テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
坂口灰
まき
#四季凪受け
カツカツと近ずく足音
そして俺の檻の前まで来る
高そうな皮の靴
「23番様、ご入金は本日中に限りますが大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ」
え‥‥?
この声
聴き覚えがあるような‥‥
俺はまだ見ぬ顔を見た
俺を見下ろすその瞳は俺に向けてウインクした
「このケース三つ全部確認して下さい。その間俺たちは違う部屋に居ても良いですか?」
「えぇ、結構ですよ。急いで確認致しますのでお待ちください」
俺は無言で檻から出ると彼のそばに立つ
彼は俺に羽織っていたコートをかけてくれると肩を抱いた
いつのまにか震えていた俺に気付くと彼はもう一度男に話をつけに行く
「すまないが車で待たせてもらっても良いかな?この後少々用事がありまして」
「ええ、それでも構いません。うちから一人付けさせていただきますが」
「構いませんよ」
確認を取ると俺を連れて歩き出す
俺はまだ何も言わずに彼について行く
車に乗ると、向かいの通りに止まっている車に合図を出す
するとその車は静かに走り去った
「‥‥渡会さん、なんで‥‥」
「こや、大丈夫だった?ごめんね来るの遅くなって」
「いえ、でも俺一人でここから逃げられない‥‥まだ一人いるんです!」
「しっ!まだ外に見張りいるから」
「あ‥‥でも」
「大丈夫だよ。もう助け出したから」
「え⁈」
「さっきのあの車に乗ってもう出たから」
「‥‥いつの間に?」
「こやがオークションかけられてる間にね」
またいつものように笑顔で俺にウインクした
いつもの服装とは違う
どこかの御子息かと思う程に高級なスーツがよく似合っている
と言うか‥‥格好良く見え過ぎてドキドキしてくる
車の外でこちらに男が会釈をする
窓を開けると金の確認が終わったので帰っても良いとの事だった
「確認も終わったし家に帰ろうか。車を出して」
「はい、かしこまりました」
運転手が返事をすると会場からついて来た男が深々と頭を下げる
そしてゆっくりと車が走り出した
「渡会さん‥‥帰るって」
「帰ろう?俺達の家に」
「えっ?ここに家があるんですか?」
「俺たちが帰るのはにじサントスしかないでしょ?」
「いや、そうなんですけど‥‥でもこの車とか運転手とか‥‥一体‥‥」
渡会さんがネクタイを人差し指で緩めながら笑い出した
「あれ?俺こやに言ってなかったっけ?てっきりこやには伝えてる気分だったのに」
「なんの事ですか?」
「俺んちって怪盗一家なんだよね」
「怪盗‥‥一家ですか?」
そんな事俺‥‥
一言も聞いてなかったけれど?
.
コメント
2件
ひばぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!大切な物を取り返す怪盗かっこいい✨