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それは突然の出来事だった。
「ずっと前から好きだったの!私、女だから気持ち悪い思うかもしれない。けど良いの!引いてもらっても構わない!この気持ちを伝えられたから、」
……は?
私が告白されるとは思ってもみなかった。
だってこの高校生活2年間にしてこんな子とは仲良くなった覚えがないし、それに…
って、今はそんな事が問題ではない。
私が色々と考えていると彼女が1人淡々と話を続けていく。
「ねぇ、私本当に貴方が好きなの!」
「い、いつから好きなの?」
「1年生の入学式から!一目惚れしたの!」
「えっと、。」
いきなりそんな事を言われても困るな…。
でも、一目惚れしたなんて言われると誰だって照れるだろう。私も照れる。
でも、彼女とは話した事があまり無い。
どうしようか…。
そもそも彼女と私は1年から2年と同じクラスだった。
彼女はそんなに周りと特別仲が良いという訳でもなく、平凡に暮らしているように見えた。
友達も何人かはいたし、友達と喋っている方が私と喋っているよりも楽しそうにしていた。
私が委員の関係で話しかけた時も真顔で答えてたし…。
そんなことを考えていると彼女が私にこんな事を言ってきた。
「まだ答えはくれなくて大丈夫!貴方が私を好きじゃなくても私が卒業までには好きにしてみせるから!」
と。
「え?」
「へ?」
そもそも私は別に彼女の事は好きでもなんでもない。
そして私はこの高校生活において恋人を作ろうなんて考えていなかったし、そもそも欲しいと思った事はそんなになかった。
中学の時も同級生達がクラスの恋人についての会話で盛り上がっていた事は知っていたがそんな話を聞いても面白くもなんともなかった。
だって恋人なんて出来たら一緒に買い物も行かないといけないしLINEはその人以外の男とはしちゃ駄目だし、色々と面倒くさい。
だからなりたいなんて思った事がない。
それに私は昔恋人関係でいじめを受けた事もある。
こんな嫌な思い出もある恋愛モノなんてごめんだ。
絶対に嫌だ。
しかも女だ。
男でも断ろうと思っていたのに女だ。
どうしてこうも私はついていないのだろう。
心底嫌に思えてくる。
まあ、卒業まで?とか言ってたな。
好きになんてなるわけないのに無駄な事を。
まぁ好きにさせておこう。
「え、うん…。分かった…。」
曖昧な返事だけ残しておくとしよう。
「頑張るから!」