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rm side
「うぅ…さむっ」
冬の風にあてられ、思わず身震いをする
「やっぱり、今日からの大寒波を舐めちゃいけないね、普通に寒い」
隣にいるfuもマフラーに顔を埋める
「誰だよ、こんなときに『初詣行こ』って言った奴…」
「誰でしょうね」
「お前だよ」
俺は、fuに誘われて初詣に来ていた
寒いし、面倒くさかったけど、罰が当たるのも嫌だったから渋々来ていた
fuとしばらく歩いていると、人が増えはじめてきた
今日は元旦だから、神社が混むのは不思議なことではない
ないが故に、人混みになれていない俺は歩きづらさを感じていた
その点、fuは慣れているのか、人混みを縫うようにスムーズに通っていた
(っやば、流石に増えすぎでしょ…)
歩く人々は、神社に近付くにつれてさらに増えていった
(こんなとこではぐれたら、本当にシャレになんないってぇ…)
何とか人混みに食らいつこうとするも、すぐに流されてしまう
そのことに本気で困っていると
「…離すなよ」
fuが振り返って、俺の手首を掴んできた
そうすると、さっきとは打って変わってスムーズに進めるようになった
(「離すなよ」とか言って、全然離す気ないじゃん…)
手首を掴まれているから、余程の事がない限り離れられないようになっている
掴まれた手首から、fuが強く握っていることが分かる
手首からは、fuの手の熱を感じる
そのことを自覚すると、途端に身体が一気に熱くなった
何故かは分からない
ただ、俺が分かるのは
俺のことを引っ張っていってくれるfuの背中が、頼もしくもあり…
悔しいけど、“かっこいい”と思ってしまったこと
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