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──以前から進めてきたPRグッズのサンプル案が通り、グッズを実際に作る制作部ヘ引き渡すことが出来た。
これも、サポートしてくれた矢代チーフのおかげかなとも思う。私一人じゃ、ちょっと気難しい感じのあのクライアントさんとは、やっぱり手詰まり感も否めなかったかもしれないし……。
仕事を終えた後で、チーフと二人で食事をしながらそんなことを考えていたら、
「そういえば、PRグッズの案件を制作部に回すことが出来たんだろう?」
ちょうど考えていた話題を、彼の方から振られた。
「私も、今そのことを考えていて。スケジュールにあまり遅れもなく、制作部へ引き継げたのも、矢代チーフが支えてくれたおかげかと……」
私の言葉に、チーフが「いや、違うな」と首を横に振った。
「……違う?」何がだろうと首を傾げる私に、
「そんな風には思わなくていい」
そう言うと彼が食べていた手を止めて、私の顔をじっと見つめた。