名を名乗った。そのまた数分後、ゆっくりとドアが開いた。
楓「いらっしゃい。マツモト先生から話を聞いています。齋藤さんですか? 」
「はい、齋藤夏月です。」
楓「アイカの母です。 」
ア「久しぶりまま」
「久しぶりままとアイカさんは言っています。」
楓「アイカの声が聞こえるんですか!?」
「はい、死者の声と姿が聞こえたり、見えたりします」
楓「中に入って」
「失礼します」
楓「齋藤さん、この方は?」
「僕のクラスメイトです」
唯「中村唯と言います。」
楓「唯さん、どうぞ」
唯「ありがとうございます」
橘家
リビング
「久しぶり〜」
楓「え?」
「アイカさんがそう言ってます。」
楓「そうなの、アイカは今どこに?」
「お母様の目の前にいます。」
楓「そうなの、」
「伝えたいことはありますか?」
楓「ん、特にないわ。」
「そうなんですね、」
楓「アイカの声が聞きたいわ」
「お母さん、ありがとう、アタシの姿と声は聞こえてないけど、夏月のお陰で、お母さんに会えたし、家も見つかった。嬉しい。アタシお母さんの娘でよかった。ありがとう、」
楓「涙がでてくるわ」
「アイカさんも泣いてます」
楓「そうなの、アイカ私もよ」
「それ言って、また泣いてます」
楓「齋藤さんは、アイカの声が聞こえるんですか?」
「はい」
楓「唯さんは?」
「唯は聞こえません。」
楓「そうなの、」
「早速ですが、アイカさんの部屋を見せていただくことはできますか?」
楓「はい、もちろんです」
アイカの母、楓さんに案内されて見たのが、Aikaと書かれた白い部屋だった。
楓「どうぞ」
「失礼します」
つづく