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高井戸さんとだけは携帯番号を交換して、亀田さんたちに見送られながら会社に戻り、そのまま辞表を出す。
みんな驚いていたけれど、部長だけはなにか聞いているのか黙って受け取ってくれた。
荷物を整理するのに三日間。その後は有休消化という形で、私は静かにTOHTAを去った。
有休期間中に、一度、遠田譲専務がアパートにやって来て驚いた。
彼は私を見ると気まずそうに笑い、最敬礼ともいえる角度で謝られた。私が謝られる話じゃないのに、と思いながら、お互い「すみません」の応酬になってしまっておかしくなってしまう。
「君が父の隠し子かと思ったんだ」
「私もそう思っていました。でも違うって知って。……復讐なんて意味ないですね」
私と彼の目的が同じだったと知って、彼はなんとも気まずい表情をした。
そして私は翌日から、職探しに奔走した。
ハローワークに行き、そこでまず自分の甘さを突き付けられる。
志望動機は? どういう仕事をしたい?
そんな根本的なところから自分を見つめなおさなきゃいけなくて。
今までどれだけ甘えて生きてきたのかを思い知らされた。
それでも、貯めた預金に母の遺産。私には、やり直すだけの時間とお金が残されている。
やはり恵まれた環境だと言わざるを得ないだろう。
そして……私はようやく就職先を見つけた。
栄養士の資格を生かしたくて、食堂や給食センターなんかの職種を探していた時、とある求人情報に出会ったのだ。
今度こそ、運命だと思えた。
だってこれは、自分で動いた結果で見つけたものだから。
すぐさま履歴書をもって面接に向かった。
彼女は驚いていたけれど、私の経歴を見て、頷いた。
「研修期間が一ヵ月。その間お給料は八割です。接客経験がないのは心配だけど、あなたには栄養士として食材の知識もある。私はね、お料理の良さを伝えることのできる仲居を育てたいの。ぜひあなたに頑張ってもらいたいわ」
「よろしくお願いします」
コメント
1件
第47話、読み終えたよ! 辞表を出して会社を去るシーンから始まって、遠田専務との「すみません」の応酬とか、お互い同じ目的だったと知って気まずそうにする空気感とか、すごくリアルだった。そしてハローワークで自分の甘さを思い知るところ、わかるなあ…でもそこから栄養士の資格を活かした仕事を見つけて、新しい仲居としてのスタートを切るところ、すごく応援したくなった! 「お料理の良さを伝えられる仲居」っていう面接官の言葉、なんか胸に響いたよ。主人公の再出発、応援してる🔥
鷹槻れん

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鷹槻れん

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水無月 京
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#大人の恋
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