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ー図書委員会ー
都芹「話すことは何もないっすよ。」
出会って早々そう言った都芹は、冷たい笑みを浮かべながら都嶌に「なぁ。」と、共感を求めた。
都嶌「ん〜、僕は少し話したい。いいかな?」
都芹「…わかったよ。」
都嶌の有無を言わせない笑みに、都芹は渋々承諾し、廊下の柱に背中を預けた。
都嶌「…僕は、皆とは違う覚悟をしています。」
目を伏せた都嶌は横目で都芹を見る。
都嶌「どんな手を使ってでも生き延びる覚悟です。都芹を一人にしないために。」
都芹が目を見開いて都嶌を見る。
都嶌「先輩、都芹は2度も家族を失っているんです。一度目は本当のご両親。二度目は土井先生、そして皆さん図書委員会です。」
長次・雷蔵「っ!」
都芹「おいっ!都嶌!」
都嶌「都芹の家族はもう僕だけなんです。だって僕は都芹が家族と認めた図書委員会の唯一の生き残りですから。」
都嶌の鋭い視線に、都芹は何も言えなかった。
都嶌「別に怒ってるわけではないんです。僕は、家族を取り戻したいだけ。その邪魔はしないでください。都芹、行こう。」
都芹「……あぁ。」
去ってく二人を、長次は寂しそうに眺めていた。