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夏休みが始まって1週間が経った。毎日唯と通話しながらゲームをする、毎日同じことの繰り返しだが唯と話すのは飽きないからずっと話していられる。
だが俺は重要なことをずっと言えてない。そう…まだ花火大会に誘えてないのだ!緊張してなかなか言えずにいる。最近はゲームをする頻度が前より減ってきているからタイミングが減ってきていた。今日言わないと、いや、でももしかしたらもう誰かと約束してるかもしれない…もしそうだったらどうしよう。でも、もし無理でも誘わないと何も始まらないからなぁ…。よし…!
『唯、あのさ…』
『ん?何〜?』
『明日にある花火大会誰と行くの?』
『え…あー、誰とも約束してないよ』
『じゃあさ、一緒に行かない?』
『え、かんちゃん誰かと行く約束してないの?』
『うん』
『…じゃあ行こうかな』
「よっしゃぁぁぁぁ!」と言いたい気持ちを抑えて、心の中でそう叫んだ。
『でも従兄弟も来るから、最後の方は一緒にいれないけど、それでもいい?』
『うん、全然大丈夫』
しばらく話したあと通話は終了。
明後日告白しようかなと色々考えながら眠りについた。
花火大会当日。俺は自分が持っている服を眺めていた。
どの服を着ていこうか迷っていた…が、変に格好つけてもらしくないなと思ったのでいつもどうり普通の服にした。
そして、約束の時間。唯は花火大会が開催される場所の近くの店で従兄弟と買い物をしているらしく、少々遅れると聞いたので現地で待ち合わせることにした。待ち合わせの5分前に着き、唯を待っていた。
2人きりで遊ぶなんていつもの事だけど、こういうイベントはいつも大人数で行くことが多いから、2人で行くのは今日が初めて。それにつけ加えて今日は告白をする予定…、ドキドキして落ち着かない。
(しっかりするんだ寛太!!)
そう自分に言い聞かせているうちに待ち合わせの時間。さっきよりも心臓が激しく鼓動を打つ。それからしばらく待ったが、唯は来る気配がなかった。連絡しても既読がつかないのでなにかトラブルに巻き込まれたのではないかと急に心配になってきた。
唯が買い物をしている店に行こうと思った途端、後ろから声がして振り返った。
するとそこには息が乱れ、少しメイクをした唯が立っていた。
「あ、唯!よかったぁ…」と、咄嗟に声に出してしまった。
すると押川は首を傾げて不思議そうに俺を見た。
「へ?何が?」
しまった、声に出てしまった!でも本当に心配したのでそのまま気持ちを伝えた。
「いや、いつも時間ぴったりに来る唯がなかなか来ないから、何がトラブルに巻き込まれたんじゃないかと心配してたんだ…」
言ってから恥ずかしくなって視線を横にずらす。
唯はキョトンとしていた。それからふふっ、といつもの優しい笑顔で言う。
「かんちゃんってほんとに心配症だね、従兄弟と話してたからちょっと遅くなっちゃた、ごめんね」
「いやいや、全然!」
「じゃあ、行こっか!」
「お、おう!」
「じゃあまずは屋台でなにか食べようよ!私お腹ぺこぺこだよ〜 」
「いいよ、何食べる?」
「うーん、迷うけどやっぱり屋台と言ったらりんご飴でしょ!」
「じゃありんご飴買うか」
「うん!」
屋台でりんご飴を買って、少し段差がある場所に座った。