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「天使様」
2 × 1
ばさぁ”ッ
天に響く羽が羽ばたく音。
「天使様、ッ!!」
「天使様、ッ此奴が生贄ですッ。 」
: 、ッ”…さわん”な”ッ!
1代に1度の恒例行事。
不規則に天から天使が舞い降りる。
天使とこの村の人間が昔結んだ契約だ。
水 side.
水 : …はぁ….、今日、か…。
今日は嫁を迎える日。
僕ら天使族は1代に1人、ある村の人間から嫁を迎え入れることが決まっている。
迎え入れる人間は村の中で決まっていて、村では”生贄”として、産まれた時から育てられる。
嫁として迎えられると、天使族が住んでいる天界へつれていかれ、もう二度と人間界に降りることは許されない。
迎え入れられた人間は、天界に降りると、少し特殊な人間になる。
男でも、女でも、子供が産める体になるのだ。
そのため、性別など関係なしに村では生贄が選ばれる。
そこの間に産まれる子供は人間と天使のハーフって訳でもなくて、必ず人間か天使、片方の種族に別れる。
人間が生まれても天使が産まれても育てられる環境は一緒。
ただ、種族は違うから少しだけ片方が”劣る”ってことが多くて、可哀想だなって思う。
水 : …そろそろ降りるかぁ…。
赤 side.
今日は1番嬉しい日。
でも、1番最悪な日。
俺がテストで満点とっても、なにか賞をとっても褒めてくれない、 ずぅっと虐待されてきた、親から逃げられる日。
いじめっ子から逃げられる日。
生贄として扱われなくなる日。
でも、もう大好きな友達とは会えなくなる日。
赤 : …行きたくないなぁ”ッ…。
なんで俺が生贄に選ばれたんだろう。
「ぉい”ッ、天使様が降りてくる前に支度しろ”ッ”」
赤 : …ち”ッ…、。
赤 : こっちくん”なッ”!!
「おま、ッ”」
ばち、ッ”
赤 : ぅ”ッ、…っ
毎日毎日こんな感じ。
逆らうとすぐ手をあげられる。
天使の生贄だからって関係ない、天使に捧げる日でも何時でも、俺は殴られ蹴られ、見えないところに傷を作られる。
それに、強姦だって。
「嫌だ」って言っても聞いてくれない、俺はこの村の生贄であり、親の、あいつらのストレス発散道具であり、性処理道具でもある。
赤 : …はぁ、…産まれる先間違えちゃったなぁ…
赤 : …神様…なんでこんな村に俺を産まれさせたの?。
バンッ”
そんな事を考えているとドアが開いた。
「早くしろ、天使様が降りられた。」
赤 : …。
最後にみんなと話したかったなぁ…。
ガチャンッ…
手枷に鎖を付けられる。
俺が途中で逃げることが出来ぬようになっているようだ。
トコトコ、ッ_
小屋から出され村の奥にある噴水に連れられる。
鎖を引っ張る手は強引で、手首を少し痛めながらも歩き続ける。
青 : りうら、ッ…
後ろから聞こえる俺の名前を呼ぶ声。
ずっと仲良くしてきた友達だ。
兄弟じゃないけど、兄弟のように扱ってくれた友達のうちの1人。
寂しそうな、でもどこか安心している顔だ。
赤 : ぁ..ッ…まろ…、、。
青 : なぁ、っ…また、会えるやんな…?…。
赤 : ( そんなこと…聞かないでよ…ッ… )
赤 : …ッ…、うん…、ッまた会えるよ、..
天界に上がった人間はもう二度と人間界には降りられない、そんなこと承知の上でまろを安心させる為にも、少し引きつっているかもしれないが笑顔で”また会える”と、嘘をつく。
赤 : まろ、みんなにばいばいって伝えといて、
赤 : りうらからの最後のお願いだよ、ッ”
青 : おん、ッ、
グイッ
赤 : ッ、
鎖に早くしろと言わんばかりに強く引かれる。
赤 : …まろ…ッ”…じゃあね。ッ…”
赤 : 大好きだよ、
青 : またな、ッ!
グイッ”
赤 : っ”…ふッ…“…
もっと話したかった、最後なのにどうして急かされないといけないんだろう。
赤 : …泣”…ばいばい、ッ…”
あとは、まろがみんなに伝えてくれる事を希望に、前へ進む。