涼ちゃんの気持ちです。
「なんか俺も同じ感じかなぁ」
涼ちゃんが肩をすくめながら話し出した。
「俺も最初は完全に流された感じだったんだよねぇ」
不安定な俺を見ていられず、これで精神的に安心して眠れるなら…と思ってくれたらしい。
俺の態度から『受け入れる作業』というような割り切った感覚だったようだ。
でも、涼ちゃんもフェーズ2が進み俺が落ち着きだした時期に自分の気持ちに疑問を持ったらしい。
「俺さぁ、元貴が精神的に落ち着いて嬉しい反面…ちょっと悔しかったんだよね」
悔しい?俺は首をかしげる。
「若井と3人で集まる機会が増えたでしょ?元貴が落ち着いたのは若井がいるからかなぁって。元貴と若井の信頼関係はすごくて、たとえエッチしてても若井には敵わないんだなぁと思ったんだ」
そう言う涼ちゃんに俺は驚きを隠せなかった。
「俺は元貴が安心して眠るための道具でやっぱり心の支えにはなれないんだって思い知らされた。その時に気づいたんだ。割り切った関係なんて自分に言い聞かせてたけど、やっぱり俺は元貴に必要とされたかったんだなぁって」
寂しそうな顔で笑う涼ちゃんを俺は見つめる。
「失恋して初めて自覚した感じ?」
「そんな…」
でも…と涼ちゃんは笑う。
「今回のは大変だったけど、ちゃんと元貴との関係もハッキリしたし、冷静に思い出すとなんかちょっと嬉しいんだよね」
えっ?と俺は涼ちゃんの顔を見る。
「元貴さぁ、若井が俺に手を出したと思って若井とケンカしたじゃない?俺、元貴の中で若井と俺だったら絶対若井の存在の方が大きいと思ってた」
思い出したように涼ちゃんは嬉しそうにフフッと笑う。
「だから若井にすごい剣幕で怒ったって聞いてちょっと嬉しかったんだ」
「そりゃあ若井は昔からの親友でもう家族みたいっていうか、大事な存在だけど涼ちゃんとは全く違うよ」
若井に対するのと涼ちゃんに対する感情は全く別物だ。
「俺、若井がどれだけ女遊びしようが、結婚しようが若井が幸せならいいって思える。でも涼ちゃんは違うんだ…」
涼ちゃんと若井が上手くいくようにと身を引くのは身体が引き裂かれるような気持ちがした。幸せになって欲しいと思う反面、俺以外の人と幸せになる涼ちゃんを想像しただけで自分の中でどす黒い感情が暴れ回るのがわかった。
「涼ちゃんが他の人といるなんて耐えられない。俺の隣にいてくれるんじゃなきゃダメなんだ」
「元貴…」
涼ちゃんが泣きそうになりながらギュッと俺にしがみついてくる。
「俺、最初は確かに元貴に流された。でもそれは元貴が俺を頼ってくれたのが嬉しかったからなんだ。元貴以外だったら殴り飛ばして終わってる。その後だって続けたりしない」
あの関係は涼ちゃんの優しさだけで許されたものだと思っていた。すがられると誰の事も許してしまう涼ちゃんだから。
ずっとそう思っていた。
「俺は涼ちゃんに救われたんだ。誰も信じられなくて…、自分すら信じられない暗闇の中にいた俺を救い出してくれた」
…でも、あれは『俺だから』。涼ちゃんの中で俺の存在が『特別』だからこそ許されたものだと言われ、自然と笑顔があふれた。
「ありがとう。本当に大好きだよ。ずっと俺の隣にいてね」
「うん。ずっとずっと一緒にいようね」
そう言って俺たちは微笑みあった。
やっとほのぼの✨次回はやっと思いが通じ合ってのエッチがきます。
ここまで長過ぎ😓
コメント
6件
言葉を尽くすことは大変難しい…話ができた二人はもう大丈夫ですね〜
ほのぼのしてる(◜¬◝ ) てぇてぇな(◜¬◝ )
幸せな答え合わせにほわほわです✨ 更新、ありがとうございます🥹♥️