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<凌太>
「何を言ってるんですか、ウチの娘がストーカー?警察を呼びますよ」
「警察に関してはわたしも同意します」
そう伝えてから瞳が録音していたボイスレコーダーの音声を再生した。
「わたしはずっとずっと、あんたなんかよりずっと甲斐くんを愛してるの。高校のときからずっと。甲斐くんはみんなのものなのに、あんたが独り占めするから甲斐くんはもうみんなのものじゃない。やっと、わたしも甲斐くんをシェアできたのにあんたのせいで」
「シェア?」
「そうよアンタのせいで。大学の時もアンタが現れてシェアできなくなって、やっとチャンスが来たのにまたアンタのせいで。だからわかったの」
「あんたが居なくなればいいって」
「これは、今日の夕方というか6時過ぎの事です。松本ふみ子さんはこの女性に録音されている言葉のあとアイスピックをバックから取り出したそうです。目撃者もいます。あの辺りであれば監視カメラにも映っているでしょう」
「ふみ子が・・・そんな」
母親が顔面蒼白になっていく。
「この場所を知ったのは、松本ふみ子さんがわたしに隠れて相互の位置確認をするGPSアプリをダウンロードしていて、わたしは最近その存在に気づきましたが、松本ふみ子さんはずっとわたしの行動を監視していたようです。そして、松本ふみ子さんのスマホはこの家にあるとマークが示していたためここに来ました」
「確かにふみ子はここに来てすぐに出て行きました」
「どこかに松本ふみ子さんのスマホがあると思うのですが」
そう言うと母親は二階に上がって行ったタイミングで瞳からビデオ通話の呼び出しがきた。
通話ボタンを押そうとした時、母親が階段を降り玄関からは中年の男性が入ってきた。
「あなたは誰ですか」
「ふみ子のスマホが」
二人の声が重なった時、ビデオ通話のアイコンをタップすると
ピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーン
インターフォンがけたたましく鳴り響いていた。