アンジェリカのテントの真ん中では、主不在の穴を埋めるように黒猫がクッションの上で丸くなっていた。
手持ち無沙汰になったウォルトは、小さな黒猫の小さな寝息のそばで武具の手入れをしていた。
空にはうっすらとねずみ色の雲が広がり天気は怪しく変わっていたが、まだ帰ってくるものはいない。
静かで、何の音もしなかった。
ウォルトが剣の刃に映る自分と、目が合った途端。
黒猫が唐突に起き上がった。
何かに弾かれて跳ねるように、勢いよく顔をあげる。
ウォルトが黒猫の目線の先を追い、テントの入り口に目を向けるのとほぼ同時に、アンジェリカ親衛隊の兵が飛び込んできた。
「ウォルト副隊長!」
「どうした?」
「狼煙が上がりました……!」
その言葉にウォルトはテントの外へ*********
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