コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼前の静かな時間。
カウンターに並んでいた律のもとへ、美咲が軽やかに歩み寄ってきた。
「藤井くん、この前の資料、確認してくれた?」
柔らかな声に、律は振り返り、頷いた。
「はい。修正点をまとめましたので、後で共有します」
「助かるわ。ほんと、藤井くんがいると安心する」
自然なやり取りに、周囲の空気までも和らぐようだった。
華は少し離れた場所でその光景を見て、胸の奥がチクリと痛んだ。
(……まただ。やっぱり、美咲さんといる時の律さんは……特別に見える)
昨夜の出来事の恥ずかしさに加え、心に新たなざわめきが広がっていった。