※attention
めちゃ読みづらいです。
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突如現れた
謎多き執事である
デビルズパレス唯一の女執事
そんな私の物語
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「私を悪魔執事にしてください!!」
私の長い長い執事生活はここから始まった。
初めて私を見たときの執事の顔は今でも忘れられない。
「まず貴方はどなたなのでしょうか…?」
『…それが名前を覚えていないんです。』
「とりあえず中で話したらどうかな?」
「それもそうですね。」
私は必死にお願いした。私は悪魔執事になるために今まで数年間努力してきたつもりだ。
本来の自分を捨ててまで。
「…なぜ悪魔執事に?」
ベリアンさんが用心深く私に問う。
『皆さんと共に世界を救いたいから。 それ以外に理由はあるのでしょうか… 』
「君、体力はあるの?」
今度はルカスさんが口を挟んだ。
『この数年間毎日欠かさず努力しました。』
「なるほどなぁ…んじゃ、誰かと模擬戦でもしてみれば?」
ハナマルさんが思い切って提案した。
『模擬戦!?』
「なに、不安なのー?」
『…そんなことはありません。』
結局私は模擬戦で力試しをして、話を聞いてもらうことになった。相手はベリアンさんだった。
結果は私の全敗。流石ベリアンさんだったとしか言いようがなかった。
「剣術はまだまだのようだが、身体の動かし方が洗練されているな。」
ハウレスさんは私の動きを汲み取るように、長所と短所を挙げていった。
「見た感じ力もそこそこあるようだ。」
『はい!あと、体力にも自信があります。 』
「…なるほど。」
ハウレスさんは悩んでいるようだった。
「…この方は執事に向いている気がします。」
するとベリアンさんが口を開けた。
「「 え? 」」
突拍子もない彼の言葉に思わず皆間抜けな声が出てしまった。
「彼女からは何かを感じるのです。 その予感は今戦ってみて確信へと変わりました。」
『ベリアンさん…!』
「ってなんでお前ベリアンさんの名前知ってんだ!?」
今まで黙って話を聞いていたロノさんが大きな声で私の発言を指摘した。
『あ。 えっと…これは。』
「やっぱ怪しくねーか?こいつ。」
同じく黙っていたボスキさんまで口を開いた。
『違います違います…!誤解なさらないで!私は事前に貴方たちのことを調べたんです。』
事前準備というやつだ。
それからして私はようやく悪魔執事になるための第一関門を越え、次は面接のようなものを受ける第二関門への道を歩んだ。
「何かお辛い経験はされたのですか?悪魔執事は悪魔に耐えうる心をお持ちの方しかなれないのですよ。」
『…数年前に、忘れられないほどの経験を。』
「深掘りするようで申し訳ありませんが、具体的にどのような…?」
『…天使にやられたんです。 私の大事な人たちが皆目の前で。 』
「…それはお辛かったでしょう。」
『それに、私は貴方たちと働きたい。』
「それは何故なのでしょうか?」
『申し訳ないですが、詳しいことはお教えできないです。』
面接はずっとこんな感じだった。
「最後に、私達は貴方を何と呼べば…?」
『先程もお伝えした通り私は名前を覚えておりません。 お好きなようにお呼びください。』
すると執事たちは顔を見合わせて、少し困った表情を見せた。私はそんな彼らには無理もないと思い、最終手段として用意していた名前を持ち出した。
『じゃあ、ムーとお呼びください。』
私はその後、数日の審議を終えて悪魔執事になっても良いと許可が降りた。
デビルズパレスに認められて入ったときの、
あの高揚とした気分は今でも脳裏に焼きついている。
視線の先ではハナウドが優しく揺れていた。
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