昼想夜夢

桃side

泣き疲れてしまったのか俺に寄りかかり袖を握りしめたままで莉犬は眠ってしまった。

かわいいかわいい俺の莉犬。

俺のせいで不安になって俺のせいで泣いてるなんてほんとかわいいね莉犬は。

…母さんの入院は嘘だしナンパも嘘。

このままでも莉犬は俺なしでは生きられなくなってくれただろうけど、

俺と離れて不安になれば莉犬はもっと俺に依存して俺を必要としてくれるって思いついちゃったからさ。

正体の分からない相手からのストーカー行為が止まないのに、唯一頼れる俺は来られない。

なんて、ちょっと苦しめすぎちゃったかな。

まぁ後悔なんてしてないしむしろ計画通り行き過ぎて怖いくらいだ。

来られないからと莉犬の家に行かなかった日は部屋に設置したカメラを通して莉犬の様子を見ていた。

莉犬の周りのことを全部やるのは俺無しでは生きられなくするのが1番の理由だけど

もう1つは隠してあるカメラが莉犬に見つかったら大変だから。

俺が行かない間掃除されたらばれちゃうなーとは思っていたけれど掃除なんてする余裕はなかったみたいだね。

いつもよりストーカー行為を激しめにやっといて良かったかな。

おかげで莉犬を追い詰められた。

日に日に弱っていっていつもなら出来るはずの最低限のことすらもできなくなって行く莉犬を見る度嬉しくて堪らなかった。

俺と会えない間の莉犬は行動のどれもに俺が影響していた、泣くのも頑張るのも全部全部

莉犬があそこまで弱ったのも全部俺のせい。

そんな限界な状態の莉犬に俺が知らない人といるところを見せた。

容姿が良くて良かったよ。少しお願いしたら理由もよく聞かず付き合ってくれるんだから。

莉犬の帰り道に先回りして腕を組んでる所を見せて不安にさせて…

感情がぐちゃぐちゃになってるのは俺のせい。

まるで出会った時みたいだ。

あの日と違うのは莉犬が俺しか見てないってこと。

ようやくだね。

もう莉犬は俺から離れられないよね。

俺的には学校に行けないくらいになってくれたら良かったんだけど、、

それでもまぁ時間通りに行けない日が増えていたから時間の問題だろう。

警戒心が強くて疑り深いのに、優しいさとみくんを疑うなんて最低だってまんまと俺のこと信じちゃうんだから

「可哀想な莉犬。…あいしてるよ」

これは出会ったあの日から全部決まっていたことだから。