松下章太郎──。俺の、初めての恋人。
地元の銀行員として働いていた時、新卒として入ってきた3つ年下の「可愛い後輩」。
章太郎は人懐こくて、誰からも好かれるタイプの明るい奴だった。女子社員のほとんどは章太郎に憧れていたし、上司からは期待され、同僚からはいつも何かに誘われていた。
そんな人気者の章太郎が、どうして俺なんかを気に入ったのかは分からない。
俺はといえば「毎日同じことを繰り返していれば生活は安泰」というスタンスで暮らしていたし、昇進に対する情熱なんて全く持っていなかった。
とっくに恋愛は諦めていたものの、たまに飲みに行く同僚がいればそれで満足だった。
それなのに。
「…俺も同じなんです。女の子に興味なくて。どっちかって言えば、裕孝先輩みたいな人がタイプなんですよね」
あの夜──章太郎は困ったように笑いなが***********************
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