コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「わかった・・・車で行くか新幹線で行くかわかんないけど、とにかくそっちへ行くわ 」
「ああ・・・・鈴子、早く会いたいわ・・・・」
一気に涙があふれる、こんな我儘な娘でごめんさいママ・・・・
泣きながらでも母と今後の話をして、何とか電話を切った
そうすると俊哉がベッドルームから起きてきた
「どうした?話し声が聞こえたけど」
「あなた大変!私のおばさんが脳梗塞で・・・」
私はしばらく泣きながらそのおばさんとの、思い出を彼に語って聞かせた
彼はしばらく同情して抱きしめながら、背中を撫でてくれた、いつになく優しい態度にとても幸せな気持ちになった
そして一通り涙も枯れた頃に、彼が冷蔵庫からアイスコーヒーをグラスに継ぎ、リビングに座りテレビをつけた
「残念だったな、とても辛いだろうけどお葬式に行けないのは、かえって良かったんじゃないか?」
私は驚いて目を丸くした
「え?・・・一緒にお葬式に行ってくれないの?新幹線は高いから車で――― 」
「本当に忘れっぽいんだな?アルツハイマーじゃないのか?今週末はリバティ・トラストの法話セミナーに、夫婦で参加するって言ってたじゃないか」
彼に睨まれ私はまごついた声で見返した
「そうね・・・たしかに聞いていたわ・・・でも家族の不幸があったのだから、そのセミナーはまた次の機会に・・・」
「お前の家族は俺だろ!」
彼の投げつけたアイスコーヒーが私の腕に当たり、服にコーヒーがドボドボかかる
「私は実家の不幸にも立ち会ったらダメなの?」
思わずカッとなって珍しく反抗的な声が出た、ぐいっと髪の毛をつかまれる
「痛いっっやめて 」
「本当に頭が悪いな!誰がお前の生活費を払ってやってるんだ!え?リンリン!俺だろ?お前の家族がいったい何してくれたっていうんだ!一円も俺らに恵んでくれたことないのに!」
顔の間近で唾を飛ばされる