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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

40 - スーツが似合う年上の彼に、ときめいて惑わされて -20-

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2024年08月07日

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──ベッドの縁に腰掛けて、眠っている彼のことをじっと見つめていた。


そんな無防備な姿、目の毒なんだけどな……。


溜め込んで吐き出せない想いの代わりに、ハァ…とため息が漏れる。


「……いい男すぎなんですってば……」


行き場のない気持ちがつい口からこぼれた、その一瞬の虚をついて、


「……うん?」


パッと蓮水さんが目を見開いた。


「……あ、起きられたんですか?」


顔を覗き込んで尋ねると、


「……うん?」と、その人はまた寝ぼけまなこでくり返した。


ああ、まだ完全には目が覚めていないんだ……。


それじゃあ、もう少し寝かせておいてあげようかなと、ブランケットを掛け直そうとすると、


「……三ッ塚さん、」


と、唐突に呼びかけられた──。


「…は、はい。何でしょうか?」


お水でも持って来てほしいってことかなと、ベッドから立ち上がろうとすると、ふいに手首が捕まれくっと引かれた。


「え、手を……」


驚いて振り向いた私に、彼の口からさらに驚愕の言葉が飛び出した──。


「……服を、脱がせてくれないか?」


「服、って? ええっ?」


「……脱がせてほしい」


「ぬ、ぬぬっ……!」


声にならない声を発して、口をぽかんとあける。


たった今言われたばかりの言葉が、頭に咄嗟には入ってこなかった。


「……熱いんだ。……服を、脱がせてくれないか」


(あっ、ああ、酔って身体が火照っているから、だからそうしてってことだよね……)


心の中で自分に言い聞かせるように唱えて、鳴り止まない胸のドキドキをなんとか収えようとする。


「えっと、あの…ど、どこまで脱がしたら……」


動揺のあまり、なんでそんなことを聞いてるんだろうということを、焦って口走ってしまう。


「……早く、してほしい」


「あっ、は…はい!」


ぎこちなく彼のスーツに手をかけて、脱がそうとすると、


「……ダメだ、そんなんじゃ……」


耳元で言われて、ふぅーっと吐息が吹きかかり、


「なな、何がダメなんですか!?」


動揺は一気にピークに達した──。



ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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