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おら子の叫びと共に放たれた光は、アストラル精鋭部隊の魔法を瞬時に弾き飛ばし、その場にいた者たちを衝撃波で後退させた。
光が収まると、そこに立っていたおら子は、先ほどの怯えた様子とは打って変わり、どこか凛としたたたずまいを見せていた。しかし、その顔色は蒼白で、覚醒したばかりの力が身体に大きな負担をかけたことを物語っていた。
「おら子!」
おんりーは素早く彼女を支えた。彼の身体にうけた藻舞美の魔法の傷はまだ癒えていないはずだが、そんなことは気にも留めないようだった。
彼はおら子の瞳を覗き込む。そこには、確かに以前にはなかった、深淵を覗き込むような力が宿っていた。
一方、アストラル艦隊の旗艦に退避した藻舞美は、信じられないものを見たかのように、硬直していた。
「バカな…!グラウンドの原始的な民が、これほどの力を…?ありえない‼︎」
彼女の完璧な表情が、初めて嫉妬と動揺に歪んだ。あの力は、アストラルでごく一部のエリートにしか扱えない、あるいは失われたとさえ言われる古代魔法の片鱗に酷似していた。そして、それを制御できない野蛮な民が、不意に発現させたという事実が、藻舞美のプライドを粉々に打ち砕いた。
「オンリー、戻りますわよ!あのような危険な存在、一刻も早く排除するべきです‼︎」
藻舞美は精鋭部隊に撤退命令を出すと同時に、通信機を手に取った。 しかし、おんりーは彼女の呼びかけには応じなかった。彼はただ、ぐったりともたれかかるおら子を腕に抱き、集落の人々へと目を向けた。
「今は…追ってこない」
おんりーは呟くと、おら子を抱きかかえ、彼女の小屋へと向かった。集落の人々は、何が起こったのか理解できないまま、ただ唖然と2人を見送る。
小屋に戻ったおんりーは、おら子を簡素なベット寝かせた。彼女の体温は異常に高く、呼吸も荒い。無理に力を発動させた反動だろう。おんりーは自分の体力も万全ではないのにも関わらず、手慣れた様子で彼女の額に濡らした布を置いた。
「なぜ…あのような力が出せた」
おんりーは、おら子の透き通るような肌を見つめながら呟いた。彼は古代魔法の専門家だ。おら子の力は、彼が研究してきた古代の文献に記された「生命を司る根源の力」に酷似していた。
そして、それはアストラルが長い間追い求めてきた、伝説の「創生術」へと繋がる可能性を秘めていた。
「おんりー……」
おら子がうわごとのように彼の中を呼んだ。おんりーは、その弱々しい声に、これまで感じたことのない種類の感情が湧き上がるのを感じた。それは任務とは異なる、純粋な「守りたい」という衝動。
数日後、おら子の熱は下がり、意識もはっきりとした。しかし、あの時発現した力は、意識的に使うことはできないようだった。彼女自身も、何が起こったかは明確に理解できていない。
おんりーは、再びおら子の能力の調査に没頭した。だが、今後の彼の目的は、アストラルへの報告のためだけではなかった。おら子の能力が秘める可能性、そして彼女自身の安全。藻舞美の言葉が、彼の頭から離れない。「あのような危険な存在、一刻も早く排除すべきです!」
____アストラルに戻れば、おら子は研究対象として、あるいは危険因子として、徹底的に管理され、利用されるか、最悪の場合、処分されるだろう。
「おんりー?どうかしたの?難しい顔してる」
元気を取り戻したおら子が、心配そうにおんりーの顔を覗き込む。彼女の無垢な瞳に、おんりーは迷いを感じた。
「…いいや。何でもない」
おんりーはそう答えたが、彼の心の中では、アストラルへの帰還という絶対的な任務と、目の前の少女を守るという新たな衝動が、激しくぶつかり合っていた。
彼は知っていた。おら子の力は、世界の均衡を揺るがすほどのものだ。そして、その力は、おんりー自身が持つ「禁忌の血」の秘密とも、深く繋がっていることを。
最近、とうもろこし🌽をよく食べるんですよね。
丸かじりすると甘〜い粒の根本らへんが残るし、歯の隙間に皮みたいなのが挟まるしでいろいろ損してる気がして。
そこで一粒ずつちぎって食べるようになりました。
↑以上、ぬしのしょうもない話でした
ここまで読んでくれてありがとう!
ていうか♡が350超えました‼︎めっちゃ嬉しいです!
ではまた次回で