テラーノベル
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深夜0時。
旧校舎三階。
仁人と勇斗は並んで立っていた。
目の前には、黒い影。
今までで一番濃く、禍々しい闇だった。
🩷「……来た。」
勇斗はひび割れたペンダントを握り締める。
もう光は弱い。
長くはもたない。
💛「勇斗。」
🩷「下がって。」
💛「嫌だ。」
🩷「お願いだ。」
💛「もう、一人で戦わせない。」
勇斗は苦笑した。
🩷「ほんと頑固。」
💛「幼なじみだからな。」
その一言に、勇斗は少しだけ安心したように笑う。
次の瞬間。
黒い影が二人へ襲いかかった。
勇斗が前へ出る。
仁人も走る。
二人は初めて肩を並べて戦った。
黒い影はうなり声を上げながら、勇斗だけを狙う。
💛「なんで勇斗ばっかり……!」
🩷「……違う。」
💛「え?」
🩷「最初から狙われてたのは、仁人なんだ。」
その言葉に、息が止まる。
🩷「俺は、お前の代わりだった。」
💛「……え?」
🩷「だから近づくなって言った。」
黒い影が再び襲いかかる。
勇斗は仁人をかばう。
その衝撃で、ペンダントが砕け散った。
光が消える。
🩷「しまっ──」
黒い影が勇斗へ手を伸ばす。
💛「勇斗!!!」
仁人は迷わず飛び出した。
勇斗の腕をつかみ、強く引き寄せる。
💛「もう十分だ。」
💛「今度は俺が守る。」
🩷「……仁人。」
💛「ずっと一人だったんだろ。」
💛「これからは違う。」
その言葉が響いた瞬間。
黒い影がゆっくりと揺らぎ始める。
闇は苦しそうに形を失い、やがて月明かりの中へ溶けていった。
校舎に静寂が戻る。
冷たかった空気が、少しだけ温かくなった。
時計を見る。
午前一時。
もう何も起きない。
🩷「……終わった。」
勇斗がその場へ座り込む。
仁人はそっと隣へしゃがんだ。
💛「お疲れ。」
🩷「全部終わった。」
💛「うん。」
🩷「……ごめん。」
💛「謝るな。」
🩷「秘密ばっかりで。」
💛「知ってる。」
🩷「怖かった。」
💛「知ってる。」
🩷「守りたかった。」
仁人は笑った。
💛「知ってる。」
勇斗の目から、一粒だけ涙がこぼれる。
ずっと一人で抱えてきた時間が、ようやく終わった。
仁人は勇斗の手を握る。
💛「勇斗。」
🩷「……?」
💛「好きだ。」
勇斗は目を丸くした。
🩷「……今?」
💛「今。」
🩷「こんなタイミングで?」
💛「今しかない。」
勇斗は笑ってしまう。
涙を流しながら。
🩷「……反則。」
💛「返事は?」
少し照れながら、勇斗は仁人の手を握り返した。
🩷「……俺も好き。」
二人は笑い合う。
その笑顔は、夜明けと一緒に戻ってきた。
コメント
1件
ああ、もう…ここで告白するんだ…!ってなりました(笑)。「今しかない」って仁人が言ったところ、すごく良かったです。ずっと一人で戦ってた勇斗の「ごめん」「怖かった」「守りたかった」に「知ってる」を三回返す仁人の優しさ、じんわり来ました。ペンダントが砕けて光が消えた瞬間の絶望感と、そのあとの温かい朝のギャップが綺麗でした。続き、めっちゃ気になります!
#さのじん #M!lk
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