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「……見たって何を…?」
「……。」
「……藤林先輩……?」
「毎年、この文化祭での様子を収めた写真が随時更新される特設サイトがあるのですが、そちらにある写真が先ほど掲載されていたんです。」
「ある写真……?」
「聖と花月さんがベストカップルコンテストに参加し、口づけを交わしている写真です。」
「……え……?」
「私も思わず疑いましたが、その場に居た知り合いに尋ねたら、聖の告白を受けた花月さんが聖と抱擁し……キスをしたと。あの様子だと劉磨はまだ知らない様ですが、泰揮はその事実を知ったのでしょう。」
「……でも、泰揮クン、あんなに保護者目線でいつも会話していたじゃない。もう諦めているってことでしょ…!?」
「泰揮は……本当の自分を決して誰にも悟られないようにしている……。いつも女言葉と冗談で装って明るく……綺麗な姿を作っている。本当に欲しいものすら求めない。」
「……どういうこと……?」
「……泰揮と私が出会ったのは、泰揮の母親の葬式でした。