テラーノベル
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俺の彼氏はとっても控えめ。
「ん、滉斗」
「ぅわ、ちょ…元貴………」
家で二人きり。二人で映画を見ていた際、終わりが近づくにつれ、なんとなく飽きてしまった俺は、ふと滉斗の肩に寄りかかった。
家には俺と滉斗しかいないのに、滉斗は恥ずかしがって「ちゃんと座って」とか言いながら、顔を赤くさせていた。
「…けち」
「しょうがないじゃん……俺こういうの、慣れてないの」
「慣れてない」が、彼の口癖。絶対嘘だ。だってこんなにもかっこいいのだから、女も男も放っておくはずがない。
滉斗はキスさえもなかなかしてくれない。そういう雰囲気の時も、そっと唇を重ねるだけで、その先には踏み込んでくれない。明らかに一線を引いているようで、正直寂しいな、なんて感じてしまう。
(今日ぐらいは……いいじゃんか)
せっかくの休み。しかも二人きりでこんな時間を過ごせるのは、なんだかんだ言って半年ぶりだったりするのに。
今日はせっかく、滉斗の家に泊まりに来たんだし、絶対に俺は滉斗とそういうことをするんだ。別に、滉斗が本当にそういうことに慣れていなくても、俺は気にしない。まあ、多分嘘なんだろうけどね。 でも、もし滉斗が一線を引いているのは、俺に対してそういう気持ちがないからとかだったら、俺はものすごく落ち込んでしまうだろう。もしかしたら、そう思うだけでも、なんだか気分は下がってしまう。いやいや、最初からそんな気でどうする。俺がオープンな雰囲気を出さなきゃ、滉斗ものってくれないだろう。
試しに、そっと滉斗の太ももに手を添えてみる。すると滉斗は、突然のことに驚いたのか、ピクっと肩をあげた。
「……な、なに」
「なんも?」
そう……、と滉斗は再びテレビへと目線を戻す。もうエンドロールなのに。時計の針は21時を指している。とってもいい時間。
「滉斗」
彼の名前を呼ぶと、滉斗は恐る恐るという感じで、こちらに顔を向ける。赤く染った頬、少しだけ潤んだ瞳と目が合う。泣くほど嫌なの…?
「……キス、して?」
「っ………うん、//」
滉斗はそっと、俺の頬を優しく両手で包み込む。暖かい指先が、ソワッと耳に触れる。くすぐったいな。
「……んっ、//」
滉斗の唇が、そっと優しく、俺のそれへと押し当てられる。熱くて、甘くて、頭の中は既に蕩けそうだった。滉斗はほんの数秒唇を押し当てると、「これで十分でしょ?」とでも言うかのように、そっと唇を離そうとした。俺はそれを逃すまいと、滉斗の頬に手を添え、そっと引き寄せる。
「んっ……、!/……もとっ、き……//」
「ん、……ちゅ………んふ、//」
滉斗の小さく開いた唇に、今だと言わんばかりに舌をねじ込む。すると滉斗も諦めたのか、口を開け、俺の舌を強請るように自身の舌を絡めさせてきた。どんどん深くなっていく口付けに、心拍数はみるみるうちに上がっていく。滉斗に耳を塞がれ、頭の中で甘い水音が響き渡る。
「……んぁ、……っふ、/………ちゅ、……ん//」
いつもとは違う、少しだけ強気なキスに、つい滉斗を求めてしまう。上手く息継ぎが出来なくて、頭はボーッとするのに、手は滉斗の服をキュッと握ってしまう。
唇が離れると、混ざりあった二人の唾液が糸を引く。恥ずかしそうに口を閉じる滉斗と目が合う。今日なら、ほんとにできるかも。
「っ……、滉斗」
つい身を乗り出して、その名前を呼ぶ。こういう時、なんて言えばいいんだろう。そういうことを誘うのって、なんだかんだ俺も初めてかも。今までの相手は、気が付けば流れで事に及んでいたから、誘うのってこんなにも勇気がいるなんて知らなかった。
「………俺、滉斗と……したい//」
遅れて滉斗の目を見ると、滉斗は頬を赤く染め、目を丸くさせて、驚いたような表情をしていた。口をモゴモゴとさせる滉斗を見て、俺は彼の手を握った。
「お願い………、//滉斗のこと、もっと知りたい、から……」
最後の方は、ほとんど聞こえていなかっただろう。それほどに、掠れた小さな声だった。俺はこれだけ、滉斗と交わりたいって思っているけど、滉斗はどうなんだろう。滉斗は俺のことを見つめては、ゴクリと喉仏を震わせた。圧倒的な思いの差に、つい涙が零れそうになる。
「………元貴」
滉斗の至って冷静で落ち着いた声が、頭上から聞こえた。顔を上げてみると、滉斗の大きな手が、ゆっくりと俺の頬に触れる。その暖かさに、つい肩の力が抜ける。滉斗はゆっくりと顔を近づけ、再び、優しく俺のそれに自身の唇を押し当てた。ふにっと当たる熱いそれに、心臓がドクンと音を立てる。
「……俺も、元貴と……したい」
「っ……でも、」
俺の期待していた言葉に被さるように、滉斗は続けた。
「……俺、元貴のこと、ちゃんと大切にしたくて………」
「ほら、元貴も知ってるでしょ?……その…俺が元貴と出会う前、結構遊んでたこと……」
声の震えから、彼がどれだけ俺のことを思ってくれていたかが、よく伝わった。
確かに、滉斗は俺と出会う前、よく遊んでいたらしい。それも関係を持たない子とばかり。付き合ったばかりの頃は、少しその話が気になってしまうこともあったけど、今じゃそんな話、ちっとも気にならない。だって、今滉斗と一緒に時を過ごしているのは俺だから。
「元貴も……不安に思わないかなって」
「自分も遊び相手なんじゃないか、って思われても当然のことだし……」
滉斗は不安そうに、視線を下げる。その瞳と俺の頬に添えられた手が、微かに震えているのに気づく。俺はいてもたってもいられなくなり、彼を抱きしめた。優しく、それでいて強く。
「そんなこと、思うわけないじゃん」
「俺は滉斗しか見てないし、滉斗も俺しか見れないって、約束したじゃない」
滉斗は状況が飲み込めていないのか、目をぱちくりとさせては、俺の顔を見つめた。俺、今どんな顔してんだろ。恥ずかしいから、泣いてなきゃいいけど。
「………それに、俺は初めてだから」
「滉斗にしか、俺の初めてはあげたくない」
「………え!?初めてなの!?///」
「そ、そりゃあ……女の人を抱いたことはあるけど……抱かれるのは初めてだから……」
滉斗の顔がみるみるうちに赤くなっていく。なんだよ、知らなかったんだ。もちろん人を抱いたことはあるけど、抱かれる側は初めてなのだ。だから心配なのはもちろんだけど、だからこそ、滉斗にしか、この「初めて」は捧げたくない。
「………ほんとに、俺なんかでいいの?」
滉斗が震えた声で、そう尋ねてくる。当たり前じゃないか。世界で1人だけの、大好きな人なんだもの。
「うん、滉斗がいい……滉斗じゃなきゃ嫌だね」
そう言って、滉斗の首元に顔を埋めた。滉斗の匂いが、鼻から頭へと広がっていく。落ち着く。安心する。滉斗の胸元に手を置くと、彼の心臓がドクンドクンと動いているのがわかる。その鼓動の速さと大きさに、つい口元が緩んでしまう。
「………滉斗」
彼の名前を呼び、腕を広げる。
「きて」
そう言うと、滉斗は感極まって泣きそうになりながら、勢いよく飛び込んできた。こんなに可愛らしくて、正直な彼を初めて見た。そして滉斗は、俺の存在を確認するかのように、何度も何度も俺を抱きしめては、頬におでこにキスを落とした。
「ん………ここでしちゃうの?」
「え、違うの?」
滉斗の正直な答えに、つい吹き出してしまう。
「せめてベッドがいい」
俺がそういうと、滉斗は軽々と俺をお姫様抱っこした。突然のことに、どんどん顔が熱くなるのを感じる。
「っ……ちょ!や、やだ……恥ずかしい…」
必死に滉斗の胸元を押し返すが、その大きな胸筋はビクともしない。
「いいの、俺がこうしたいから」
滉斗のその言葉に、つい抵抗の言葉が引っ込んでしまう。そんなに嬉しそうに、そんなこと言われたら、誰でも言うこと聞いちゃうじゃないか。滉斗は俺の抵抗が無くなると、スタスタと寝室へと俺を抱えて向かった。
寝室に着くなり、滉斗は優しく俺をベッドの上に降ろした。シーツがボフッと音を立て、俺を受け止める。
いざ、こうやって事に及ぼうとすると、やけに心臓がうるさい。薄暗い部屋には、視界に入るものなんてほとんどなく、滉斗しか見えない。いや、滉斗しか見れない。
滉斗は俺をベッドの上に降ろすなり、ゆっくりと俺との距離を詰めてきた。突然のことに、つい後ずさりしてしまう。
「………緊張する?」
「っ………うん」
だよね、と滉斗は笑って、俺のおでこに軽くキスを落とした。いつもより優しくて、スキンシップが多い彼に、鼓動は高まるばかりだった。まだ、今からすることの初めにも及んでいないのに。
滉斗がそっと、俺の腰を撫でるように触れる。咄嗟に体がビクッと微かに震える。
「元貴」
と、突然名前を呼ばれ、彼の方を見てみると、滉斗は優しくて、どこか色っぽい、俺の見た事のない目をしていた。そんな滉斗に、ゴクリと息を飲んだ。本当に、今から滉斗とするんだ。今更ながらにも、その事実を実感した。
滉斗は俺と目が合うなり、そっと顔を近づけてきた。俺は咄嗟に「キスされる」と思い、目を瞑るも、滉斗の唇を感じたのは首筋だった。首筋に軽くキスをされると、今度は鎖骨に、手首に、手の甲に。徐々にその口付けは、情熱的な部分へと降りていった。そのとき、滉斗がふと、俺の腰を掴む手を、少しだけ服の中に忍ばせた。
「……服の中、いい?」
「うん……//」
俺が頷くと、滉斗の手はするりと服の中に入ってきた。脇腹を優しくさするようにしたあと、すぐにお腹を優しく撫でるように触れてきた。くすぐったさに、つい息が漏れる。滉斗は俺の着ているロンTを、胸の下あたりまで捲りあげると、お腹を重点的にキスを落とした。
「ん……」
小さく声が漏れる。滉斗は特に気にすることなく、脇腹、腹、胸元へとキスを続ける。
「元貴。これ、持ってて」
そう言って滉斗は、俺の着ているロンTの裾を俺に持たせた。邪魔だったのは分かるけど、俺がこうやって持つと、まるで俺が自分から捲り上げてるみたいで、なんだか恥ずかしいし落ち着かない。
「そう……いい子」
滉斗はそう言って、俺の頭を軽く無でると、今日何回目か分からないおでこにキスをした。その優しい対応に、つい口元が緩んでしまう。
キスの位置が、徐々に際どい所へと移っていく。胸元に触れられたかと思えば、滉斗のゴツゴツとした指が、俺の突起に触れる。その感覚に、ついピクっと反応してしまう。そんなことお構い無しに、滉斗は俺のそれを親指で捏ねるように触っては、キュッと摘んできたりする。
「……っあ…」
吐く息が熱い。こんなとこ、触られたこともないのだから、感じたりなんてしないはずなのに。滉斗の指先が、突起を弾くように動く。すると、小さな電流のような快感が、体を駆け抜ける。
「ふっ……ぅあ………んっ…」
与えられる感じたことの無い快感に、ただひたすら身を捩らせる。身体が熱い。変な感じ。ふと、視界に入った滉斗を見てみると、滉斗も興奮しているのか、頬がほんのり赤かった。よかった。俺で、ちゃんと興奮してくれてるみたい。そう思ったのもつかの間。滉斗が突然、顔を近づけてきたかと思えば、俺の突起を口に含んだのだ。
「ぅあっ!!」
既に敏感になったそれが、滉斗の口に含まれた。滉斗の熱い舌が、ねっとりとそれを舐め上げる。かと思えば、今度は歯で甘噛みされ、吸われる。激しい快感の波に、つい視界が涙でぼやける。
「やっ、!………ぁうう゛………んふ、…//」
舐められていない片方の突起も、ご丁寧に空いている手でいじられる。頭がおかしくなりそうだった。こんなにも簡単に、胸で感じてしまうだなんて。
ただ、おかしいのは、これだけ胸で感じているのに、絶頂を迎えることができない事だ。決して、与えられる快感が弱い訳じゃない。むしろお腹いっぱいなほどだ。なのに何故だろう。絶頂までは及ばないそれに、体の内側から熱くなるのを感じた。
「…あう、………っふ……んぅ、〜//」
滉斗の指は、止まることを知らないのか、永遠に胸から離れない。滉斗は胸が好きなのかと疑ってしまうほどに。果てることができないのも、きっと滉斗のコントロールのせいなのであろう。こんなにも気持ちいいのに、絶対にイけない。そんなのおかしすぎるもの。
ようやく滉斗の手が胸から離れた頃には、俺は肩で息をしていた。頭がボーッとして、何も考えられない。体が熱い。胸がジンジンと、まだ快感の波が小さく残っている。
「はは、……もう限界近い?」
滉斗の優しい眼差しが、俺の顔を覗くようにする。
「だ、大丈夫………///」
そう口にはしたものの、きっと説得力は皆無だっただろう。滉斗は俺のその言葉を聞くなり、愛おしいものを見つめるかのような目で、「よかった」と笑った。
「……これ、暑そうだから脱いじゃおっか」
そう言って滉斗は、俺のロンTを手際よく脱がせた。そういえば、滉斗に体を見せたこともないし、彼の体も見たことがないかも。遅れて、顔が熱くなるのを感じる。今更って感じの話なのに。
「そしたらこっちも……いい?」
滉斗が俺のズボンと下着に指をかける。うわ、これ脱がされちゃったら、俺全裸じゃん。もうそんなこと言ってられないのは分かってる。でもやっぱり、いざそうなると恥ずかしいものは恥ずかしい。俺は恥ずかしさで顔を背けながら、小さく頷いた。ゆっくりと、ズボンが脱がされていく。完全に1枚布が脱がされると、それに続けて下着にも指をかけられる。そのまま、ゆっくりと下着を脱がされると、当然のことだが、下が露になる。俺の下が露になると、滉斗はそれをジッと見つめた。そんなに見つめるのなら、せめて何か言ってくれよ。恥ずかしさで、つい体を背ける。すると滉斗は、それを阻止するように、俺の足を軽く開かせた。
「……元貴、綺麗…」
正直な彼の感想に、心臓が飛び出るんじゃないかと思うほどに、鼓動が早くなる。恥ずかしすぎる。めちゃくちゃに見つめられたあとに、「綺麗」だなんて言われるって、漫画でしかない展開じゃん、と心の中で突っ込む。
チラッと滉斗の方を見ると、滉斗の顔は赤くなっていて、目はジッと俺の体を見ていた。なんて自分の心に正直なやつなんだ。そんなに見られるなんて、されたこともないし聞いたこともない。
「っ……い、いいから!続き……//」
「あ、うん!///」
滉斗は小さく深呼吸をすると、俺の肩上あたりに手をつき、こちらとの距離を縮めた。突然の真剣なムードに、ゴクリと唾を飲み込んだ。滉斗がゆっくりと、唇を重ねる。最初とは違い、直ぐに滉斗の熱い舌が、口内に入ってくる。
「っ……ん、//……んちゅ……ぅあっ……//」
「ん………ふ、……ちゅ……」
熱い口付けを交わしながら、滉斗の手は俺の腰を優しく撫でた。最初は骨盤辺りを撫でていた手は、いつの間にか性器の近くへと運ばれる。
唇が離れるのも共に、滉斗の手が、そっと俺の陰部に触れられた。
「……っん、//」
滉斗の細い指が、俺のそれに絡みつく。触れられただけだというのに、俺のそれは既に先走りで濡れていた。
滉斗の手が、徐々に上下に動き始める。ぐちゅ、と卑猥な音とともに淡い快感が体を駆け巡る。
「ふっ………ぁぁ、……んう……っ、///」
「元貴、……気持ちいい?/」
彼の問いかけに、必死に頷く。ゆっくりなテンポの動きに、物足りなさからつい腰が浮いてしまう。だけど滉斗の手は、決して早くなることはなく、むしろゆるゆると掴んでいるか掴んでいないかのような力のまま、俺のそれを上下していた。
「ぅう……ひろ、と………もう、//」
「っ……こっち、ってこと?///」
そういうと、滉斗はそっと確認するかのように、指先で後ろに触れた。ほんとは全部分かっているくせに。なんでこれも俺に言わせるのか。恥ずかしさで顔を両手で覆いながら、小さく頷いた。
すると滉斗は、ゴクリと息を飲んでから、ベッドサイドの引き出しから潤滑剤を取り出す。蓋を開け、そっと自身の手に出すと、少し温めてから、再び俺の後ろにぴとっと触れた。
「痛かったらすぐ言って、?/」
それを合図に、滉斗の指がゆっくりと入ってくる。なんとも言えない異物感に、つい力が入ってしまう。それに気づいたのか、滉斗はすぐに手を止め、反対側の手で俺の手を握った。なにそれ、そんなこともすんの?どこまでいい男なのか。
再びゆっくりと奥へと滉斗の指が突き進んでくる。正直、最初は気持ち悪さが勝っていた。でもそんな感覚はいつの間にかうっすらと消えていき、ふわふわとした不思議な感覚に変わっていく。
「っ……あ、……んん゛っ……は、//」
「……分かる?奥、俺が指でちょっと押してるの//」
ぐにゅ、とした感覚が、腹の奥で感じる。未知の感覚。変な感じ。なのに、なんでか怖くは無い。握られた滉斗の手が、少しだけ強くなっていることに気づく。
「んっ、…もっ、と……して、?//」
その言葉に、滉斗の顔がぶわっと赤くなる。とっくにこんなこと、経験しているくせに。どこまで「初めて」みたいな反応をするのか。果たして、それはふりなのか。でも、彼の反応は全て正直な気がして、不安とか全部そういうのは煙になっていく。
滉斗の指が、ズルズルと引き抜かれていく。ギリギリのところで止まって、再び少し押し上げるようにして、奥へと戻ってくる。その通過点に俺のいいとこがあるのか、ビクンッと体が反応してしまう。
「あ、!……それ、すきっ……ふ、んっ//」
気がつくと滉斗の指の本数は増えていき、圧迫感を感じるようになる。だけどそれは次第に和らいでいき、ただただ甘い快感へと変わっていく。全部がスローテンポ。それも物足りなく感じてしまうほどに。でも滉斗が手加減してくれてるのかと思うと、なんだか優しさに包まれている気がして嬉しくなった。
滉斗の指が、ちゅぽ、と音を立てて引き抜かれる。ぼやける視界の中、滉斗の方を見上げると、滉斗が愛おしそうにこちらを見つめていた。そんな顔、見たことない。
「……元貴」
優しく、それでいて強く、抱きしめられる。滉斗の鼓動が、少し早いことに気づく。ちゃんと俺でドキドキしてくれてる。そんなことを思いながら、滉斗の背に腕を回す。
「俺、絶対元貴に無理させない。全部、元貴が気持ちくなることだけするから……」
「……元貴と、繋がりたい」
彼の震えた声に、嬉しさと安心でつい涙が零れそうになる。俺は滉斗を抱きしめたまま、そっと彼の首元に顔を埋めた。
「うん、俺も……滉斗と繋がりたい」
そう囁くと、滉斗は嬉しそうな泣きそうな顔で、再び俺の首元に顔を埋めた。そして大きく深呼吸をした後に、一度俺から離れて、俺の空いた手に自身の手を絡めた。そしてもう一度、ニコッと無邪気な顔で笑った。
滉斗がゆっくりとズボンを脱ぐ。そのまま、下着を脱ぐと、滉斗の存在を主張したそれが露になる。滉斗は潤滑剤の入っていた引き出しからコンドームを1枚取り出すと、歯で破り、自身のそれに丁寧に装着させた。そして、ゆっくりと俺の後ろに当てた。
「………怖い?」
「んーん、……滉斗だから、」
そっか、と滉斗は嬉しそうに再び俺の手を握った。優しい、恋人繋ぎ。絶対に離さない、という強い意志が滲み出るぐらいに、固く強く、優しく握られた。
滉斗のモノがゆっくりと、俺の中へと入っていく。
「………っあ、!!//」
指とは比べ物にならないぐらいの、質量を含んだそれに、体が弓なりに反ってしまう。パチパチと、小さな快感が集まって、ひとつの大きな快感となる。これ、やばいかも。
ゆっくりと、優しくそれが俺の中を充分な程に満たしていく。熱くて脈打つそれは、俺の中に入ると、更に大きく硬さを纏った。
「ぁ、……んぐ、ぅ………ふ、あ//」
滉斗の動きが止まる。彼が深く息を吐いた。
「……ぜんぶ、…はいった、?//」
「っ……まだ、あと半分……//」
彼のその言葉に、ついギョッと目を見開いてしまう。まだ、これ以上あるのか?もう充分な程に圧迫されているのに、これ以上……。考えただけでも心臓がうるさくなる。
再び滉斗の腰が、ゆっくりと動き始める。押し広げるように入ってくるそれに、声を抑えようとするけど、その制限が効かない。
「っ………全部、入ったよ……//」
「ぁ、あっ………ん、はあ……///」
ものすごい圧迫感と、押しつぶされそうな程の幸福感に、胸がいっぱいになる。握られた手には、さらに力がこもる。
「っ……ちょっと、このままでいよっか、///」
滉斗は俺の手を握ったまま、小さく早くなった呼吸を整える。滉斗も、限界が近いのかな。火照った頬と赤くなった肩が、彼の心情を物語っていた。
少しの間、お互いに呼吸を整えていると、滉斗がグッと体勢を変えた。それは、「動くよ」という合図なのだろう。その合図に、ゴクリと息を飲んだ。
「………動くよ/」
「っ、うん、///」
握られた手に力が込められるのと共に、滉斗の腰がゆっくりと動かされる。ズルっと、とんでもない質量を含んだそれが引き抜かれると、また再びグッと奥へと戻ってくる。その繰り返しが、既に灰となっているはずの理性も、全てを吹き飛ばしていく。
「ぁ、っあ、!……ん、ふっ……ぅあ、//」
「や、あ……ん゛、……は、あ……んくっ、///」
スローテンポなのが、より一層快感を引き出しているのか、頭がふわふわとした感覚でいっぱいになる。お腹の奥が熱くて、押し広げられるような感覚が気持ちいい。こんなに快感を拾い上げたことは初めてだった。
「はあ、……もとき、……可愛い、///」
滉斗の熱を帯びた声が、どこか遠くに聞こえた。涙でぼやける視界の中、滉斗を見つめる。だめだ、どんな表情してるのかなんて分からない。ただ、彼が今ここにいることしか分からない。それはきっと、視界だけじゃなくて、体でも感じているからだろう。
「んあ゛、は…ひろ、と、//っひ、ろ……ん、/」
必死に彼の名前を呼んだ。その名を、声にするだけで、彼への思いが溢れ出そうになる。もっと彼を感じたい、もっと彼に愛を伝えたい。もっと、もっと。彼に。
「すき、……ぁんっ、!……す、きだよ、…///」
「ひろ、と…っあ゛……んくっ、ぅあ、//」
「っ……もとき、……は、……すき、//」
「俺も、……すき、だよ……愛してる、/」
滉斗のその返しが嬉しくて、俺は一度繋いでいた手を離し、腕を広げる。もう「きて」なんて言わなくても、彼には伝わっている。彼は俺の言葉では無い合図に気づくと、すぐに俺に飛び込んでくる。これだけはずっと変わらない。
滉斗の腰の動きは、徐々に早くなっていき、ベッドがギシッと悲鳴をあげる。俺の中が今、滉斗で満たされている。誰にも満たされない、満たせないそれを、滉斗が満たしてくれる。その事実が何よりも嬉しくて、俺は必死に彼に抱きついた。
「ん゛あっ、!すき…ひろ、と…ぁああっ、!」
「ぁ、も、お……きちゃ、ああ、!/// 」
「もとき、……っ、もっ、……いきそっ、//」
滉斗のモノの脈打ちが早くなる。腰も一段と早くなり、より深くまで刺さってくる。ぐちゅ、ずぷ、という音が連続する。
「ぁああ、!だ、め……っきちゃあ、!//」
「ひろ、と、!いっしょ、に……ぅあ゛、//」
「っはあ……、!もとき……もとき、!//」
「っ………いく、!///」
「ぁあああ゛っ、!!っは、んう゛、!!//」
ゴム越しに、滉斗が熱を吐き出したのが分かる。それと同時に、俺も絶頂を迎えたようで、ビクンッと体が大きく痙攣する。奥を貫いたまま、ドクンドクンと熱を感じる。早まった呼吸を整える。ゆっくりと大きく、深く息を吸う。それに、彼の呼吸が重なる。湿り気を感じる部屋に、2人の荒い呼吸だけが残る。
滉斗はこちらに体を預けるように、俺に抱きついたまま、早くなった呼吸を落ち着かせていた。少しだけ伸びた髪が、汗で濡れて、額に張り付いている。そっとそれを払い除けてやると、彼の火照った瞳と目が合う。すぐには逸らさず、しばらくの間、彼のそのビー玉のような綺麗な瞳を見つめてしまった。すると滉斗は、そんな俺を見かねたのか、食いつくように俺の唇を奪った。ちゃんと息ができるようにか、ただ自身の唇を押し付けるだけ、みたいな優しいキスだった。
「はあ、………ひろ、と……っ、滉斗……//」
「元貴………気持ちかった、?//」
滉斗の問いかけに、恥ずかしながらもコクリと頷く。すると滉斗は嬉しそうに、
「俺も、すっごく気持ちかった……」
と俺を抱きしめた。その熱い体温がやけに心地よくて、離れたくなかった。俺が力なく彼の背中に手を回すと、彼は察したのか、しばらくの間そのままでいてくれた。
「……はい」
「…ぁ、ありがと………」
差し出されたペットボトルを受け取り、一口だけ水を飲む。乾いた喉に、冷たい水が流れてきて、さっぱりする。
少しだけシワになっているシーツに、滉斗が腰を下ろす。綺麗なフェイスラインに、ふわっと髪の毛が影を作る。なんて美しい人なんだろう。俺はさっきこの人に抱かれた、のか……。その事実に、遅れて顔が熱くなる。
「ねえ、元貴」
ふと、滉斗の落ち着いた優しい声が、俺の名前を呼んだ。
「今日のこと、ずっと覚えててもいい?」
彼の問いかけに、首を傾げる。
「俺、今まで色んな人を抱いてきたでしょ?でも、やっぱり好きな人じゃなきゃ埋められないものがあるんだ。……きっと、俺はそれを埋めたくて、夜の遊びに逃げてたんだろうね」
「過去は変わんないし、俺もそれを引きずってこれからも生きていくから。だから……」
彼の透き通った瞳が、こちらを見つめる。その真剣な瞳に嘘はなかった。
「ちゃんと、これからも元貴を幸せにしたい」
彼のその言葉に続くように、ふわっと夜風が吹いた。窓に差し込む月明かりが、ぼんやりと彼を照らす。ほんとに、罪な人だなぁ。俺は迷わず、彼を抱きしめる。ただただ、存在を確認するみたいに、強く抱きしめた。
「うん、たくさん幸せにしてね」
そう呟くと、彼は「もちろん」と嬉しそうな優しい声色で、俺を抱きしめた。
本当を言えば、もう充分な程に幸せだ。もう俺は満たされているのだ。それはきっと、彼も同じで、俺たちはきっと、お互いが居ればもう満たされてるんだ。
人っていうのは、その幸せを当たり前と感じてしまって、いつしか更にその上を求めてしまう時がある。俺もきっとそうで、彼もきっとそう。だからこそ、こうやって抱きしめられたり、触れられる距離にいると、「今、幸せだな」って改めて感じられる。その上で、「君を幸せにしたい」だなんて言われたら、もうどうにかなってしまいそうだ。もう、こんなにも幸せなのに。
「大好き」
俺が言ったはずなのに、きっと彼の声も混ざっていた。ふたり顔を合わせて、吹き出してしまう。ああ、幸せだな。そう、しみじみと思った、そんな夜。
久しぶりの短編作品です😽
今回初めて10,000文字以上のお話を書きました…書いてて止まらなくなっちゃったので、「もう1話にまとめちゃえ!!」ってなったのがきっかけでした笑(書くのに2日間かかりました笑)
こういう可愛いカップルって最高じゃないですか???🥲💘もう本当に尊いんですけど……😩こんなかわいい2人もいいですよね♪♪
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!!感想等、ぜひコメントで教えてくださいね🫶🏻💗
では、また「聞いて」でお会いしましょう^^
コメント
7件
書くのうますぎるし表現の仕方好みすぎます ‼️ 結構最高すぎました😇😇😇😇😇😇😇😇

またまたちゃんと2人の気持ちやベッドに行くまでの描写ありで楽しめました✨ また両片思いから実ってのベッドインが見たいです🤭
「今日のこと、ずっと覚えてていい?」っていう💙の発言、大好きです…🫶🏻︎💕︎︎