あれから何日か経ち、俺の産んだ卵はすっかり孵っていた。
疲れ果てた俺の周りにうじゃうじゃと這う触手を見る毎日。
日帝「……………」
俺を犯した彼奴は脳内にすら話しかけてこなくなった。
どうにもできないと悟った俺は、部屋の角でうずくまる。
俺を好きなだけ虐めて…それに食料も着る服も与えずそのまま放置だと…?
悔しさで頭が痛くなり、床に顔を伏せた。
今頃…外の世界はどうなっているのだろうか。
日本…にゃぽん…アメリカ……先輩…イタ王……
きっと心配してる……
一刻も早く会いたい。見知らぬ人に犯され、そして今孤独になっている俺を慰めて欲しい。
俺の自尊心が崩れようが、その願いは食い下がらなかった。
溜まっていた涙が思わず溢れ出てくる。
この状況下で寂しさだけが残り、俺を深い悲しみで苦しめた。
俺の目から大粒の涙が零れ、床に滴った。
一方 外の世界では
にゃ「…やっぱり父さんが1週間以上も見せないなんておかしいですよ!!」
警察署で訴えるこの女は、日帝の娘であるにゃぽんだった。父親の行方不明届を出しに来たらしい。
にゃ「お願いします…父さんを探してください…!」
警察「分かりました。けれど別事件のパトロールや事情聴取等があるので調査のほうは遅れるかと………」
にゃ「人探しを後回しにするって言うんですか…?」
警察「いや、そういうわけでは……」
警察の理解し難い応え方に、にゃぽんは少し怒りがこみ上げていた。
にゃ「なぜ今、人の命が危ないっていうのに動かないんですか?…1週間も姿を見せていないんですよ…!?」
警察「ちょ……落ち着きなさい!」
丁度そこにたまたまアメリカが通りかかった。
アメ「お、おいおい!何してんだ!」
にゃ「あ……アメリカさん…」
警察「調査はちゃんとするので無理に押し掛からないでください!」
にゃぽんは納得のいかない表情を残し、その場を去った。
アメ「にゃぽん、こっちに」
アメリカに手招きされ、にゃぽんはそちらへと向かった。
アメ「何があったんだ。全部話してくれ」
にゃ「実は……」
にゃぽんの話を全て聞き、アメリカは目を大きく見開いて驚く。
アメ「そんな…日帝chanが…!?」
にゃぽんは涙を堪えながら必死に頷いた。
途端、アメリカの表情が曇り、目は狐のように細く開かれた。
アメ「…………なあ、にゃぽん。」
にゃ「ん……?」
アメ「これは…あくまで俺の考えだが……」
日帝は…誰かに拐われたんじゃねえのか
数時間前
何もできないと寝るばかりだな…
ふと壁の方を見ると、切り目のようなものが入っていた。それに、小さな突起もついている。
日帝「あれは……扉か…?」
ふらつく身体を起こして、恐る恐る近づく。
何故気づかなかったのだろう。逃れるチャンスは目の前にあるではないか。
案の定、それは扉でギギギ…と音を立てて開いた。
一歩踏み出したその時。
目の前には俺を犯したあいつが佇んでいた。
にゃ「アメリカさん…拐われたってどういう…」
アメ「そのまんまの意味だ。何者かに連れ去られたのではないかと俺は思うのだが……」
にゃぽんは拳を堅く握りしめる。よほど悔しいのだろう。アメリカもそう考えると怒りが全身を震わせた。
アメ「にゃぽん、最後に父親を見たのはいつだ?」
にゃ「……たしか1週間前だった気が…」
アメ「だいぶ経ってるな…………待てよ?」
にゃ「?…どうかしたの、?」
アメ「疑っているわけではないが、俺が知ってる中では”日本”も1週間姿を現していない。しかもお前の父親が消えた同時期だ。」
にゃ「もしかして………兄さん…も」
アメ「…あいつらは親子だ。一緒に拐われている可能性は低くない」
にゃ「そんな…兄さんも拐われていた…なんて」
にゃぽんは手を口に抑え、堪えていた涙をついに溢れさせた。苦しかっただろう。親も兄も何者かに連れ去られたというのだから。
アメリカはしゃがみ込んでしまったにゃぽんを慰めた。
アメ「にゃぽん………辛いだろうが今は…あいつらを救うことが先だ。」
扉を開けると、あいつが佇んでいた。
日帝「ぁ……………」
??「日帝サン…貴方今、逃げようとしてましたよね?」
もの凄く圧のかかった目を一直線に向けられる。
いつものあいつとは違う雰囲気と声に、俺は思わず怯んだ。
??「無理ですよ、私から逃れようなど。」
日帝「も………もう十分用は済んだだろ…なのに何故帰らせてくれないんだ」
恐怖に震える声を抑えながらも恐る恐る聞いた。
??「………日帝サンったら、ほーんとに察しが悪いんですね……」
……どこかで…いつしか聞いたことのある台詞。
無理に俺をさん付けで呼んでいる気がする。
??「日帝…サン。私の正体に気づいてはいないようなので……」
「そろそろお教えしましょうか。」
そいつは、自身の顔面の皮膚を剥ぎ取った。
それと同時に黒い機器がゴトンッと音を立てて床に転がる。
??「日帝サン……………これが…私の正体です」
彼奴の声を聞いた瞬間、
俺の背筋が一気に凍った。
(こいつは……こいつの正体は……)
彼奴は、俯かせていた顔をゆっくりとあげた。
こいつは…………
若い男女が路地裏をすごい速さで駆け抜ける。
アメ「にゃぽん!!次はどっちだ!」
にゃ「右の道から匂いがする!」
アメリカは、にゃぽんの猫の嗅覚を借りて、日本と日帝の通った道を嗅ぎ分けていた。
アメ「クソ……何処だッ!!」
誰も通らないような廃墟ばかり並ぶ住居一帯を走り続けた。
家と家の間から差し込む月光が、唯一の救いだ。
体力の限界が近づいていたその時。
にゃ「!……匂いが濃いわ」
アメ「近いか?」
にゃ「ええ、多分。」
にゃぽんによると、この窓のないボックスのような家ばかりの場所で匂いが濃くなったらしい。
アメ「この辺りに…二人が居るってことか」
にゃ「……手分けして探そう」
呟いたかのような静かな声でアメリカに言った。
そいつ………日本、はニヤリと笑むと話し始めた。
日本「父さん……父さん…!!やっと言えた…」
「この1週間正体をバラさないために必死に抑えてきた…でももう父さんを父さんって呼べる…!」
日本は、今まで溜めていたストレスを発散するかのように早口で言った。
いや、そんなことより……
何故日本は俺をこんな目に遭わせた?
正体が日本だという事にとらわれて忘れていたが、日本は俺を犯している。
嗚呼……思い出すだけで羞恥心と悔しさが湧いてくる。
日本は、顔を隠して黙り込んだ俺を見てニタニタと微笑んでいた。
日本「何日か前の事を思い出して恥ずかしさに浸ってるんですか?」
何なんだ…この変な感じ…
もう俺は此奴を…日本を息子とは思えなくなってきた。
何故、実の親をあんな風にしてヘラヘラとしていられるのか。全く持って理解が追いつかない。
早く逃げたい。
俺の頭はそれしか考えれなかった。
怖すぎる……自分の息子が親に手を出すなど、あり得ないことだと思っていた。今はこれが普通なのか…
まずい、混乱してしまって冷静になれない。
日本が俺に近づいてくる。
日本「父さんは無防備ですね…」
服すら着れていない俺をくまなく見つめ、ギリギリまで顔を近づけてきた。
日本「……何か喋ってくださいよ…」
何を慄いているのだ、元軍人。ここは恐怖に打ち勝って反せねば。
日帝「………日本、お前はどういう目的であんな事をした?」
日本「父さんの事を世界一愛しているからですよ」
まさに即答だった。聞かれる内容を知ってたかのように日本はキッパリと言い張った。
日帝「……家族として、だよな?でもあんな事をするのは本当に良くないぞ。俺だから許している……、俺でも許さないが。」
親としてちゃんと叱るべきだ。そう思い、俺は日本を正すために話し続ける。
日帝「人を勝手に犯すなど……強制わいせつ罪にもなるんだぞ。それに、俺とお前は親子だ。あんなの…」
日本「私は…私は父さんの事を生まれたときからずっと愛してた。なのに拒むんですか?こんなにも愛しい息子から愛されているというのに……父さんは贅沢なんですね」
日本は淡々としゃべり続ける。もう俺には日本を止められないのか。
目を伏せ、ついに思ってもないことを発してしまう。
日帝「もう息子だなんて思ってない、」
その言葉を聞いた日本は、驚愕していた。
世界の終わりのような顔をして俺を見る。
俺は、うっかり滑った口を慌てて覆う。いくら怖かったとはいえ、俺のたった一人の息子にあんな事を言ってしまうとは………
大変ショックを受けたようで、日本は動かなくなった。
それと同時に、言ってはいけないことを言ってしまった事を心の中で凄く反省した。
謝ろうとした瞬間、
日本「良いです……………」
日本は、うっすらとした瞳に闇を孕んでいた。
日本「私が居ないと生きていけないようにしますから………」
そう言い、不気味に微笑んで俺に近づく。
手に刃物を出現させ、手に血管が浮き出るほど強く握りしめた。
その途端、
おかえりなさいませませ
申し訳ございません、20日ほど放置していました。😭😭😭
センシティブな内容はなかったですが、いかがでしたかね…!?
日本はヤンデレ感がえげつないですねッ
にほっぽくないなあと感じた方は多いかと…
(;^ω^)
4000字くらいぶっ通しで書きました、!
なので文の量は多い筈…🤔
このあとの展開どうしよう……
それでは!(`・ω・´)ゞ
追記:読者様たち、投稿してから読むまでが早すぎてなんかもう興奮しましたッッッ❗️🥹((変態か
めちゃ嬉しいですありがとうございます‼️
コメント
33件
ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!? やべぇ!日本がヤンデレ?! 良すぎるんだがぁぁぁぁぁ!? 最高だぜ☆
美味しい美味しい美味しい美味しいヤンデレ祖国美味しい過ぎる!! しかも日日とか本当に最高これおかずで白米10合は食えるッッッッ!
日本くんかぁ...もう仕方ないねぇうちの祖国様ったら()