『っ?!そ、それは言えません。』
その言葉を聞いてガッカリした。幻太郎もアイツらと同じなのだろう。仲間…「Posse」という言葉を思い出した。俺らは仲間で「Posse」だ、だから秘密の共有だってしてきた。おれがクローンってことも一番最初に話して、協力してくれた。だが今回は違うみたいだ。
『幻太郎…ボク達Posseじゃないの?』
『もちろんPosseですよ、だから言えないんです。』
『そっかぁ、残念だな』
言うはずではない言葉が出てしまった。幻太郎達が自分にそうしてくれてることは十分分かってるつもりだった…
『……お力になれずすみません。あなたを悲しませたい訳では決してないんですけど』
分かってるつもりなのに胸が痛い…大切だからこそ、言えないこともある冷静になって分かった…分かってる。分かってるのに…
『知ってる…けど、でも、』
『!? ら、乱数、なんで泣いて!』
『知らない…分かんない』
友情、それがあるからこそ傷つけたくない、だから言えない、そう、理解してるはずなのに…何故逆に苦しくなるんだろう。ただ好きな人を探しているのに全然見つけられない、そんな無力な自分が嫌になる。
『落ち着いてください、我々はいつでも貴方の味方です』
幻太郎は優しく微笑んだ。換気のため開けていた窓から入ってきた風が優しく俺を撫でてくる。少し鬱陶しいくらいで、でも心地がいい。その気持ちを矛盾させるように涙が今でも出てきてしまう。
『じゃあ幻太郎、ボクの探している人はどんな人なの?』
『……とても貴方のことを大切にしていましたよ…誰にでも優しく』
『何より………』
『何より?』
『貴方はその人のことをとても愛していましたが、その人も同じく貴方を愛していたので両思いでしたよ………』
両、想い?ボクとあの子が?ほん、とうに?
『………幻太郎…その子はボクが、その…クローンってこと知ってるの?』
『もちろん知っていましたよ、とてもとてもお似合いでした』
会いたいという気持ちが増してしまう、好きという感情が今にでも溢れてしまいそうで、彼女が俺の事をすきという嬉しい感情、何もかもが溢れ出てしまう…
『あはっなんだ…それなのにボク、その子のこと忘れてるの?』
『………………………』
『ごめんね、幻太郎、もうボク今、何も考えれないや』
『無理して考えなくても大丈夫です、今日は休みましょう?』
『そう、だね』
『また明日来ますね』
『ありがとう、幻太郎』
今日も夢に手がかりはあるだろうか?すこし寝てみよう…心を落ち着かせるのにもちょうどいいかもしれない、明日になったら幻太郎もはなしにきてくれる、そんな安心感があった。
♪。.:*・゜♪。.:*・゜
『飴村さん!』
そこには男性がいた、でも肌の色、骨格が男性には見えない…
『君は誰?どうしてボクの名前を呼ぶの?』
夢だと分かっている。でも聞いてみたかった、ボクの探している人に関係があると思えたからだ。
『俺は…愛×××』
あい?名前?愛という言葉以外は上手く聞き取れなかった。こちらを見てきている瞳は綺麗なピンクの色をしていた。
『まって、なんでボクの名前を呼ぶの?』
その男性らしき黒髪の人は今にでもどこかに消えるかのように遠くへと歩いていく、急に立ち止まってその子はこう言った。
彼、ううん、彼女は言ったんだ。ボクに対して彼女はボクの大切な人だ、でも、なぜ男のふりをしているかが分からない、聞こうとした時にはもうあの子はいなかった。
『また、会えるかな』
コメント
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もう耐えられん.˚‧(´ฅωฅ`)·˚.
あ〜♪