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初譲渡会では飼い主が決まらなかった春花。二回目も声がかからず終了。そして三度目の譲渡会を迎えました。
「この子がいいんじゃないかい?」優しそうな20代ぐらいの男の人が春花を指さして隣の若い20代ぐらいの女の人に話しかける。「そうね。この琥珀色の目とこのキジトラ、そして口周りが白い特徴がハープとアンダンテ、特にハープにそっくり」女の人がにっこりと笑いながら春花をケージ越しにそっと指先で触った。「この子がご希望ですか?」聞くと、二人で「はい!」と言った。「では、この書類に書きこんでください」渡した書類を夫婦は大事そうに受取り、書いていく。「もしかしたら飼い主が決まるかもしれない」心が希望でいっぱいになった。「書けました」妻が書類を渡す。
トライアルも終わり、色々話し合った結果、春花の正式譲渡が決定しました。春花をその人の家へ届ける。
「なーうー」春花が二ヶ月ぶりに大きな声で鳴いた。