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琴寧
38
#織田信長
常陸之介寛浩
173
【作品閲覧にあたってのお知らせ】
暴力表現に該当する描写が含まれるため、
こちらで配慮し、センシティブ設定とさせていただきます。
なお、本作品はあくまで創作物です。
戦国時代を舞台としており、物語の都合上、戦やそれに伴う描写を完全に避けることが難しい作品となっております。
決して暴力や戦争を助長することを目的としたものではありませんので、その点をご理解いただいたうえで閲覧していただけますと幸いです。
また、私が公開している作品は、基本的に「自分が後から読み返すため」に作っているものでもあります。
そのため、今後も作品の内容に応じて、必要な配慮や設定を行いながら公開していく予定です。
運営さんやご覧になられている読者の皆様にはご理解のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、リメイクされた、復讐戦姫をお楽しみください。
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~駿河国今川屋敷~
私は武田家の姫。
兄である晴信に、父・信虎とともに追い出されていた。
今は義元様の庇護の元、最低限の生活を送っている。
追放された……理由はわからない……。
あの日、兄は何も答えてはくれなかった……。
縁側で目を閉じ、考えながらぼーっとしていたら、そこへ、少し前に「話をしたい」と部屋に呼んでいた父・信虎がやってきた。
父上は私の前に腰を下ろすと、口を開いた。
「……話があると言ったが」
私は、すぐに答えた。
「はい、名前を変えようかと」
「名前を???」
父上が、少し驚いたように聞き返す。
「はい。この陣形からそのまま取って、方円と名乗ろうかと」
「そうか、お前が決めたのなら父はもう何も言わぬ……。だが、急にどうしたというのだ」
「父上が言いましたよね。兄上たちを分からせてやれと。」
「ああ……そうだったな……。」
「そのためです、本名のまま動いたら、すぐに露見いたしますから。」
私がそう答えると、父上はしばし黙り込んだ。
そして、傍らにあった槍へと目を向けた。
「……そうか。なら、この槍をおまえに与えよう。この槍の名を合わせ、正蛇方円と名乗るといい。」
「はっ……ありがとうございます。期待を裏切らぬよう、全力を尽くします。」
私は頭を下げた。
「…………」
父上は、何も言わずに私を見ている。
ー正蛇方円ー
その名の響きが、やけに重く胸に落ちる。
ーーーーーー
しばらくして、父上がふと口を開いた。
「……で、何故、陣形から名を取ったのだ?」
「方円の陣は、大将を円形に囲む陣形……本来は、守りを固めるために使うものです。」
「ほう……。」
「ですが、もし囲まれているのが敵だとしたら、と考えてみたのです。」
私は、槍へと目を向けながら続けた。
「包囲されているようなものではありませぬか。正蛇の槍に、ぴったりですね……。」
「蛇も、執念深く追い詰めてきますから。」
「ははは……。だが、この正蛇の槍……わしも実はな、この槍をいつの間にか持っておったのだ。」
「……え?」
思わぬ話に、私は父上の顔を見た。
「そして、どこから持ってきたのか、それがさっぱり思い出せぬ。」
「……深酒のせいでは? 追い出されてから、酒の量がいささか増えておりますから。」
「だがな。これは何故か、お主に渡さねばならぬと思ったのだ。理由は分からぬ……ただの勘じゃ」
「…………」
私は、思わず槍へと目を落とした。
「むっ……、わしの勘なんぞと今思ったじゃろ?」
父上は、いたずらっぽく笑うと、私の頭をわしゃわしゃと撫でてきた。
「こやつめ~!」
私も思わず、父のいたずらに笑ってしまった。
ーーーーーー
ひとしきり笑った後、父上は改めて私の顔を見た。
「……で、これから、どうするつもりじゃ?」
「まずは情報収集に励もうかと……義元様にバレないようにせねばなりませんが。」
「懐刀の太原雪斎にも気をつけよ。あれはかなり、鋭いからの…。」
「ええ。今川経由で計画がバレたら大変ですからね……。」
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そうして、私は動き始めたのです。
……ですが……この名前を侮っておりました。
全てを飲み込む名だとは。
……この復讐には、代償が必要だということも……。
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コメント
1件
わあっ、もう第1話から重くてエモい……!「正蛇方円」って名前の付け方がカッコよすぎる〜😭💕 陣形から取ったって発想めっちゃ賢いし、でも最後の「この名前を侮っていた」の一文が不穏すぎて続きが気になりすぎる!!父上の「理由は分からぬが渡さねばならぬ」って言う槍も気になるし……これは完全に沼の予感しかしないよ〜!次話も楽しみにしてるね🌸